鬼畜な主人公の話? いえいえ、熱い青春小説です!

ライトノベル

公開日:2012/10/5

さくら荘のペットな彼女(1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:鴨志田一 価格:599円

※最新の価格はストアでご確認ください。

ライトノベルで、しかもタイトルに“さくら荘”とか“ペットな彼女”とか書いてあったら、ふつうは「あー、あれね。さくら荘っていう寮みたいなところで、これといって取り柄のない主人公以外は全員かわいい女の子で、ハーレム状態なわけね」って思うよね?
思いましたよ。

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でもね。もし、本当にそのまんまな話だったら、こうしてレビューはしていないと思うのですよ。最初に「あれっ?」っと思ったのは電子書籍の縦表示で70ページくらい進んだときだったと思う。「これ、ハーレムじゃない。ヒロイン一人だ!」ってね。

物語は、天才だけど変人ばかりのさくら荘で暮らすことになった主人公、空太とさくら荘にやってくることになった天才画家の椎名ましろの出会いから始まる。天才画家っていうくらいだから、そりゃ絵はうまい。だけど生活破綻者です。そんなましろの世話をあれこれ空太がする話。これが並みの生活破綻者ではない。もうね、ほほえましいとかじゃなくて、読んでいても空太の疲れが伝わってくるほど。

そんな補完関係というか、一方的な世話焼きというか。それで終わると思ったら大間違いでした。空太くん。最近復権してきた、熱いやつだったんですね。まさかね。冒頭の進路希望調査のやりとりが、物語を最後まで引っ張る軸になるとは思わなかった。久しぶりに、とてもいい意味で裏切られた。


中間色を上手に使うのは難しいけど、大変きれいなカラーページですよ

こういう前述って、うまく使うと盛り上がるよね

守ってあげたくなる感じ、が主人公である空太のサガ

この辺から、空太に決断の時が訪れる!

そして一悶着あって、ましろが浴衣で現れたわけは…