TVアニメ『精霊使いの剣舞』神聖なるアフレコ現場の一部始終を独占取材!

アニメ

更新日:2014/8/11

眉目麗しい可憐な貴族令嬢たちが、強さと美しさが交差する戦い<精霊剣舞祭(ブレイドダンス)>に臨み、彼女たちの心の内に隠された過去や想いによって絡み合う物語はさらなる高みへと…。
 

現在オンエア中のTVアニメ『精霊使いの剣舞』に注目しているファンも多いと思われますが、今回はそのアフレコ現場の独占取材が実現しました! 制作スタッフやキャストが熱い想いを懸けるもう一つの“ブレイドダンス”の舞台裏をじっくりとお届けします。

まず、本作のおおまかなストーリーは下記の通り。

<<清らかな乙女にのみ許された精霊契約という特権。精霊使いとして訓練を積んできた姫巫女たちが目指すのは、最強の精霊使いを決める<精霊剣舞祭(ブレイドダンス)>に出場し、優勝すること。優勝すれば、どんな願いもひとつだけ叶えられるという。男子禁制のアレイシア精霊学院で唯一の男子生徒となったカミトは、姫巫女たちとチームを組んで<精霊剣舞祭>を目指すが――>>

念のためお伝えしておきますが、アニメ媒体の取材といえ、関係者以外がスタジオの中に長時間入れる機会はとても貴重。業界歴が長い筆者も、アニメのアフレコ現場の一部始終を頭から見学するのは今回が初めて…。以前、あるベテラン声優が「いくら撮影だとしても、マイクには絶対に触れません。とても尊いものなので」と話していたのを思い出します。それぐらい、声優にとって収録スタジオはとても神聖な場所なのです。

今回は、スタッフが音声や映像を操作したり、キャストに指示を出したりするコントロール・ルームに取材班が潜入。音声を収録するブースは隣にあり、演者の皆さんの様子はモニターで確認できるようになっていました。

部屋の中には大勢のスタッフ陣が。ソファの中央に座ってモニターを凝視するのは監督の柳沢テツヤさん、左側のコンソールの前には音響監督の明田川仁さん、右にはシリーズ構成の吉岡たかをさん。さらに、奥には原作の担当編集と…関係者が一堂に勢ぞろい。まして、音響が完全に遮断された部屋の中は「宇宙?」ってくらい無音と静寂。き、き、緊張…どうかお腹が鳴りませんように…。

真剣な面持ちのスタッフと同じく、モニターに映るリハV(リハーサルビデオ)とセリフを読み上げる音声に集中する取材班。Aパート、Bパートといくつかに分かれたパートをまずは収録し、その音声を確認しながら気になった部分を何度も録り直す、というのが一連の流れのようです。監督をはじめ、皆さんが気になるシーン番号をピックアップし、どう修正したいのかを音響監督に提示。それを、音響監督が精査し、場合によっては言葉を置き換え、隣のブースの役者に変更点を伝えていきます。明確な指示と時々混ざる冗談で、コントロール・ルームとブースの間には、程よい緊張感が保たれていました。

収録ブースには、主人公・カミト役の古川慎さんのほか、木戸衣吹さん(クレア役)、大西沙織さん(フィアナ役)、石上静香さん(エリス役)、優木かなさん(リンスレット役)、加隈亜衣さん(エスト役)、日笠陽子さん(レスティア役)、松岡禎丞さん(ジオ役)らが勢揃い。

メインヒロイン・クレア役の木戸さんは出番が多いため、必然的にスタッフからのオーダーが多くなります。いつも強気で元気いっぱいのクレアのセリフに、機微を加えていく監督。「もっとソフトに」と抽象的に伝えられた指示を具現化していくのは役者の仕事。木戸さんは、オーダーの意味を的確に理解して、絶妙にトーンを下げたり、語尾を伸ばしたりと芝居に反映していきます。口調は怒っているけどカミトのことを心配しているんだろうな、とか、他の精霊使いに対してライバル心はあるけれど仲間意識が芽生えはじめているのだな、とか…、クレアというキャラクターにどんどん深みが増していくのを感じました。

スタッフの話によると、木戸さんは現場で最年少ながら「しっかり者のムードメーカー」になっているそうです。「あーいっ!」とクレアらしく元気に返事をしたり、OKが出るたびに「ありがとうございます!」とハキハキ応える姿がとても好印象でした。現役の女子高生とは言えど、プロフェッショナルな仕事ぶりに感服です!

迫力あふれるバトルも本作の見どころですが、取材した回ではカミトの真剣勝負のシーンがあり、スタッフ内にも、独特の緊張感が広がったように感じました。剣を振り上げるときの声、戦闘中のうめき声など、かなり長めの戦闘シーンで、古川さんは台本を片手に握りしめながら、動きも交えてアグレッシブに演じていました。

緊張感に満ちた収録も終わり…。スタッフさんから美味しいお菓子を頂戴し、感激すると同時に納得しました。アフレコって、緊張と集中でかなりのカロリーを消費するところなんですね。さて、そんなアフレコ見学を経て、プロフェッショナルな皆さんの仕事ぶりに感嘆した取材班は、噂のキャラソンユニット「にーそっくすす」の5人にインタビューをすることに成功。

その模様は先日公開したこちら(https://ddnavi.com/news/203210/)の記事をご覧ください。 

(取材・文/麻布たぬ)
 

精霊使いの剣舞

公式サイト:http://www.bladedance.tv/

AT-X、TOKYO MX、MBS、テレビ愛知、BS11にて放送中

原作:志瑞祐(MJ文庫J『精霊使いの剣舞』/KADOKAWA メディアファクトリー刊)
原作イラスト:桜はんぺん
監督:柳沢テツヤ
シリーズ構成:吉岡たかを
キャラクターデザイン:藤井まき
総作画監督:藤井まき、岩佐とも子、ごとうじゅんじ
プロップデザイン:宮脇謙史
美術監督:倉田憲一
色彩設計:日比野 仁
撮影監督:美濃部朋子
編集:肥田 文
音響監督:明田川 仁
音楽:鈴木ヤスヨシ(カプリチオ・ミュージック)
音楽制作:KADOKAWA(メディアファクトリー)
プロデュース:ジェンコ
制作:ティー・エヌ・ケー
製作:精霊使いの剣舞製作委員会

出演:
古川慎(カゼハヤ・カミト)
木戸衣吹(クレア・ルージュ)
優木かな(リンスレット・ローレンフロスト)
石上静香(エリス・ファーレンガルト)
大西沙織(フィアナ・レイ・オルデシア)
加隈亜衣(テルミヌス・エスト)
田中真奈美(キャロル・ナスターシャ)
中原麻衣(グレイワース・シェルマイス)
松岡禎丞(ジオ・インザーギ)
日笠陽子(レスティア)