逆説的ですが、この本に書かれていることを実践できれば「ノマド」です

小説・エッセイ

公開日:2012/8/13

仕事するのにオフィスはいらない ― ノマドワーキングのすすめ

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 光文社
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:佐々木俊尚 価格:616円

※最新の価格はストアでご確認ください。

この原稿は都内のスターバックスで書いています。この7月からスターバックスでは、Free Wi-Fiサービス「at_STARBUCKS _Wi2」を開始しています。これ、簡単な会員登録をすれば、スタバ店内で無料Wi-Fiが使い放題になるというサービスなんですね。開始当初は都内だけでしたが、徐々に全国に広がっていくそうです。

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つまるところ僕は、まさに今、オフィス(といっても自宅兼事務所ですが)ではない場所で仕事をしているということです。これが「ノマド」。最近ではマスコミなどでも取り上げられている注目の働き方。見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか? まあ、個人的には会社員時代も含めて、オフィス以外のどこかでパソコンを広げて仕事をするなんて日常的なことだったし、周りにはフリーランスで活躍する方々がたくさんいたので、いまさら「ノマド」と流行りのように扱うのはいかがなものかと思うわけです。

さてさて。今回ご紹介するのはそんな“ノマドブーム”がやってくる少し前、2009年7月に出版された『仕事するのにオフィスはいらない―ノマドワーキングのすすめ』の電子書籍版です。著者はフリージャーナリストの佐々木俊尚氏。本書では、“「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルを実践している人たち”を「ノマド」と定義し、その実例や、実践にあたっての必要な心構え、「ノマド」に役立つITツールなどを紹介しています。佐々木氏も自宅に事務所を構えるフリーのジャーナリストであり、自身もノマドワーキングの実践者。だからかどうか分かりませんが、ノマド現象に対する論考とかそういった類の話だけではなく、むしろ佐々木氏自らが実践しているワークスタイルの紹介とそこから導き出された心構えが本書の主旨、といった趣が強いように感じます。

ノマドワークスタイルには、次の3つをコントロールする必要があるそうです。
1、アテンション(注意力、集中力)のコントロール
2、情報のコントロール
3、仲間とのコラボレーション(連携、協調)のコントロール

まあ、ノマドじゃなくても必要だよね、という気もしますが、自律的に働く必要のあるノマドワーカーにとっては、より重要ということなのでしょう。その上で「クラウドを使いこなす」「GmailやDropboxなどのツールをフル活用する」といった具体的な方法に話はつながっていきます。いかんせん、発行から3年が経過しており、ツールに関する部分は最新の情報とは言いがたいところもあります。しかし、佐々木氏の情報の追い方や整理の仕方が書かれており、多くの人にとってはそれだけでも役に立つ情報となるでしょう。それに、ツールは自分で適当なものにアップデートすればいいのですから。

というわけで、場所に縛られず、自由に動きまわって、より質の高い仕事をするノマドを目指す人にも、今の働き方をより効率化したいという人にも、ご一読いただきたい実践書のご紹介でした。
さて、時刻は15時近くになり、周囲にはおやつタイムのマダムや小さな子どもをつれたママ友グループが目立って来ました。そろそろ他の場所に移りたいと思います。パタパタパタパタ。


ノマドは「あくまでも個人としての矜持を保ち、そして自宅やカフェや外出先などでテレワーク的な仕事をこなす独立独歩な人たち」でもある

セルフコントロールができないタイプの人は、ノマドワークスタイルには向かないとも。たしかにそうだ…

ノマドは鍛え上げられた情報強者!

佐々木氏は取材のときはペンもノートも使わず、すべてパソコンに入力していく。後々検索もできるからこのほうがいいとのこと。なるほど

自分の集中力が高まる波を知っておくことが大事

集中力をコントロールするスキルとして「ペンシャープナー」を紹介。「ペンシャープナー」とは、文章のカンを鈍らせないために読む本や、原稿を書く前に読むお気に入りの文章のこと。これは、個人的にいただきます