女優・濱田マリ流「親離れ子離れの方程式」が興味深い!

出産・子育て

2017/12/25

 子どもはいつか、「サンタという夢」から目覚める。例えば、子どもの成長を日記に綴っておくと、子どもが手から離れたとき、「サンタ」の話題でわが子と楽しい思い出タイムに浸れるかもしれない。

『濱田マリの親子バトル!』(濱田マリ/河出書房新社)は、女優・濱田マリが愛娘の幼稚園から大学入学までの13年間を書き紡いだ「定点観測・子育てエッセイ」。語り口がユーモラスで、抱腹絶倒、ときどきホロリの初単著だ。

濱田家のサンタバレは、「娘」が小4のとき。

 肌寒い11月中旬の深夜。キッチンの片隅で娘と二人でお茶漬けをすすりながら、な〜んかシアワセな気分になってきたところに「サンタさんって毎年二人でやってくれてんでしょ?」ときた。サラッときた。

 お前も早く吐いちまえよ!とでも言いたげな口調で私を追いつめる。だから「母が計画して、父が実行してます」とこちらもサラッと吐いた。悪あがきして「優しいウソをどうもアリガトね!」なんて言われたら恥ずかしいし。たぶんそういうこと言うし。

 これが、「娘」が中3になると、次のようにやり取りが洗練されるのがリアルでおもしろい。

 ワタシね、サンタさんにお手紙書くの

 →今度こそ罠を作ってサンタさんを捕まえるの

 →今年も二人でサンタさんやってくれるの?

 からの、おかあサンタさん、プレゼントはいくらまでなら大丈夫? と年を追うごとにリアリティは増してゆく。夢はない。けれど無駄もない。中3だもの。こんな時代ですもの。

 子どもの成長の背景には、子どもと過ごした歴史がある。歴史が凝縮された定点観測の子育て日記からは、子どもの変化だけでなく、親自身の心情の変化も再確認できる。

「娘」が小6のときに、子育て日記を綴ることで「親離れ子離れの方程式」がわかったという記述が興味深い。

子どもに手がかからなくなってくる

→ラク

→それどころか用事をやってくれる

→頼もしい。そうなってくると可愛いというワードから我が子がどんどん遠ざかっていく。それでもいい、ラクなんだから

→っていうか仕方がない、もう泣いて自分を求めてくれる我が子は存在しないんだ

→過去を振り返ってはならん、前を向いて生きていこう

→あと10年もすればお給料で特大のマトリョーシカを買ってくれるかもしれない

 と、こんなふうに親を助けるという機能を少しずつ身につけて、子どもは親から離れていくのだと述べている。実践からの推測だから、じつに説得力がある。

 巻末に、濱田家の母娘対談が収録されている。大学生活を謳歌している「娘」は、たくましく成長したようだ。

 濱田マリファンはもちろん、実践からのふか〜い育児論に触れたい人は、ぜひ手にとってほしい。

文=ルートつつみ