《注意》絶対あなたも騙される人情派ミステリー!
公開日:2012/10/27
どこにでもいる中年男性、武沢と入川。職業・詐欺師。今日も2人でせっせと詐欺をはたらいていたのだが、ひょんなことから、ある少女との共同生活が始まってしまう。戸惑う2人に追い打ちをかけるように、少女の姉とその彼氏までもが転がり込んでくる。
奇妙な集団生活から見えてきたのは全員が「ある事件の関係者」であるということ。あるものは復讐を、あるものは償いを、あるものは優しさを…それぞれの思いをはたすため一丸となって、立ち向かっていく。果たして彼らを結び付けたのは運命なのか、それとも仕組まれたものなのか――直木賞作家・道尾俊介が送る人情派ミステリーで、11月に映画が公開される今注目の話題作。
めっちゃいい話じゃーん! というのが率直な感想です。読み始めから中盤までは、奇妙な共同生活がはじまったり、それぞれの心の闇がみえたり、一般的な物語の展開。終盤は、4人が企てた作戦の実行風景に手に汗握りながら、どうなるの? やめてー! がんばってー! と一喜一憂しながらドキドキして終了。はぁーこれで全て読み切ったわ―☆とホっとしたのも束の間、何ページか残ってる…「あれ? まだ続きがあるんだ」と読み進めていくと…やられました。完全に油断してました。その後、感動させられる展開が残っていたんです。何度道を踏み外しても、人はキカッケさえあればいつでも変われるんだと前向きになれました。大ドンデン返しすぎてやられたぁ! と悔しくなりますが、後味がさわやかで最高です。
心にさわやかさを感じたい人や現在公開中の映画『最強のふたり』を見てすごいよかった! と感じるタイプの人にはオススメの1冊です。
著者・道尾俊介さんのプロフィール
奇妙な共同生活がはじまる
え!? 物語は終わってないの…? と驚愕した箇所