1分で伝えられないなら何分話しても無駄!? 仕事で効果的に話す方法を伝授

更新日:2012/10/18

1分で大切なことを伝える技術

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : PHP研究所
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:齋藤孝 価格:650円

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「時間を無駄にしたくない」とはおそらく誰もが思っているはず。では、「人の時間を無駄に奪わない」ということにどれくらいの人が関心を払っているのでしょうか? 「話が長いのはもはや環境問題だ!」とまで語る齋藤孝さんの著書『1分で大切なことを伝える技術』を読めば、いかに普段、我々が他人の時間を無駄にしてしまっているかに気付きます。

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本書ではまず、「1分」の感覚を養う方法が伝授されます。著者は常にストップウォッチを携帯しているそうで、これにより、「1分」の「長さ」を感じとっているのです。たかが1分と侮るなかれ。1分の密度を高めるトレーニングを積むことで、さまざまな話を盛り込むことができるようになるそうです。

1分なら、人は待ってくれるし、要点をおさえれば大方の内容は1分で伝えることができるそうですが、そうは言っても、ついダラダラとしゃべってしまう癖がついている人も多いはず。単なる「おしゃべり」をするということであれば、それでもいいのでしょうが、ビジネスの場では、いかに簡潔にわかりやすく内容を伝えるかということが重要視されるのです。

本書では、1分間で伝えることができるようになるための、ちょっとしたコツ、著者が常日頃気をつけていることなど、誰もがこの技を身につけられるように、さまざまな方法が懇切丁寧に語られています。後半では、実践編として、「謝る」、「教える」、「質問する」、「相談する」等、ケース別の1分間の使い方が伝授されます。

1分で大切なことを伝える“ワザ”を伝えるのが著者の目的であり、なんと、あとがきには、「全文を読んでもストップウォッチを買わないよりは、このあとがきだけ読んでストップウォッチをワザ化するほうが意味がある」とまで書かれています。「簡潔かつ印象的に話すことは、才能の問題ではない。」そうで、「練習する」ことで、その技術は身につくそうです。実践あるのみということですね。ビジネスの場で効果的に話したいと願う方におすすめの1冊です。


目次を見てみると、「1分間トレーニング」とあります。やはり「練習」が大切なようです

各章のタイトル脇にはストップウォッチのイラストが描かれています。「練習」に使用するストップウォッチは、スポーツのタイム測定などで使う、文字やボタンの大きいものがよいそうです

「1分」という時間は、感覚的に、はじめと終わりが比較的見えやすい長さだそうです。我々はすでに「1分」という長さを時間感覚として持っているのです