ネット時代の申し子「#グラドル自画撮り部」部長・倉持由香の尻から広がる野望【後編】

アニメ

更新日:2014/3/4

 群雄割拠のアイドル戦国時代。連載「アイドル捜査部」では、取材を通じて分かったアイドルたちの本音に迫っていく。

 今回も前回に引き続き、尻職人として、そして「#グラドル自画撮り部」の部長として注目されている倉持由香のインタビューを紹介。天性のマーケティングセンスを活かし、Twitterでの自画撮り画像の拡散で50,000人を超えるフォロワーを獲得した倉持。自身の経験やノウハウを元に、苦境に立たされるグラビアアイドル業界に一石を投じた「#グラドル自画撮り部」も日に日に影響力を強めている。
 前編では、自画撮りからハッシュタグによる拡散までの経緯をたどった。そして、後編では倉持自身の感じる「#グラドル自画撮り部」の広がりや、自身の経験から築いた“自画撮りテク”の極意を紹介していこう。

「#グラドル自画撮り部」のさらなる広がり


――「#グラドル自画撮り部」の広がりを今、実際に感じている部分はありますか?

倉持「ありますね。実際に会ったことがなくても、Twitter上で『部長さん!』って慕ってくれる子たちがいるのはうれしいです。じつは私、小さいときから女の子が大好きで(笑)
他にも自画撮り部の幹部同士で、定期的なミーティングも開いています。馬肉屋さんで馬刺しをつまみつつ、今後の展開に向けて話し合っているんです。副部長の吉田早希ちゃんや、書記の塚本舞ちゃん。それから、エゴサーチ(=自分の名前などを入力して、ネット上での評価などを分析すること)担当の監査長・原田真緒ちゃんたちと、いろいろと真剣に話し合っています」

倉持の立ち上げた「#グラドル自画撮り部」は、当初描いていた通りのつながりを日に日に広げ続けている。また、活躍の場が狭まる中、よりチャンスの少なくなっている若手の育成にも一役買っているようである。

――自画撮りを磨くというのは、グラビアアイドルにとってのスキルアップにも繋がりそうですね。

倉持「はい。自画撮り部をきっかけに、撮り続けることで必ず自分の糧になります。実際、私自身もそうだったんです。はじめた当初はいろいろな批判もありましたけど、それも含めてTwitterの良さなんですよね。賛否含めてファンからの“生の声”をリアルタイムに拾えるっていうのが。
どういう目線やポーズをすれば、ファンやユーザーが喜んでくれるのか。必死に自分と向き合って考えることが何より、これからアイドルとして生きる中で絶対に役立つと思うんです。
そうして頑張った先で付いてくるフォロワーやお気に入り登録数の“数字はウソを付かない”です!」

曖昧で不確かな世間の“評判や評価”を数字に置き換えて判断する。これはマーケティングの初歩として必要不可欠な“分析”を、無意識に行っている証拠でもある。そして、倉持が心がけているのは、ファンやユーザーからどう見えるか。いわば“消費者”が自分という“商品”をどう見てくれるのかという視点だ。倉持は自分自身、幼い頃よりグラビアアイドルに憧れていたという。男性目線でグラビアを見続けてきたからこそ培われた独自のセンスで、自画撮りを極めつつある。
アイドルのみならず、どの世界でも第三者的な“消費者目線”を持つのはなかなか難しい。なぜなら、そこに個人の想いや理想が入り込んでしまい、どうしても過剰に評価してしまいがちだからだ。それを倉持は無意識に理解し、世間の評判に振り回されることなく、ただ1点、目に見える“数字”だけを信じている。


インタビュー中、論理的にみずからの考えや思いを語る倉持。天性のマーケティング、そしてマネジメントのセンスが随所に感じられた。

自画撮りでブームを巻き起こした倉持の語る、自分の見せ方とは?


――自画撮りをうまく魅せる“コツやテクニック”はありますか?

倉持「自分のウリとなるパーツを見つけるのが一番ですね。きっかけの一つはやっぱり、コンプレックスです。グラビアアイドルの子でも、体のパーツで『ここがコンプレックスなんです』って悩む子がいるんですけど、むしろそれがいいんですよ。
コンプレックスを逆手に取るというか、逆にいえば目立つ部分じゃないですか。だから、自信を持って存分に見せる勇気を持って欲しいです。
そして何より、自画撮りをアップするのはウリを見つける最短の方法です。はじめは慣れないながらも、とにかく数を多く撮ってみる。全身を撮りながら、一枚の写真に命をかけてほしいです。
適当にパシャッと撮るのではなく、一枚の作品を仕上げるという意気込みでワンショットごとに魂を込める。指先や足先の細かい部分まで気を使いつつ、ポーズや強調するパーツを変えながら自画撮りをアップしていくうちに、何がファンやユーザーから支持を得られるかが分かってきます」

倉持は自身のブログなどでも自画撮りのノウハウを包み隠さず公開している。発想のルーツはその時代時代のグラビアアイドルたちであり、挑発的な目線が特徴だった「仲村みう」や、自画撮りレイヤーとして一斉を風靡している「うしじまいい肉」など、好きこそ物の上手なれを体現するかのように、グラビア誌を見ながら自分なりの研究を重ねていたようだ。


「#グラドル自画撮り部」の部長として、“仲間”たちの先頭を走るべくつねに研究を重ねている。

倉持自身、そして「#グラドル自画撮り部」の抱く野望とは?


――今年、そしてその先に思い描くものはありますか?

倉持「私自身が“売れる”のが、まず目標ですね。憧れていた雑誌の表紙を飾るというのをぜひとも実現させたいです。そうじゃないと、せっかくみんなが付いてきてくれた『#グラドル自画撮り部』も説得力がなくなってしまいますし。
また、『#グラドル自画撮り部』全体としては、やっぱりもっともっと広めて、グラビアアイドルの裾野をよりいっそう広げていきたいです。その先で頑張るみんなといっしょに、写真集やフォトブックを出したり、ミーティングを通じてファンたちとも交流していきたいと思います」

グラビアアイドルへの関心をまず広げたいという意識のもと、今日も自画撮りをアップし続ける倉持。部長として、一人のグラビアイドルとして、今後もますます注目を高めるだろう。一人で自画撮りの可能性を見出した昨年、そして、2014年は「#グラドル自画撮り部」にとって、何を残せるかが今後の鍵となる。
グループアイドルの台頭する中、ふたたびグラビアアイドルの地位向上と復権をめざす倉持の活動を楽しみに、今後も見守っていきたい。

最後に、倉持からのこんなメッセージを頂いた。

倉持「ネットでもエゴサーチの一貫として、まとめサイトをよく見るんですよ。ハマってしまうとついつい時間も過ぎてしまうくらいで…。まとめサイトが大好きなので、ぜひとも転載して下さいね(笑)」

最後まで抜け目のない倉持由香だった。

取材・文=カネコシュウヘイ、撮影=山本哲也

#グラドル自画撮り部 部員紹介

ここで#グラドル自画撮り部の部員の一部を紹介。
ぜひ、彼女たちをフォローして応援してあげよう。

部長:「倉持由香
副部長:「吉田早希
書記:「塚本 舞
監査長:「原田真緒

※以下、2月11日時点で投稿数が20以上、投稿数順

大崎由希
萌木七海
吉見衣世
柚木しおり

菜乃花
藤田恵名
高橋優菜
白川卯奈
河合風花
青山ひかる
一戸日菜子
森田智紗
朝倉すみれ
清水みさと
八尋莉那
相原美咲
長野まこ
瑞木るう
秦瑞穂
友利愛美
甲斐はるか
中村知世
りゅうあ
二ノ宮桃
山中知恵
鈴木咲
飯塚真穂
鈴木ふみ奈
芝野さくら
土山茜
白石みずほ
ミカチュウ
三島ゆかり
前田 未優
上城愛香
丸山加代子
璃乃
小牧まこ
稲森美優
佐々木芳子
尾崎礼香
桃原里香
さちこ
吉川あい
小嶋みつみ
伊藤成美
大蔵愛
船岡咲
宝栄恵美
古川真奈美
神田リオン
安枝瞳
りょうか
松岡理英
高石夏帆
誉田みに
真奈
小池舞
キラ☆アン
安西玲奈
本山なみ
駒井まち
櫻井りか
倉園由菜
藤崎ルキノ
宮崎まこ
小松彩夏
小泉恵月
藤川ありさ
森咲智美
ryoshihono
小林かれん
南 菜々子
佐野真彩
藤原しずか
橘花 凛
西永彩奈
松浦三佳
秋山ゆずき
水月桃子
新海令奈
天野麻菜
西村ケリー
齊藤夢愛
榎本紗織
柳田絵美花
矢代梢
青木美依奈
染谷有香
平野聡子
鈴川 凛
葉加瀬マイ
坂井古都
町田みゆう
鈴木千絵里
栗山夢衣
青山智美
大貫彩香
森実咲
麻生かな
佐倉 絆
結月 杏
疋田紗也
沢辺りおん