日本はそもそも無縁社会? 日本人の本質を議論する本

更新日:2012/10/4

(日本人)

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 幻冬舎
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:橘玲 価格:1,382円

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日中韓の関係に緊張感が高まり、日本の在り方についての議論が盛んになっています。先日も中国の大学の先生とお会いして議論したのですが、日本と中国で報道されていることや受けている印象には相当な差があります。ナショナリズムや政治についての意見は人さまざまですが、日本の被災者は世界を感動させ、日本の政治は国民を絶望させているのも事実です。

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マスコミや政治を批判する国民、でも国民の民度にあわせたマスコミと政治という堂々めぐりで、ブレイクスルーが難しい中、国全体で貧乏になっていっていて、決して幸せになっていっていない。この状況を前に進めるためには、日本の歴史や日本人について理解する必要があります。そもそも日本人というのはどのような生物なのでしょうか? それを解説しているのがこの本です。

本書の考え方は、日本人である前に、ヒトであるので、日本人からヒトを引いた部分が日本人らしさであり、それを浮き彫りにしてみようというチャレンジです。例えば、アメリカ人は個性的で利己主義だが、日本人は集団主義で自己表現が苦手だとされます。しかし、ある実験では、日本人とアメリカ人に個人としての本質的な違いがあるのではなく、それぞれの環境の違いで、アメリカ人はあいまいな状況で自己主張することが有利な選択と考えるが、日本人は無意識のうちにリスク回避的な選択をおこないます。

しかし、日本人も状況が明確であれば、アメリカ人と同様に自己主張をします。また、日本の役人が汚職をしないのは、その組織にいられなくなることが、最大のリスクだと考え、ある集団に属することを優先するためだと解説しています。日本は本質的に無縁社会で、「場」を失ってしまえば、孤独であり、最近「社会の無縁化」が進んだわけではないとしています。だから、会社を大切にするし、学校の仲間を大切にするわけです。

本書を読み進めると、日本人の強みと弱みが見えてきます。ぜひ、強みを生かして前に進むような国にしたいものです。


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