閉館後の図書館で行われる「ぬいぐるみお泊まり会」が話題

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

今、全国の図書館でとあるイベントが話題となっている。それは、“ぬいぐるみお泊まり会”。子どもたちから預かったぬいぐるみたちが、閉館後の図書館で本を読んだり、図書館員の仕事を体験したりしている様子を撮影し、翌日のぬいぐるみ返却時に子供たちに渡す、というこのイベント。2014年8月には、その様子を描いた絵本『ぬいぐるみおとまりかい』(風木一人:著、岡田千晶:イラスト/岩崎書店)が出版されるなど、ちょっとしたムーブメントになりつつある。

そこで、実際どんなイベントなのか、8月21日(木)、22日(金)に江戸川区立篠崎子ども図書館で開催された「ぬいぐるみのお泊り会」を取材した。今回は、その様子を写真付きでご紹介しよう!

▲まずはお話し会。『うずらちゃんのかくれんぼ』(福音館書店)と『ぬいぐるみおとまりかい』が読まれ、子供たちは本に熱中していた。

▲その後、ぬいぐるみたちはお昼寝タイム。それぞれ、自分のお気に入りのぬいぐるみを寝かしつけていた

▲電気を消して、おやすみなさい…。

▲閉館後、ぬいぐるみたちも図書館のお仕事に挑戦!

▲『ぬいぐるみおとまりかい』のワンシーンを見つめるぬいぐるみたち

▲お仕事のあとは、みんなで天体観測をしたり、

▲顕微鏡を覗いてみたり、

▲大工さんになってみたり……。それぞれいろんなことを体験

▲そしてその様子を写真に撮ってアルバムに。このアルバムは、子供たち1人1人に配られる

篠崎子ども図書館は、『ぬいぐるみお泊まり会』の出版の際に取材された図書館なのだそう。絵本内には、この図書館の様子があちこちで描かれている。本イベント後にインタビューに応じてくれたのは、篠崎図書館で館長を務めている吉井潤さん。明るくて人当たりも良く、子供たちにも大人気だった。

Q:ぬいぐるみお泊まり会では、どんなことをしているのですか?
吉井さん:お気に入りのぬいぐるみを持って図書館に集まり、おはなし会の開催後ぬいぐるみを寝かしつけます。閉館後、ぬいぐるみが図書館内で本を読んだり遊んだりしている写真を図書館員で撮影し、翌日ぬいぐるみを迎えに来てもらいます。その時に、ぬいぐるみたちの写った写真を子どもにプレゼントするんです。子供たちは自分のお気に入りのぬいぐるみがどんなことをしているのか想像が膨らみますし、その写真を介して、普段見ることができない場所を知ることができます。

Q:ぬいぐるみお泊まり会を実施しようと思ったきっかけを教えて下さい。
吉井さん:2010年8月に国立国会図書館で紹介され、全国で行われています。子ども図書館には他の図書館にはない様々な設備が揃っており、それを生かして独自のものができると思いました。

Q:図書館側の思いを教えて下さい。
吉井さん:普段図書館を利用していないお子さんに、もっと図書館の楽しさを知ってもらいたいです。そのきっかけになれば、と考えています。ぬいぐるみたちを通して、図書館が「静かにする場所」「本を借りるだけの場所」だけではないこともお伝えしたいです。

Q:ぬいぐるみお泊まり会への参加人数は?
吉井さん:篠崎子ども図書館では、2013年8月に3歳~5歳の親子を対象に実施したのが最初です。その時は14組25人と子どもの数が多く、印刷してアルバムを作るのに時間がなく大変だったため、 今年は8組13人に人数を絞らせていただきました。

Q:リピーターはいますか?
吉井さん:います。写真を渡すと、皆さん非常に喜んで下さいます。また参加したい、という声をたくさんいただくので、来年もぜひ開催したいと思っています。

ぬいぐるみお泊まり会に参加している子どもの中には、ぬいぐるみと離れるのが寂しくて泣いてしまう子もいたが、翌日にはみんな笑顔でアルバムを受け取っていた。普段、自分の手を離れてぬいぐるみが行動する姿は、なかなか見ることができない。大切なぬいぐるみたちの特別な姿を見られ、また閉館後の図書館というこれまた特別な場所も見られる非常に魅力的なこのイベント。親子、そしてぬいぐるみとの思い出作りに、参加してみてはいかがだろうか。

文=月乃雫