異色風呂マンガ『テルマエ・ロマエ』の作者が贈るイタリア大家族爆笑エッセイ

更新日:2018/5/16

イタリア家族 風林火山 (ぶんか社コミックス)

ハード : 発売元 : ぶんか社
ジャンル:コミック 購入元:Amazon.co.jp/楽天ブックス
著者名:ヤマザキマリ 価格:843円

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風呂×ローマ×タイムスリップ×ギャグ。 そんな前代未聞の設定で話題を呼んだ『テルマエ・ロマエ』で、マンガ大賞2010&手塚治虫文化賞短編賞をダブルでかっさらったヤマザキマリ。 実は彼女の夫はイタリア人で、彼女も数年前まではイタリア人の家族と田舎暮らしをしていたのだ。

『テルマエ・ロマエ』以上に爆笑悶絶エピソードに満ちた、イタリア大家族の日常とは?

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「イタリア人と結婚してその家族とイタリアで暮らしているの」と女友達に言われたら、「何それ素敵! やっぱジローラモみたいな旦那さんなの?」と反射で聞いてしまいそうになりますが、どうやらそれって日本=サムライくらい笑止な話らしいですよ。

まず、作者の夫は学者です。セクシー伊達男とはほど遠い、なで肩&痩せ型で眼鏡をかけた色白男。「それはそれで全然ありじゃん!」と鼻息が荒くなる女子もいそうですが、彼を取り巻く田舎の大家族の個性がハンパじゃない。

発明好きな舅、息子を溺愛するザ・マンマな姑、ワガママ全開の祖母、男とケンカしては悩み相談に来るナルシストな小姑、90歳を過ぎても派手好きな舅の母、そしてニワトリ30羽にアヒル20羽、犬2匹、猫3匹、ネズミにモグラと、ペット(というか家畜)にいたるまで、まるでマンガのような大家族設定(笑)。主婦が超繁忙期と化すクリスマスや、家族でのヨット旅行、「死ぬかと思った」な出産エピソードなど、ワガママで騒がしいイタリア人たちに振り回されながらも、作者はすべてをネタに変えて痛快に笑い飛ばします。

キャラたちの突き抜け具合は、ある意味『テルマエ・ロマエ』以上。コミックエッセイにも関わらず、ギャグとしてのキレは、こちらの作品のほうが数段上のように私には思えます。単純に笑える回数でいったら、絶対こっちのほうが多いはず!

年末年始、久しぶりに家族で集まるという人は、帰省の移動中にでもiPhoneでさくっと読むのがお勧めです。パワフルな大家族日記に笑いながらも、「クセがあるんだけど憎めないって、どこの家族も同じだな」、なんて優しい気分になってきますから。

右が作者。「夫はイタリア人でその大家族と暮らしてる」なんて言われたら、羨ましいな気持ちになりますが…現実はそんなに甘くないっ!

ヤマザキさんの夫ベッピーノは見た目も中身もバリバリの学者。ちなみに超几帳面なA型です

発明好きの舅アントニオ。実は独り者を見ていると放っておけない、仲人おばちゃん気質でもある

海上でドラえもんのごとく発明品を取り出すアントニオ。でも家族の中に発明家がいるってすごいよね!

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こちらがiPhoneでのRenta!メニュー画面。“本棚”の整理はPC画面からもできる
※画面写真は電子貸本Renta!のものです