『ロングテール』『フリー』の著者が描くものづくりの未来像

更新日:2012/11/16

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : NHK出版
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:クリス・アンダーソン 価格:1,851円

※最新の価格はストアでご確認ください。

『ロングテール』『フリー』の著者が、ものづくりの未来を描いたことで、話題を呼んでいる本書。11月上旬の著者の来日講演会はすぐ満席になったそうです。
ソーシャルメディアの普及によってテキストや写真はもちろん動画などのコンテンツを簡単に加工したり発信したりできるようになったように、ものづくりの世界もデジタルの進展により、同じような状況になるという変化がおきると予測。イギリスの産業革命に例えて21世紀の産業革命だと語っています。ニーズにすぐ対応でき、斬新な商品を提供できる「ものづくり」ベンチャーが、もしかしたら大企業に太刀打ちでき、そのポジションを奪う日がくる。そしてそれはすでに始まっているのではないかと。

advertisement

「ものづくり」もソーホーのような企業が多く立ち上がることによってロングテールに対応し、多様なニーズに対応できるようになる。その好循環が起きれば、起業家精神がますます高まり、イノベーションが起きて参入障壁もますます低くなることにより、人件費は比較的高くても機敏さにもっともすぐれた先進国にチャンスはあるとしています。

中国、台湾、韓国メーカーの攻勢にあって、メイドインジャパン=日本のメーカーが苦戦しているのはご存じの通りです。そのようなメーカーの幹部にお会いすると、なかなかイノベーションが起こらない、次の柱になる事業が育たない、市場環境の変化が速すぎる、若手は頑張っているんだけど報われないなどの声を聞きます。

『メイーカーズ』に書かれているような世の中になったら、「ものづくり」で成長してきた日本の大企業はピンチをチャンスに変えることができるのか? その時のために、かなりの危機感をもって変化していかなけらばならないと思いますし、日本にとって歴史的に重要な転換点になるかもしれません。できれば、大企業がイノベーションをおこし、挑戦者である起業家が多く登場して、日本の再生の転換点になってほしいものです。


21世紀の産業革命は始まっている!!

ものづくりの革新は組織の改新から。日本企業のイノベーションがなかなか起こらないのは組織の縦割りが原因?

職人が尊敬される数少ない国が日本です

ものづくりが好きだった筆者の祖父