「となコス」レポート 「コスプレ」は世界に通じるコミュニケーションツールだ!

アニメ

更新日:2014/4/11


次世代型コミュニケーションツール「コスプレ」は世界に通ず。となコスイベントレポート【8月11日】

8月10日から3日間、お台場のビッグサイトで開かれているコミックマーケット(以下、コミケ)。
今年の来場者は過去最高となり、年初来の暑さを記録した猛暑日と重なったことで熱中症になる参加者が後を絶たないなど話題に事欠かないが、その会場の隣にある東京ファッションタウンビル(TFT)では、都内で開催されているコスプレイベントとしては最大級の人気を誇る「となりでコスプレ博」、通称となコスが行われていた。


ダンガンロンパの江ノ島盾子コスのくまゆうさん(左)、奈湖さん(右)

今回のイベントではTFTのイベントホールをすべて解放し、冷房の効いた快適な屋内だけでなく、テラスやカフェスペースなどコスプレを全力で楽しめるような会場が用意されている。

コミケのコスプレ広場が例年にも増して人で溢れ、もはや観光名所的な混雑具合の様子を呈している中、となコスはゆっくりと楽しみたいコスプレイヤーに人気があり、コスプレSNSで有名なコスプレイヤーズアーカイブ(以下、アーカイブ)でも参加希望者が1,000人を越えていた。
というのもコミケの開催に合わせてビッグサイト付近では数々のイベントが企画・開催されていたそうだが、継続的でなおかつ定着したイベントはとなコスを含めた少数だそうだ。
その理由として、着替えスペースだけでなく、手荷物を預けられたり、水分や塩分補給を促したり、撮影グッズの貸し出しがあったりと運営サイドの細かい気配りが人気の秘訣だろう。


デート・ア・ライブの時崎狂三のMIYUさん。衣装は全て手作りだそうだ。

コスプレはアニメやキャラクター愛の具現化であると仮定すると、人気のコスプレ=支持されている作品と言い換えることができる。先のアーカイブの参加者による作品ランキングを参考にすると、

1位:FREE!
2位:VOCALOID
3位:うたの☆プリンスさまっ♪
4位:進撃の巨人
5位:ラブライブ! School idol project

となっており、今期放送中のFREE!の圧倒的な人気を垣間見ることが出来る。

確かに会場の至る所には「IWATOBI」と背中に書かれた白地にブルーのラインが入ったジャージや白シャツにサマーブルーのラインが入った男装コスプレを楽しんでいる参加者が散見された。


化物語のブラック羽川コスはKAYASAさん


同じく化物語の羽川翼のひなむぎさん。眼鏡がお似合いだ。

他にも上記のランキングには入っていないが、ダンガンロンパの江ノ島盾子や霧切響子、とある科学の超電磁砲の白井黒子、初春飾利、佐天涙子、化物語の羽川翼など、今期の覇権アニメになりそうな作品の参加者が思い思いにコスプレを楽しむ姿が印象的だった。


ギルティクラウンの楪いのりコスはセクシーな静香さん

今回のイベント取材を受けて、まず感じたことはコスプレがコミュニケーションツールになっていること、さらにイベントを通じて友人のネットワークが広がっていることだ。

参加者は写真に撮られるだけでなく、自らもカメラを持参して撮影も行い、映し出されたデジカメのプレビュー画面を見ながら共に笑顔の交換を行っている。そして笑顔だけでなく、独自に作成した名刺(前述のアーカイブやTwitter、ブログのURLが記載されている)を交換し合い、撮影画像のやり取りをSNSやメールを通じて行う。

それにより、同じコスプレを愛好しているもの同士が繋がり、自然と友人の輪が広がっているようだ。


大人気アイドルマスターからは四条貴音コスのちいさん

参加者のひとりに話を聞くと、毎週近く行われるコスプレイベントで友人と会うことが楽しみであり、イベント終わりにアフターと称される飲み会で好きな作品について語り合うそうだ。さらに、コスプレをすることでその作品のキャラクターに成りきり、いつもと違った自分に変身することで積極的に他人に話しかけることできるという。


妖狐×僕SSの髏々宮カルタが可愛いUMEさん

一説にはコミュニケーション能力が足りない若者が増えているという意見があるが、このようなイベントに参加すると、能力の欠如ではなく、いまやプラットフォームとなったLINEやTwitterなどのSNSも含めて「ツールが変化した」と考えるのが妥当のようである。


会場で一番人気だったFREE!のコスプレはメロコさん(左)とあおばさん(右)

コスプレイベントは毎週のように全国各地で開催され、多くの愛好者がコスプレというコミュニケーションを通じて、笑顔を交え、友人の輪を広げている。そんな彼女たちや彼らがアニメやゲームなどの日本が誇るカルチャーを新しいツールを使って拡散させており、さらにその先には日本を飛び出し、海を越えた海外にまで繋がっているのを実感したイベントだった。


ゲームも好調なモバマスコスはUsagiyaKuroさん(左)とHimikoさん(右)


撮影待ちで長蛇の列を作っていたオリジナルコスのfleiaさん

これからもコスプレイベントは日本や世界各地に広がってゆくことだろう。

<取材協力>
勇者屋Web
http://www.yuusyaya.jp/

(文・撮影:橋本商店)