BANANA FISH、今を以て最強の少女マンガ!

更新日:2012/8/8

Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)

ハード : 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:Amazon.co.jp
著者名:吉田 秋生 価格:421円

※最新の価格はストアでご確認ください。

吉田秋生という不世出の作家を、一躍ビッグネームに押し上げた長編大作。
  
ドラッグ、マフィア、ゲイ、レイプ、人種紛争、キディポルノ、ストリートギャング、そしてボーイズラブ風味満点のプラトニックな友情。そのジェットコースター的展開は凄まじく、少年少女が触れるにはあまりに刺激的な世界。これが少女マンガで連載されていた、というのは、あまりに有名な事実である。

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原作のコミック単行本は大袈裟でなく擦り切れるまで読んだ。あまりにボロボロになっちゃったもんだから、後日再編集された文庫版も結局購入した。にもかかわらず、新たに電子書籍版も手に入れちゃう始末。しかし、少しも損をした気がしない。
  
改めて電子書籍版で読み返してみる。 全く意識していなかったのだが、考えてみると別冊少女コミックでの連載開始は1985年。発表から四半世紀が経過しているにもかかわらず、全く古臭さを感じない。練りに練られた構成も、捨てキャラが全く存在しないヒューマンドラマの渦も、作品世界に完璧にマッチした画風も、未だに色褪せることなく相変わらずこちらをドキドキさせてくれる。主人公であるアッシュ・リンクスの表情を見てるだけでもう…。
  
いやぁ、名作だ、マジで!
  
この作品、以下の理由にて電子書籍化は大成功。
  
まず、大人がiPhoneやiPadに入れて持ち歩くには格好の素材であり、ちょっと時間が出来た時に充分楽しめる作品であること。作中でジワジワ向上し、圧倒的に色気を増していく画力を、画面上でかんたんに比較出来ること。細かな部分を挙げると、見開きページの繋ぎ目の処理が非常に丁寧で、違和感が全然無い、など。いろいろな意味でこのプラットフォームに最適である。
  
よくあるフレーズではあるのだけど、本当の意味で「不朽の名作」に相応しい作品。マンガ好きにはもちろん、ハードボイルドな小説愛好家にも強くお奨めします!

iPad横モード。見開きの繋ぎが丁寧

第1巻でのアッシュと英二。鋭く勢いのある画風

最終19巻での2人。鋭さを保ちながらも、洗練されている

最終巻では2編のアナザーストーリーも掲載 (C)吉田秋生/小学館
※画面写真はeBookJapanのものです