『COPPELION』アニメ化再始動。首都圏に大地震、原発がメルトダウンしたらどうする?

アニメ

更新日:2013/7/29


新人議員「山本太郎」も読んだ!? あなたなら首都圏に大地震が直撃し、原発がメルトダウンしたらどうしますか?

2013年秋のアニメ化が決定している「COPPELION(コッペリオン)」。
日本での放送開始まではあと3カ月近くあるが、アメリカとフランスでは日本に先駆けて先行上映される。

「原発問題」という世界が注目するテーマなだけに、制作陣の力の入れようが伺える。

さらにメインヒロイン3人の声を担当する声優は、成瀬荊役に戸松遥さん、深作葵役に花澤香菜さん、野村タエ子役に明坂聡美さんと豪華なキャスティングも決定しており、COPPELIONはこの秋、大注目アニメの1つだ。

今回、その原作であるコミック(月刊ヤングマガジンで連載中)を紹介したいと思う。

<ストーリー>
舞台は、2036年の東京。そこに首都としての活気はなく、街は廃墟と化していた。
この舞台の20年前、首都であった東京に大地震が直撃し、その地震の影響で、お台場にあった原子力発電所が崩壊。メルトダウンを引き起こし、東京中に放射能が漏れだした。

その影響で東京の人口の約90%が死亡。いつしか救助活動も打ち切られ、東京は見捨てられた過去の街となっていた。

そんな東京に大阪から派遣された、「コッペリオン」と呼ばれる3人の少女達が降り立つ。

彼女たちに親は存在しない。なぜなら遺伝子操作によって人工的に作られた「人形」だからだ。
コッペリオンの最大の特徴は、「放射能の抗体」を持っていること。
そう、彼女たちは、放射能に汚染されて誰も立ち入ることのできない危険区域に入り、生き残っている人達を救出するために作られたのだ。
そんな3人は、東京で生き残っている人々の救助のために、必死で捜索を開始するが――。

<作品の見どころ>
この「COPPELION」を読んで、まず思い出されるのは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震だろう。
この漫画の連載が始まったのは、2008年。開始当初は、まだあの地震は起こっていなかった。にも関わらず、まるで実際に見ていたかのような内容と描写に驚かされる。
今、日本だけでなく、世界中で原発の是非が繰り返されている。
このアニメを世界で唯一の被爆国(戦争により)であり、先の大震災を経験した日本が制作し、世界へ発信するということは、非常に大きな意味を持つのではないだろうか。

現実の世界には、「コッペリオン」という人間も人形も存在しない。
そして、いまだ賛否が分かれる「原子力」というエネルギー。
私は、主人公たちの目を通して、改めて現実と将来の可能性を突き付けられた気がした。

これ以上の失敗は許されない。

また、主人公たちの高校生らしいストレートな物言いや戸惑い、真っ直ぐさにも注目したい。
死の街と化した東京に送り込まれたコッペリオンである、「成瀬荊」、「深作葵」、「野村タエ子」。
3人は、特殊な能力や抗体こそあるが、中身は紛れもない人間だ。
自分の意志とは関係なく、生まれる前から決まっている、自分達にしかできない仕事。
そしてその仕事には、多くの人の命がかかっている。

それでも彼女たちは、自分の運命を呪う訳でもなく、人としての心を忘れずに、泣いたり、笑ったり、怒ったりと豊かに感情を表現している。 しかし、捜索先で次々と起こるアクシデントを目の当たりにし、自分の存在意義、価値、使命、宿命に悩み、苦しみながらも、前に前にと進んでいく。

そんな彼女たちのひたむきさに、感銘を受けずにはいられない。

本作品は現在、1巻~18巻まで刊行されている。
専門用語も多く、シリアスなストーリーだが、そこに生きる主人公たちが鮮やかに描かれ、テンポもよく、非常に読みやすい。

アニメはもちろんのこと、ぜひ一度この原作コミック「COPPELION」を読んで、そしていま一度原発問題を考えるきっかけになればと切に願う。

(文=月乃雫)

<COPPELION」最新刊18巻>

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TVアニメ「COPPELION」公式サイト
http://www.starchild.co.jp/special/coppelion/

(ダ・ヴィンチ電子ナビ アニメ部)