黄色い薔薇と声援に包まれた『プリティーリズム・RL』Over The Rainbowイベントレポート

アニメ

公開日:2014/9/16

 本サイトでも何度か紹介してきた少女向けアニメ『プリティーリズム』シリーズ。そのうちの一作『プリティーリズム・レインボーライブ』(以下『レインボーライブ』)から生まれた男性アイドルユニットのOver The Rainbowが、9月7日(日)に秋葉原UDXシアターギャラリー ネクストで初のリリースイベントを行なった。

 Over The Rainbowは『レインボーライブ』の作中に登場する、神浜コウジ、速水ヒロ、仁科カヅキという3人のプリズムボーイズによるユニット。今回のイベントは彼らのデビューアルバム『プリティーリズム・レインボーライブ プリズム☆ボーイズコレクション』の発売を記念したもので、3人を演じる柿原徹也さん(コウジ役)、前野智昭さん(ヒロ役)、増田俊樹さん(カヅキ役)が出演した。


▲左から前野智昭さん、柿原徹也さん、増田俊樹さん。

 まず、イベント冒頭3人を呼びこむ際に司会者が「オーバー・ザ・レインビョウ」と噛んでしまう。これにツッコミながらステージに登場。さらに自己紹介では前野さんが「絶対声優!」、増田さんが「バーニング!」と作中の人気セリフを使って会場を沸かせ(前野さんのセリフは作中では「絶対アイドル!」)、熱気に包まれたままイベントはスタートした。

 まずは『レインボーライブ』最終回で披露されたOver The Rainbowの『athletic core』の3DCG映像を観ながらの生オーディオコメンタリーから。会場からは映像内のライブさながらの歓声が飛び交い、キレのある3DCGの映像を改めて観た3人も驚きっぱなし。なかでも大きな盛り上がりを見せていたのがやはりプリズムジャンプのシーン。コウジの「胸キュン体験」、ヒロの「無限ハグ with love 」、カヅキの「バーニングラブハート」と次々に披露される美しい技に、会場からは悲鳴のような声が上がっていた。

 映像を見終えた3人は、口々に「このCGはすごい」とクオリティの高さを褒めながらも、「『プリティーリズム』は女性がメインの話なのに、なぜか我々が最終回でデビューしてしまって」(前野さん)、と恐縮する一幕もあった。

 このミュージックビデオではコウジが初めてCGとして登場し、ジャンプも披露した。これを振り返って柿原さんは「僕も(3人で歌った)『BOY MEETS GIRL』を録っていたけど、オンエアでは(ヒロとカヅキ)ふたりで歌っているような演出だった。いつ3人で歌えるのか、と思っていましたが、まさか放送から半年経ってとは思いませんでした(笑)」と感慨深げだ。

 一方の増田さんは、これまで硬派なカヅキを演じてきたが最終回になって「女性に対して甘く声をかける」という真逆のベクトルの演技付け、そして「Hiro×Kojiのふたりにどうやってカヅキのよさを加えてユニットとしてまとまるか」に苦労したそうだ。

 また「何回もリテイクしました」(増田さん)という最後の3人で声を揃えての「パラダ~イス」は、実はアフレコ直前に差し替えられたフレーズ。柿原さんによると「こういうことがよくある現場」だそうで、「朝まで付き合ってもらうぜ」、「乗り遅れるなよ」といった名セリフも同様に台本には書いてなかったという。

 こうした現場のこだわりは随所にあり、たとえばリンゴにキスする際の音についても「どういうチュウがいいですか? アイドルっぽいのがいいのか」など色々と検討された模様。これについて3人は「そもそもリンゴに口付けするヤツいないから!」とツッコんでいた。

 次のQ&Aコーナーでは、レインボーライブおんがく公式ツイッターに寄せられたファンからの質問に回答した。最初の質問は「Over The Rainbowの3人がプリズムライブをしたら、楽器は何になりますか? 個人的にはコウジはそのままギターで、ヒロはハープ、カズキにはトランペットが似合うと思います」というもの。柿原さんが「カズキはドラムが似合いそう」と語ると、増田さんは「僕もドラムのイメージはあるけど、すでにあんちゃんがいるから。それ以外ならベースかな」とイメージを披露した。

 前野さんはヒロについて「ほかのアニメで演じるキャラクターがチェロを弾くので、同様にヒロもチェロのイメージですね」とコメント。そこですかさず柿原さんが「前野さんは子供のころからチェロをやっていますから。前野・チェロ・智昭って名前で」とコメントすると、前野さんは「変な設定作るんじゃないよ! チェロなんて触ったことないよ!」と反論。デビューイベントと思えないほど当意即妙な受け答えで、会場を笑わせた。

 次の質問は「ユニット内で担当を決めるなら、何担当ですか?」。「自分はひな壇担当」という柿原さんだったが、前野さんは出身地から「ドイツ担当?」と連想。さらに「ドイツ出身で、誕生日がクリスマスイブで、血液型がAB型。乙女ゲームのキャラクターみたい」(前野さん)ということで、柿原さんは乙女担当となった。

 前野さんについては、柿原さんの「ずっと黒髪ってイメージ」から黒髪担当に。増田さんについては、残るふたりが「真面目で、イケメンで、若いし、猪突猛進で、気遣いもできて、努力家だし、ラーメン好きだし、ゲームも好きだし……」と、とにかく褒め殺し(?)。そのすえに「いい子過ぎて、もう少し悪いところを見せてほしいな」というふたりの声に、増田さんが最近の悪事として「風呂上がりにリビングで裸で寝ましたよ。体調管理なんかしないぜ、ワイルドだろ~?」と告白。実際は「すぐに起きて、着替えて、ちゃんとベッドで寝た」そうだが、このおかげでカヅキらしくワイルド担当に決定した。

 最後の質問は「3人はOver The Rainbowがここまで人気になると思っていましたが?」。今回のイベントは定員の100人を大幅に超える1,000人以上が応募があったことが司会から明かされると、3人は驚きつつ「このままじゃデビューと同時に天狗になっちゃうね」、「会場を大きくしようよ」とはしゃぎ気味。また「最初から歌うとはなっていたが、ユニットを組むという話はなかった。まったく想像していなかったですね」(前野)、「(去年に開催された)クリスマスイベントで男性のお客さんが多くて、我々は野次を飛ばされるだろうと思っていました。でも暖かく迎えてくださって、それで今回のデビューに繋がったのかなと。」(柿原)とこれまでを振り返っていた。

 そして前野さんの「スタッフがこの3人を気に入って、『あわよくばもっと掘り下げた作品をできたら』という話も打ち上げでしてくださったそうで。何かやれたらいいですね」と切りだすと、話題はOver The Rainbowの“これから”へ。増田さんは「映画もありましたけど、前回はシリーズ全体の映画でしたし、男性陣の尺も短かったじゃないですか。今度は『レインボーライブ』単独の映画もやってほしい」と夢を語ると、柿原さんは「5年10年と、それこそレインボーのようにつながる作品になればいいんじゃないかな、と前野君が楽屋で言っていました」としっかりとオチを付けていた。

 続いてはキャストのサインが入ったブロマイドが抽選で3名に当たるプレゼント大会コーナー。最初に抽選番号を引いた柿原さんが「これは俺とか前野君が好きな番号じゃない?」と、抽選番号である「57」(ふたりは昭和57年生まれ)に意味を持たせ、その後もそれぞれが引いた番号にツッコミながら、和気あいあいとプレゼントが配布された。

 最後は会場のファンに以下のように挨拶をしてイベントは終了。大歓声に包まれたまま、3人のプリズムスタァは会場を後にした。

柿原さん「皆さんのおかげで『レインボーライブ』からOver The Rainbowはユニットとしてデビューできました。1年半前にはこんな風なことになると思っていませんでしたが、また何かやりたいので、今後も応援よろしくお願いします」

前野さん「『athletic core』この曲の作詞、作曲は?(会場から「コウジー!」の声)そういうこと」「番組が終了して半年近く経つのに、速水ヒロとしてみなさんの前に帰ってこられてうれしかったです。彼は最初はぶっ飛んだキャラクターで、どう演じていいかわからない部分もありました。でも最後は立派に成長してくれて、僕も愛着があり、大切にしたいキャラクターです。また速水ヒロとして何かできる機会があればいいなと思っているので、今後も『レインボーライブ』の応援をお願いします」

増田「半年経ってもCDやイベントを出させてもらって、お客さんの反響がしっかり形になっているのがわかります。この先も応援があれば、僕らの今後が描かれるとか、僕の夢ですけど『レインボーライブ』の映画とか、セカンドシングルとか、何が起こるかわかりません。みなさんの期待に応えようと色々と頑張っている現場ですし、自分達ももう一度『レインボーライブ』の世界にいきたいと思っています。今後も応援よろしくお願いします」

(取材・文=はるのおと)