現役東大生100人に聞いた! 勉強に役立つアニメ&ゲーム&漫画はこれだ!【理系科目編】

アニメ

公開日:2013/11/12

「アニメや漫画なんか見てないで勉強しなさい!」
「ゲームばかりしているとバカになるから辞めなさい!」

 これらは世の親御さんたちが子供に言う定番の台詞であり、読者の皆さんも一度は言われた記憶がある人も多いのではないだろうか?

 教育面において、なぜかアニメやゲーム、漫画は悪影響と思われがちだが、果たして本当にそうなのであろうか? 逆に、テレビを一切見ない・ゲームもしない・漫画も読まないという子は頭が良くなるのかというと、決してそうとも限らない。
むしろ、好きな作品をきっかけに、ある分野に興味を抱き、得意な科目となることで点数が伸びるということも少なくないようだ。

 このように、教育に悪いからと遠ざけられがちなアニメやゲームのなかにも、むしろ勉強のヒントになる要素がたくさんあるのではないだろうか?
ということで、勉強のエリートといえばやはりこの人たち。現役東大生100人のみなさんに、勉強に役立つ&興味を持つきっかけになったアニメ・ゲーム・漫画作品について聞いてみた。

 今回取材にご協力いただいたのは、「まるきゅうproject」という現役東大生100名超が在籍するアニメ・コスプレ好きが集まるサークルのみなさん。彼らに聞いたオススメ作品とそれにまつわるエピソードを科目ごとに紹介しよう。

○理系・生物



『もやしもん』
 農学部といえば、この作品!ともいえる農業大学が舞台の作品。さまざまな菌がデフォルメされた非常にかわいいキャラクターとして登場する。生物や化学をはじめ農学に興味を持つきっかけになるだろう。ただし実際に農学部の人に聞くと「ロマンはあるけど農学部のイメージと違う。酒か農業かだけが農学部ではない」と。では、他には農学部として面白い作品は…?



『銀の匙』
 酪農をテーマにした本作は、フィクションだが説得力があり、同じ作者による『百姓貴族』はノンフィクションで夢がない分面白い。農学に興味がある人は2作品どちらも比べてみるのがおすすめ!」ということだ。

○理系・地学
 地学という言葉は科目としてはあまり馴染みがないかもしれないが、天文に関することや地球の地質や地層が中心の科目である。天文といえば…。



『美少女戦士セーラームーン』
 今年20周年を迎え、まだまだ人気が衰えない美少女戦士セーラームーンシリーズ。この作品は、まず主人公をはじめとするセーラー戦士たちの名前が皆太陽系の惑星の名前であり(主人公”ムーン”は惑星ではなく衛星であるが)、外部太陽系セーラー戦士など、太陽からの並び順も現実に即している。惑星の名前と配列を一気に覚えられるのである!それだけではなく、初期シリーズの敵の名前は実在する鉱物の名前である。(ゾイサイト・クンツァイトなど)美少女アニメと侮ることなかれ、地学用語が満載である。



『ジュエルペット』
 女児向けアニメではあるが、これも実はキャラクターの名前が実在する鉱物の名前。キラキラ可愛い宝石をきっかけに鉱物にも興味を持てば、地学マニアまっしぐら!?
ちなみにこの2作品を紹介してくれたのは、工学部惑星地球科学科の学生さんである。
また、『宇宙兄弟』はタイトルの通り宇宙飛行士を目指す兄弟の物語。実際にJAXAへ取材をして描かれており、勉強になる点が多い。宇宙兄弟を見て宇宙飛行士になりたくなった人は是非、東京大学工学部航空宇宙工学科へ!

○理系・物理



『STEINS;GATE』
 タイムトラベルを題材とした科学ADV。アインシュタインの相対性理論、タイムパラドックスなど、物理学に関する内容が多く登場する。一見難しそうに思える理論も、この作品の世界観にのめりこみさえすれば楽しく調べることができるだろう。



『とある科学の超電磁砲レールガン』
 同様に『とある科学の超電磁砲レールガン』シリーズも、科学というものについて考えるいいきっかけになる。「どちらの作品も、すべてが現実にあり得る設定ではないが、整合性があって面白い。現実に当てはめた場合はどうなるのだろうか?と調べるきっかけになる」とのことだ。



『進撃の巨人』
 とある研究室では作品内の設定が実現可能かを真面目に議論しているようで、「『進撃の巨人』の立体機動装置は、機械工学の教授が考察の余地あり、と真剣に話している。ワイヤー自体は実現可能だが、問題は人間がそれに耐えうるのかということ。また、ガンダムは工学的には歩行しようとしても膝で崩れ落ちてしまうが、ガンタンクなら実現可能です!」

 空想の産物であるロボットたちも、彼らの手によっていつの日か現実になるのかもしれない。



『ベイブレード』、『ミニ四駆』
 他にも、少年たちの多くが一度は遊んだであろう『ベイブレード』や『ミニ四駆』も、強さや速さを追求してウェイトの形やモーターのトルクについて調べるうちに力学的に考察していた、という工学部の人が多数。
 作品内の設定をどうにか実現できないものかと考えたり、おもちゃをいかに強く改造するかを研究していれば、気づいたら物理の世界にのめりこんでいるだろう。

○理系・数学


『ポケットモンスター』シリーズ
 小学生から大人まで、世代も国境も超えて大人気のこの作品。技名やモンスター名に英語があるとその単語を自然と覚えられる、という英語に役立つ面だけでなく、数学に強くなるきっかけを与えてくれる作品でもある。
 ストーリーを進めて、運任せでポケモンをゲットして…という普通のプレイでは物足りず、自分の理想の最強ポケモンを求める人たちは、乱数調整と呼ばれる行為を行っている(※乱数調整はチート改造ではないので違法ではない)。
 この乱数調整を行うには、ゲームのプログラムに16進数が用いられているため、10進数と16進数の変換を行わなければならない。そのため、「ポケモンで16進数を覚えたからn進法を解くのは得意!」という意見が多く、東大生に意外とポケモン廃人が多いのはこの影響なのか、強いポケモンを求めるなら、進数を理解しておかないといけないのである。
 さらに、ポケモン好きの大半がセンター試験の数学が満点だったらしく、これはポケモンのお陰なのか、はたまた東大生にとって満点は当たり前なのだろうか?

 以上、理系科目を勉強するのに役立つ(かもしれない)作品について紹介した。

 次回、文系科目編に続く!

(取材・文=志乃蛍)

<取材協力>
「まるきゅうproject」
 現役東大生100人超が在籍するアニメ・コスプレ系サークル。主な活動は、年2回の学園祭でのステージパフォーマンス。ニコニコ動画にも動画を投稿し、1万再生を突破。


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 11月23日~25日に行われる駒場祭では、ステージイベント「東大踊々夢」を正門前広場にて披露(3日間とも12:00~13:00) また、テニスの王子様ミュージカル再現イベントを同じく正門前広場にて上演(23日16:00~17:00、24日15:00~16:00)

 どちらも見逃せないイベントだ!