業界残酷物語系をライトノベルで読む!
公開日:2012/9/10
なれる!SE 2週間でわかる?SE入門
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス |
ジャンル:ライトノベル | 購入元:BOOK☆WALKER |
著者名:夏海公司 | 価格:620円 |
※最新の価格はストアでご確認ください。 |
レーベルは電撃文庫ですが、週刊アスキーでの連載があったりする異色作です。おすすめアイコンは“泣ける”ですが、これはSEの人限定で、金融や公務員、独身貴族の人だったり、結婚して家庭のある人にとっては“笑える”なのかも。でも、時々でいいので思い出してあげて下さい! こういう職場で精神と体力の切り売りをして日々の糧を得ている人たちのことを。ちなみに、わたくしは元SEなのでやっぱり泣けました。
この作品は、就活に失敗してしまった主人公、工兵くんが“間違って”SEの道を選んでしまうという物語なのです。SEっていうのは苦労話を聞いて楽しむ分にはいいですけど、もちかしたらなるべきものじゃないのかも…。タイトルは『なれる!SE』ですけど、『読んで楽しむ!SE』くらいがちょうど良かったのかも。
本作はライトノベルのレーベルから出ていますが、リアリティという意味ではよくある出世物語よりよほどリアリティがあります。登場人物を全員男に置き換えれば、そのままドキュメンタリーで通用するんじゃないだろうか? と思えるほど。ほとんどのSEは体か心を壊して、現場を去って行く…。その辺の描写はほんとうまい。
SEって何でそんなにすぐやめちゃうの? と素朴な疑問をお持ちの方はぜひ読んで下さい。ライトノベルなので、さらっと読めてしまうのですが、ちゃんと過酷な労働についても描写されているんです。魔王やら悪魔と戦う話もいいですけれど、“ふつうに生きるために戦う話”もよりリアルでたまにはいいのかも。それから、たぶん1番ヒットするのは元SEの読者でしょう。自分も含めて、ですけど。
「ああ、そうそう。そんな感じだよなぁ」そんな声が聞こえてきそうです。
ごもっともなお言葉です
サラリーマンという言葉があまりに一般すぎるのか、ほんとに人格を否定された気分になります
OJTで工兵は立華の下につくわけですが、現実世界では30過ぎのおっさんの独り言につきあうことになるんですね…
(元SEなら)誰もがうなずくページ!逃げ出すには体を壊すしかない!!
さんざん“中学生みたい”と描写される立華ですが、スーツを着ればふつうに社会人ですね