劇物入りマシュマロ! ウサギの皮をかぶった戦士ふたたび!

公開日:2012/9/4

Cat Shit One'80 VOL.1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : SBクリエイティブ
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:小林源文 価格:840円

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本作は、ウサギが戦う戦争漫画。ごく最近に、CGアニメ作品にもなったので、ご存知の方も多いと思います。映画のベースは前作の『Cat Shit One』で、本作(80s)はその続編にあたります。

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米国特殊部隊Cat Shit Oneの活躍がシリーズの根幹ですが、鮮烈な戦争風刺も本作ならではの醍醐味。(前作は過激すぎて連載を断られた経緯があるとか)80sでは、前作のヴェトナム戦争から冷戦まっただ中の80年代へ舞台を移し、激動の東西冷戦時代の様子や、ナム戦後に立場が変わったキャラクター達などを見ることができます。

さて、冷戦下といえば、初の近代戦争であるフォークランド紛争が非常に有名です。戦争作品的には非常にアツい時代!! …なんですが、我らがCat Shit Oneはアメリカ所属。西欧の紛争には出番なしか…。と思いきや、我らがパーキンス少佐はイギリスに居た! しかもフォークランドで大活躍をみせ、世界最強と呼ばれる程になった特殊部隊、SAS所属。なんてタイムリー! いやはや、交換将校(国同士がお勉強の為にする人員交換)とは便利なシステムがあったもんです。

前作では野戦が多く、ベトコンとの泥臭い戦闘などジメジメした感じでしたが、本作では市街戦、情報戦と、近代特有のドライな戦争をみることができます。実名や実在の事件を躊躇なく登場させ、ズバズバと風刺していくスタイルはより一層スパイシーに。
人間の代わりに、かわいい動物達を擬人化して登場させるのが『Cat Shit One』のスタイルですが、人間が登場しないことで、時代の様相や所業がよりはっきりくっきり感じられます。

フランス人が豚だったり、日本人が猿だったり、民族の描写からして風刺がたっぷり! エグ味は抑えて、実は激辛。でも、後を引いて辞められない止まらない!


アジア嫌いのボタスキー(黒い方)、衝撃の実業家転身…

どこかで平賀=キートン・太一(マスターキートン)とすれ違ってそうです

ちなみに、ブタ=仏 ウサギ=米、キツネ=独、ネズミ=英