期待の声優ユニット「EMERGENCY」の小野坂昌也&小林ゆう&後藤友香里に直撃インタビュー!

アニメ

公開日:2013/8/29

7月26日に突如デビューが発表された、ADMユニットのEMERGENCY。ADMとはアニソンとEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が融合した新ジャンルの音楽。そしてその伝道師であるEMERGENCYのメンバーは声優の小野坂昌也さん(NEW YOUNG)と小林ゆうさん(CRAZY YU)、そして元AAAのメンバーで新人声優の後藤友香里さん(DANCING YUKARI)という強烈な3人だ。

ここ数日、立て続けのPVの公開で、アニソン界やEDM界の話題を攫っているEMERGENCY。ADMという新たなジャンルを切り開く3人に、その意気込みを伺った。


左からCRAZY YU(小林ゆう)、NEW YOUNG(小野坂昌也)、DANCING YUKARI(後藤香織)

――EMERGENCYはどのように結成されたのでしょうか。

小野坂:あの「ADM 始動」の動画の通りですよ(笑)。マネージャーから「音楽をやってみないか」と言われてですね。「音楽はちゃんとした歌い手さんに任せたいから嫌だ」と最初は断りましたけど、「EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)という新しいジャンルがあって、それをアニソンのカバー曲でやりたい」と相談されて。それで僕もこの業界でやったことのないことなら面白そうだなと思って、やることが決定しました。

次に、メンバーに女の子を入れることになったんだけど、ダンスミュージックという僕的にはまったくく理解できていないジャンルの音楽だから、イメージもわかなくて困りました。ただ、僕に話を持って来るくらいだから、普通に音楽をやらされるわけがない。ワニと闘うとか(笑)。「メチャメチャアホなことをやっても怒らずにやってくれて、しかもノリがよくて一所懸命な人じゃないといけない」と思ったんです。そこで「キレキレでやってくれる(小林)ゆうちゃんはどうか、な」と(笑)。でも無理だよねってスタッフと話はしてたんですが、3日後くらいに「あ、いけました」と(笑)。あともうひとり、マネージャーから「うちの事務所に踊れる子がいる」と言われて。「踊れるってなんだよ? どの程度なんだよ」って聞いたら、「間違いなく声優業界でNo.1に踊れます!!」と言ったので、「マジかよっ!!」と。それで頼れるメンバーとして後藤さんにも加入してもらいました。

――オファーがあったときの率直な感想はいかがでしたか?

小林:元々、大好きで、尊敬している小野坂さんが音楽活動を始めるということで、それはぜひお聴きしたいと思っていたんです。それがオファーを頂いてお仲間に入れてけるという話をお聞しまして、「こちらこそぜひよろしくお願いします」という気持ちでいっぱいでした。とにかくうれしくて大感激でしたね。

後藤:私は声優のレッスンを始めてまだ1年くらいで、ご縁があって青二プロダクションに入ったのが今年の4月でした。だから最初は「神のような存在の小野坂さんと出演するアニメをたくさん観てきた小林ゆうさんのおふたりと、そんな新人1年目の私がいきなりユニット活動していいのか?」という戸惑いばかりで。でも自分が今までやってきた、ほかの声優さんにはない部分を買っていただいて、「それを活かせるというありがたい状況なら、全身全霊をかけて挑もう!」という気持ちになりました。

――ちなみにこのユニットをやるという話はいつごろ出たのでしょうか?

小野坂:真面目に話が来たのが今年の6月か7月くらいです。本当に少し前ですね。

小林:「素敵なことってこんなにすぐ進むんだ」と思いました。

小野坂:いい風に考えるねえ(笑)

小林:ユニットの発表後にアフレコ現場に行ったら、ほかの声優さんからも「おめでとうございます!」と声をかけて頂いて。小野坂さんも友香里さんも本当に素晴らしいかたなので、ご一緒させて頂いて、本当に自慢に思っているんです。

――ちなみにNEW YOUNGやCRAZY YUなどの個性的なお名前は、どなたがお付けになられたんでしょう?

小野坂:僕ですね。会議で「呼び名とか全部変えちゃおうぜ」ってことになりまして。「普段はヤングって呼ばれてるからNEW YOUNGでいこう」とか、ゆうちゃんはクレイジーだからCRAZY YU、じゃあDANCING YUKARIだね、と。確認も取らずに決めちゃいました。

後藤:ある日突然言われました。

小林:でもうれしかったですね。私の名前を小野坂さんに付けていただけるなんて光栄です。

――活動開始から一か月程度ですが、お互いの印象を聞かせてください。

小野坂:レコーディングは別々にしたので、3人揃ったのは会議とかPV撮影の時だけなんですよ。ゆうちゃんとはよく仕事場で一緒になりますけど、「すごい面白い子がいるなあ」と思っていました。実際に芝居をやると、驚くほど一所懸命で「面白い」とか「急にキレた芝居をする」とかそういうイメージと違って、自分が練習し尽くしたものを本気で出しきっているからこそ、そういう風に見えるんだと、非常に感心しましたね。だからゆうちゃんがいると「みんなが頑張らなきゃ!」という気持ちになるし、僕も見習わなければならないなと思います。アニメ『よんでますよ、アザゼルさん。』で一緒になって、僕のラジオにも出てくれて。EMERGENCYを始めてというよりは、最近よく会うなと思っていたらその延長線上でユニットになっていたみたいな感じです。

後藤さんは事務所に入った時に挨拶したくらいだったので全然知らなかったし、どれくらい踊れるかもわからない状態でした。でもPV撮影時に踊っている姿を見て、「うわー、めっちゃスゴイ子やなあ~、踊りは心配ないな」と思いました。「テキトーにこんな感じで」と言えばすぐ完璧に踊ってくれそうでしたし。これはゆうちゃんもそうなんですけど、プロって感じがします。

――後藤さんから見たおふたりの印象はどうでしょう?

後藤:小野坂さんは事務所の大先輩ですし、パーソナリティをやっているラジオも小学生のころから毎週聴いているくらい大好きだったんです。そんな方とユニットを一緒にやらせて頂いて、声優1年目の自分が今までやってきたことも尊重して頂き、本当にやさしくてすごい人だと思いました。

小林さんは色んなアニメや映像媒体にも出ていらっしゃって、お綺麗ですし、いつかご一緒できるのを楽しみにしていました。小林さんはずっと100%の方なんです。でも小林さんの100%は普通の人にとっては300%とか500%に匹敵するもので、それが当たり前になっているポテンシャルの高さは本当に勉強になります。そこに集中力やモチベーション、周りに対する気遣いや思いやりも併せ持っていて。そんなお兄さんとお姉さん的な先輩おふたりと一緒に仕事ができて本当に幸せです。

――小林さんはどうでしょうか? 小野坂さんをお好きなのは十分にわかった感じもしますが(笑)

小林:はい。『アザゼルさん』でご一緒させて頂いたときは、小野坂さんは周りのみんながお芝居しやすいようにしてくださるし、みなさんが和むようにお話してくださるんです。本当にお心遣いのかたなんです。お芝居のプロフェッショナルな部分もものすごく尊敬していて、たくさん勉強させていただいています。PV撮影の時も、ぎっくり腰をされていたのにそんな様子を微塵も見せないんです。そんな小野坂さんとこういう風にユニットを組ませていただけて本当にうれしいし、すっごい幸せなんです。

小野坂:ぎっくり腰は言わなくていいよ(笑)

小林:友香里さんはダンスのプロで、何十年とダンスを踊られていて、ひとつのことを極めているかたですよね。さらにお会いした時も、私にとても親切にしてくださって。PV撮影の時も「自分は踊れるのかな」と不安だった私を「大丈夫だよ」と励ましてくださいました。ダンスやPV撮影でも友香里さんがいてくださるから本当に心強いですし、打ち合わせでもすごく親切で仲よくしてくださるので、これからの活動も楽しみです。

――ADMというジャンルを始めることになりましたが、3人は今まで好きなダンス・ミュージックはありますか?

小野坂:僕が洋楽を一番聴いていたのがデュラン・デュランの時代なんですよ。あとはプリンスも大好きでした。映画『パープル・レイン』主題歌の『レッツ・ゴー・クレイジー』が大好きで、カラオケで嘘英語で歌い続けるというのを定番でやっていました。それらがダンスミュージックと言えるかどうかわかりませんが、最終的にデュラン・デュランをやらせてほしいですね(笑)

小林:私は音楽に合わせて踊ったり歩いたりするのがすごく好きで、移動中はよく音楽を聴いています。クイーンさんとかレッド・ホット・チリ・ペッパーズさんとかオフスプリングさんの曲を聴きながら。あと、どなたかはちょっとわからないんですが、「ドンドンドンドン……」という感じで。ドンドンが入っていればなんでも好きです。「踊り出さなきゃ!」って気持ちになれるんです。

――後藤さんはダンス・ミュージックをよく聴かれるのでは?

後藤:私、実はダンス・ミュージックが具体的に何なのか全然わかってないんです。私が新体操をやっていたころは歌アリの曲がダメだったので、映画のサントラなどから歌がない曲を選んでいて。その後ダンスをやり始めた高校生のあたりから、ニューヨークに行って色んな音楽に携われる機会が増えて、どんなジャンルでも踊れるんだなって思い始めました。ロックでもテクノでもハウスでも、何でも心地いいものだったら身体が自然に動いちゃうし、ジャンルに囚われないものがダンス・ミュージックなのかなと思っています。私自身はロックが好きなので、最近ではナイン・インチ・ネイルズとかミューズが大好きで、よく聴いています。

結成1か月ながら、確かな絆で結ばれているEMERGENCYの面々。次回は公開中のPVの見どころ、そして9月25日に発売予定の1stアルバムについての話をお届けする。

(インタビュー・文=はるのおと)

EMERGENCY 1stアルバム