声優:小野坂昌也、小林ゆう、後藤友香里インタビュー【後編】
更新日:2013/9/9
そのメンバーであるNEW YOUNGこと小野坂昌也さん、CRAZY YUこと小林ゆうさん、DANCING YUKARIこと後藤友香里さんの3人にインタビューを敢行。EMERGENCY結成の経緯などを伺った前回に引き続き、今回は現在公開中のPV、そして9月25日に発売される1stアルバム『ADM -Anime Dance Music produced by tkrism-』について迫る。
――ADMはダンス・ミュージックということですが、ダンスの特訓などはされているのですか?
小野坂:PV撮影時は僕たちは簡単な振りを教えてもらったくらいで、本格的に踊ったのはほとんど後藤さんとその仲間たちでしたね。僕とゆうちゃんが踊っているように見えるのは、完全なる幻想です(笑)。
後藤:100人以上いたエキストラのみなさんにもサビの部分で共通の振りを入れて頂いて、一体感というかライブ感を出そうとしました。
小林:私はちょっと間違えた練習をしてきちゃってて……。
小野坂:ゆうちゃんは家で、曲に合わせてヘッドバンキングを練習してきたらしいんです。それで画面から出て消えて出て消えてってなっていて(笑)。
小林:練習しているうちにカメラを見るということを失念してしまっていて、撮影中に小野坂さんにやさしく「ゆうちゃん、カメラからハズレてるよっ!!」と教えていただきました。その後はほかのみなさんの見様見真似で必死に頑張りました。
――PVにそのシーンはあるんですか?
小野坂:ちょっとだけあります(笑)
小林:うれしいです!
――そのPVの見どころを教えてください。
小野坂:アニメイト池袋本店で撮らせていただいたんですが、店内を練り歩くシーンがあります。そのシーンの「本当に店を使ってんだな」という狭さですかね(笑)。3人が並んだらもう通れないくらいで。でも誰でも行けるお店で撮っているので、あとで実際にお店に行って「あ、ここで撮っていたんだ」と思って楽しんでほしいですね。
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=tsVxZtCYZyI
小林:まず『ぱんでみっく!!』で3人で楽しそうにフワフワしている姿ですね。楽しくてうれしい気持ちになって頂けると思います。あとは小野坂さんと私で『愛をとりもどせ!!』をふたりで歌わせて頂いたのは、まるで夢のようで感動しました。
小野坂:ミュージカル調に歌ったシーンがあるんですよ。そこをチェックしてください!
小林:そこがお気に入りのシーンです。それと『ぱんでみっく!!』の時に小野坂さんが舌をお出しになられるチャーミングなシーンがありまして、私と友香里さんは現場でモニターを見ながら「キャー!」と騒いでいました(笑)
あと友香里さんのダンスもかっこよくて、素敵で、かわいくてオススメですね。ダンスしている所に入っていって私が歌うシーンは、「入らせて頂いてよろしいのでしょうか」と思っておりました。
後藤:小林さんの髪の毛が私の顔に絡んでしまったんですよ。唇にグロスが付いているので、絡んだまま引っ付いちゃって。PVでどうなるかはわかりませんけど、そんなシーンもありましたね(笑)
小林:あとは店内の目的地になかなか着けないなんてこともあったり……。
小野坂:NG集じゃなくてPVの見どころの話やっちゅーねん!(笑)
――後藤さんはやはりダンスなどが一番の見どころだと思いますが。
後藤:そうですね。ほかにも『北斗の拳』も『ニャル子さん』もどちらも長いカットを撮ったので、一挙一動すべてが入っていて。そのワタワタした感じも見どころですし、あとは個性的なエキストラさんたちも面白いです。
――続いてアルバムについて伺います。歌の収録は終わっているとお伺いしましたが、それぞれ歌っていて印象に残っている曲を教えてください。
小野坂:まだ歌っただけで、曲としてはできあがっていないため実際には聴けていませんが……『Butter-Fly』は僕が全部歌っているので、どんな風に仕上がっているのか非常に楽しみでもあり恐くもあったんです。そこで先ほどトラックメイカーのtkrism君にどんな風に仕上がってるのか聞いたんですが、「かわいく仕上がっています」と言われて「えっ!?」って(笑)……それが気になるといえば気になります。
小林:私もその『Butter-Fly』が気になっていますが、自分が歌った曲では『God Knows…』がとても大好きな曲だったので、どういう風に仕上がっているのか気になります。
trkism:弾ける感じですね。
小林:弾ける感じ!? 楽しみです。
――『Butter-Fly』のかわいい感じよりはまだイメージしやすいですね(笑)。後藤さんはどうでしょう?
後藤:レコーディング時の思い出深い曲なんですけど、『時を刻む唄』ですね。私がひとりで歌わせてもらったんですけど、制作陣の思い入れが強いアニメの曲だったようで。歌詞の意味だったり物語背景から解釈をしたりして、時間と根気はかかりましたが、自分的には満足いく結果になったと特に思います。
――ファンも多い作品の曲ですもんね。
後藤:そうですね。この曲はディレクターさんが特に恐かったです。歌詞の中から「この『君』はさぁ、なんの『君』なのかなぁ?」とか一言一言熱烈なディレクションをしていただきました(笑)。本当に好きなんだなと思いましたね。
小野坂:えー? 気持ち悪いー!
(一同笑)
小野坂:そんなこと言っている(ディレクターの)佐藤くん見たことないですよ。僕のレコーディングの時なんて「あーいいっすねー、いいっすねー。すごいいいのいただいたっす」とかだけだったよ! テキトーにやりやがったな!!(笑)
後藤:私はレコーディングブース内で、国語の授業で先生に当てられた人みたいで困っちゃいました(笑)
――tkrismさんにも少し伺います。すべて思い入れのある曲だとは思いますが、特に強いものはありますか?
tkrism:難しいですが……『ぱんでみっく!!』でしょうか。3人の個性やよさが出ていて、それぞれのキャラクターがよく表現されていると思います。色々なギミックというか、遊び心のあるセリフも散りばめられてて、聴いて楽しめるものになっていると思います。
――今回ADMというジャンルで曲を作るにあたってサウンド面で気をつけたことはありますか?
tkrism:今回制作していて思ったのが、曲は生きているなということでした。レコーディングが始まる前から3人の声はもちろん知ったうえでデモを作っていましたが、歌声を聞いてみたら印象が変わって。最初のデモとはまったく違う、予想外の物に仕上がるということが本当に多くありました。そんな風に曲が色々と姿形を変えていって、サウンド面としても斜め上の物になっていますね(笑)
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=AzKwctfcWSI
――ありがとうございます。続いて、まだCDの発売すらしていない段階ですが、それぞれ今後やってみたいアニソンはありますか?
小野坂:自分が子供のころに観ていたアニメや映画の曲を今tkrism君がアレンジしたらどうな風になるんだろう、というのは気になります。みんなが知らないかもしれない、僕の大好きだった曲をADMで紹介できたらなあと思います。だから、これからアルバムが出るときには、1曲くらいは僕の意見を入れてほしいです。
(一同笑)
――今回は反映されていないんですか?(笑)
小野坂:反映されてません。あ、でも『ぱんでみっく!!』は僕が言って入れてもらったのか。今回は最初に出すCDだから、「誰もが知っている曲じゃないとダメです」というコンセプトだったんです。なのでこのCDが売れて、お客さんがこういう音楽があるんだなと認識してくれたら、昔のマニアな奴だけがわかるような曲を入れてもアリだとは思うんですよね。『アローエンブレム グランプリの鷹』とか。特撮になっちゃいますが、『スーパーロボット レッドバロン』や『スーパーロボット マッハバロン』のエンディングもいいですね。
――その辺りをEDMでやったらというのは、確かに気になります。
小野坂:僕は車とかレースが大好きだったので、『グランプリの鷹』とか聴くだけでくるものがあるんですよね。でも「みんな知らないのでボツ」とか言われちゃいそうなので、その場合はアニメイト特典とかで、個人的にEDMアレンジなしで1曲だけ勝手に歌っちゃおうと思います(笑)
――小林さんと後藤さんはどうでしょう?
小林:自分が携わさらせて頂いた作品の曲は特別な思い入れがありますし、よく聴かせていただくのですが、そのなかでも小野坂さんとの共演作でもある『よんでますよ、アザゼルさん。Z』の曲(『りばいばる!』)も歌えたらうれしいです。あとはオリジナル曲も歌ってみたいですね。
後藤:アニソンだったら大好きな『美少女戦士セーラームーン』の曲がいいですね。当時『セーラームーン』を観ていた人なら絶対わかるような曲を歌ってみたいです。ほかには私はゲームがとても好きなので、昔のファミコンやスーパーファミコンなんかのみんなが知っている8bit曲をEDMアレンジして、そこに歌があるものは乗せてみたいですね。『ファイアーエムブレム』とか。
(小野坂さんと後藤さんが「ファイアーエムブレム~♪」と歌唱)
小野坂:いや、あの曲はCMの時に作っただけでしょ?
後藤:あの曲、実はちゃんとしたものがあるんですよ!(編注:、『ファイアーエムブレムのテーマ・オペラヴァーション~ファイアーエムブレムCMソングより』というバージョンがあるそうです) そういうみんなが知ってるゲームソングをEDMアレンジできたらいいなと思います。GDMみたいな(笑)
――第2弾が非常に楽しみですね。最後に、今後の目標を教えてください。
小野坂:来年中には海外5か国くらいをライブツアーしたいですね(笑)。色んな所でライブパフォーマンスをして、みんなが日常の嫌なことを全部忘れて踊ったり笑ったりできるようなライブをやりたいです。
小林:私は、この3人でさせていただくEMERGENCYって、これから何が起きるかわからない楽しさがいっぱい詰まっていると思っているんです。なのでふたりの足を引っ張らないように頑張りたいですね。EMERGENCYだけでフェスティバルもやってみたいです。
小野坂:フェスティバル?ライブじゃなくて?
小林:EMERGENCYフェスティバルですね。お客様にタオルとか持ってきていただいたり、富士でやらせていただいたり!
小野坂:フジロック・フェスティバルのこと?
小林:そうです、フジ・ロックとかライジング・サンとかも憧れますよね!
――後藤さんはなにかありますか?
後藤:今回のアルバムは全部カバー曲なんですが、次からは輸入ではなくEMERGENCYオリジナルの曲を輸出して、アニメの主題歌などを担当したいです。そのアニメでちゃっかりCVも担当させてもらえたりしたらうれしいかなとも思ったり(笑)
――期待しています。本日はありがとうございました。
とにかくパワフルなEMERGENCYの3人。PVの公開を終え、これから9月25日の1stアルバム発売に向けて、活動が本格的に加速していく。その行方から目を離すな。
(取材・文=はるのおと)