芥川賞受賞作ですからして芥川賞っぽい…のでしょう多分!

小説・エッセイ

公開日:2012/10/31

きれぎれ

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:町田康 価格:399円

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みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。もっと読解力を鍛えたい中國卓郎です。
さて、町田康さんの『きれぎれ』です。町田康さんと言えば「町田町蔵の名でバンド活動をされていた目が大きくてパンキッシュで怖い人」ってな事しか知りません。しかもその情報すらも自ら調べた訳ではなく、大槻ケンヂさんのエッセイでよく名前や描写が出てくるので覚えていただけに過ぎません。しかしそんなパンクな方が音楽活動から一転、小説家になったって所がとても興味深く「いつか彼の本を読んでみたいなぁ」と思っておりました。

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“無数の大黒天吉祥天が舞い踊っている” こんな文章から物語は始まるのですが、目で味わいながら「うんうん。なんとも詩的で美しいなぁ。流石はバンド時代に作詞をされていた方の文章だ!」ってな事を思いました。その後もキラキラと流れるかの如く紡ぎ出される数々の言葉たち。

「フムフム良いよ良いよ! 美し…ん!? え?なんだ! ちょ、ちょっと! おい! うへぁ…どふぁあああ!」

なんと言う事でしょう!? キラキラと美しい言葉たちが、いつしか一斉に僕めがけて飛んでくるではないですか。それ即ちゴツゴツとしたダイヤモンドでフルボッコ状態でございます! つまりなんと言いましょうか、単語の持つ膨大なエネルギーを言葉で押さえつけないで放し飼いになさっているのです。もっと噛み砕くと接続詞が無い文章ってな感じでしょうか? 作者である町田さんの脳内の現象を、補足を無視して書き殴った高濃度オーバードライブ&ドラッグ&パンク小説になっております! ってなんだそりゃ…

イヤしかし読み進めながら「この感じ、以前にも確か経験したなぁ」ってな考えがヨギッタのですがすぐ思い出しました。コレは昨年の芥川賞受賞作『道化師の蝶』を読んでいた時の感覚でした。そして本書の読了後に知りました。この作品も芥川賞受賞作だったって事を…。いや~驚きました! そして驚くのと同時に「芥川賞って一体…」と、胸にボンヤリそんな疑問が浮かびました。ですが取りあえず、今後の読書人生においてアクタガワショウって言葉には近づかない方が良さそうだ…と、僕ぁそう思ったのでありました。


このネイキッド(裸)な文章が終盤は更に加速します!

栞を複数のページに配置可能。これ地味に嬉しい機能です

電子書籍アプリは数々ありますがBookWebの完成度はかなり高く気に入ってます