現代の女の子が古代へタイムスリップ!? 時を越えて紡がれるラブロマンス

公開日:2012/9/13

天は赤い河のほとり (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:篠原千絵 価格:432円

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『天(そら)は赤い河のほとり』は、10年前の作品にもかかわらず、今でも人気の高い少女マンガです。
「タイムスリップ」「歴史物語」「王子様との恋」「逆ハーレム」と、乙女(私?)のトキメキポイントが満載! また歴史上に実在した人物が登場したり、史実を元にストーリーが作られているので、読み応えも抜群です。先の読めないストーリー展開にハラハラするし、思わぬ人の死に泣けるし、でも少女マンガらしい甘い展開にドキドキもできるし、読んで本当に楽しいマンガでした。「長く読まれている作品はやっぱりおもしろい!」と改めて思います。

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さて、先ほど「歴史物語」と書きましたが、いったいどこが舞台になっているかというと、紀元前は14世紀、今はトルコ共和国に位置する場所に栄えていた「古代ヒッタイト帝国」です。近隣には古代エジプトやミタンニの国があり、戦や権力争いなどが絶えない戦乱の時代にあった国です。

そんな大変な世界に、現代の15歳の女の子・夕梨(ユーリ)がタイムスリップしてきたことから、この物語は始まります。タイムスリップの理由は、「生贄」。ヒッタイトの皇妃・ナキアが、自分の息子を皇位につかせるため、他の皇子たちを呪い殺すための生贄として召喚したのが、ユーリなのです。皇妃は呪いを成功させようと陰謀をめぐらし、何度も何度もユーリの命を狙ってきます。
しかし、ここは少女マンガの世界。現れてくれますよ~、主人公を守ってくれる「イケメン皇子」が! それが、ヒッタイト帝国第3皇子・カイルです。彼は、次期皇位継承者の有力候補として自身もナキアに命を狙われながら、ユーリを助け、現代に帰れるよう協力してくれます。騎士のように守ってくれるカイル皇子、カッコイイです♪そんなカイルに、ユーリも戦いの女神・イシュタルとして協力し、いつしか権力争い、他国との戦いの中へと自身の身を投じるようになります。そして、いつしかカイル皇子にとって、ヒッタイトの国にとって、なくてはならない存在へと成長していきます。自ら剣をとり戦う主人公、ワイルドだぜぇ~。

いつしか惹かれあうユーリとカイルですが、戦乱の世の中です。2人の恋愛は波乱万丈! ユーリは何度も死にかけるし、他国には誘拐されるし、かなり大変な目に合います。また、「いつか現代に帰らなきゃ(還さなきゃ)いけない」という事実が2人を更に苦しめ、なかなか2人の関係に決定打をくれません。そんな葛藤が物語の中盤まで続くので、読者としてはかなりもどかしい…。恋愛の描かれ方は甘々&ちょいエロで萌えるんですけどねぇ~。「早くくっついちゃえよ!」というカイルの側近たちの声に激しく同感です。あと、古代は一夫多妻制なので、その辺の苦悩もあったり…(悩)

また、2人の関係をかき乱すライバル・ラムセス! これがいい男なんです~! 敵国エジプトの軍人でありながら、惚れたユーリの為にあんなことやこんなこと(ネタバレ回避)を命がけでしてくれます。特に19~24巻のラムセスは、この作品のヒーローであるはずのカイルの影が薄れてしまうほどの活躍&いい男っぷり! あなたは、カイル派? ラムセス派?

全28巻と長編ではありますが、始まりから終わりまで内容ギッシリなので、読んで絶対損はない作品です! ユーリは無事現代に帰れるのか? カイルと結ばれることは出来るのか? そして、すべての元凶、皇妃ナキアを倒すことが出来るのか!? ぜひ手にとって読んでみて下さいっ!


古代ヒッタイト帝国にタイムスリップしてしまった、主人公のユーリ

ユーリを助ける、イケメン皇子・カイル

ユーリとカイルを亡き者にしようと企てる、皇妃・ナキア

カイルの最大のライバルとなる、エジプトの名将・ラムセス

ユーリは無事に現代の日本へ帰ることができるのか?

戦う主人公、かっこいいぜっ☆
(C)篠原千絵/小学館