独自概念の洪水! これが、もうひとつの攻殻!

公開日:2012/9/14

仙術超攻殻オリオン

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 青心社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:士郎正宗 価格:648円

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攻殻といえば、まず攻殻機動隊を連想しますよね。
しますよね。

―――後にアニメ映画となり、世界を震撼させたのは言わずもがな。さて、この原作となる漫画が雑誌掲載されたのは1989年のことですが、実はほぼ同時期に、攻殻作品がもうひとつ世に送り出されていました。それが本作『仙術超攻殻ORION』であります。

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しかし、同じ攻殻を関しつつも、両者は全く別物。量子物理学をベースに、クトゥルー神話や日本神話をミックスさせた世界観をもつ本作は、士郎正宗作品の中でも異彩を放っています。仙術や仮学といった魔法のような独自概念が飛び交い、繰り広げられる龍と神様の戦い。ボカンボカン爆発する都市! 崩れる星! ハードSFというよりはかなりファンタジックな内容です。そして、欄外の注釈や解説もコレまでに比べると一気に高密度。アナタは生き残れるか!?

このままだと世界滅んじゃうよ! という壮大なストーリーですが、ノリとしては割とドタバタです。モテるために「銀河支配しちゃえ!」と、邪神を召喚するモーレツ系女子。これに対抗して召喚された神は「止めるんなら星ごとぶっ潰したら早い」。人類の命運は二人に託された!(ぇー)

まさに人智を超えた(ハチャメチャな)戦いになっていくんですが、案外神話の戦いとかってこんなもんなのかもしれませんね。今まで以上に濃い世界観にも関わらず、超絶猛スピードで進む物語。20年以上経っても、実に独創的であります。

「早すぎて、まるで見えねぇ…」という方は
まず、コマの展開を追って一巡。
次に、注釈と文をメインに一巡。
最後に両方あわせて一巡。
と、順を追って“攻殻”読みする事をおすすめします。


プラチナばりの高密度

これがヒロイン

こっちが正義の神
(C)士郎正宗/青心社