『テラフォーマーズ』『蟲師』『ムシブギョー』… ムシアニメのおもしろさはムシできないよね！

　2014年秋開始のアニメ一覧を見てお気づきの方もいるのではないだろうか…。なんと今期は虫アニメが複数放送予定！ まさにムシだけにムシできない展開だ。過去の名作を振り返っても、虫が出てくるアニメは名作ぞろいという噂。そんなことを言われたらムシはできない（2回目）。さっそく虫が出てくるアニメをご紹介しよう。

　■ 【テラフォーマーズ】

　2014年秋より放送がスタートしている今作。2013年版「このマンガがすごい！」の男版で1位を獲得、「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」では2位に入っているほどの人気＆期待作。 　火星のテラフォーミング用に放たれて人型へ進化したゴキブリ・テラフォーマー達を駆除すべく、特殊な人々が戦うSF作品。日頃物陰から突然現れる黒いヤツらの姿に悲鳴を上げている人も多いだろう。そんなやつらが人間大の姿に異常進化したゴキブリの姿は恐怖の一言。

■ 【蟲師】

　2014年秋より続章の第2期がスタートする蟲師。2007年には大友克洋氏が監督、オダギリジョー氏が主演で実写映画化されている。原作は月刊アフタヌーンで連載中の漆原友紀氏のマンガ作品。 　蟲師（蟲専門の医者・研究者）を生業としている主人公・ギンコとさまざまな蟲によって引き起こされる怪異と対峙していく名作。ストーリーはもちろん、作品から放つ空気感が美しい。少々長い作品ではあるが、まだチェックしていな方がいれば是非おすすめしたい。

■ 【ムシブギョー】

　2013年4月より放送された作品。原作は週刊少年サンデーで連載中の福田宏氏。舞台は将軍・徳川吉宗のいる江戸時代で、街には巨大な蟲が現われていた。そんな蟲を退治するのが通称・蟲奉行所！　主人公・月島仁兵衛は江戸を守るため、先輩たちと力を合わせて戦うストーリー。 　アツい王道少年マンガのストーリーと、そして度々登場するかわいい女の子のセクシーな姿……非常にバランスの良い隠れた名作だ。

■ 【HUNTER×HUNTER】

　こちらもご存じ、冨樫義博氏原作の漫画作品。ストーリーの中でもいくつかの章に分かれてるのだが、「キメラ＝アント編」はムシが鍵になっている。 　あるとき異常成長を遂げたキメラ=アントの女王は兵隊蟻を使って人間を襲い、驚異的なスピードで勢力を広げていた。圧倒的な力を持つキメラ=アントの王も生まれ、主人公・ゴンたちはどのように立ち向かっていくのか……緊迫したストーリーは本作中でも人気が高い。他にも同じく冨樫義博氏の名作・幽遊白書の中でもムシが度々登場している。

■ 【風の谷のナウシカ】

　あえて説明するないほど有名なスタジオジブリの名作。舞台は異形の生態系に覆われた終末世界。大人なお兄さんたちの中には、ナウシカが初恋の人だという人も多いだろう。 　そんなナウシカに度々登場するのが、これまたご存じ王蟲（オーム）。腐海最大の蟲で成体は体長80m。多数の関節に歩脚、そして多数の目……ちょっとコワイ姿ではあるが、オームはなんと思いやり、慈しみといった感情も理解する生き物。他の蟲アニメとはちょっと違った設定にも今一度注目だ。……それにしても続きが観たい。

　以上が虫が重要な鍵となっているアニメたち。なぜこんなにも虫が出てくるアニメに名作が多いのかと考えてみたところ、理由として考えられるのは、「日常に潜む恐怖」と「緊迫感が伝わってくるから」ではないだろうか。

　我々が普段生活しているところに虫も生息しているのだが、基本的に人になつくことはない。他の動物と比べて表情もなく、何を考えているのかまったく分からない存在。虫の中には人間を死に追い詰めるほどの攻撃力を持っていたり、圧倒的に優れた生命力を持ったりする者もいる。そんな食物連鎖の頂点にいる人間に対し、彼らが牙を剥いたら……考えただけで恐ろしい。実際にありえないことだけれども比較的簡単に想像できることから、まるで自分が主人公になったような緊張感を味わえることも、支持されている一因かもしれない。

　そして、今期は『弱“虫”ペダルGRANDE ROAD』も放送予定。2014年秋はムシアニメをムシできない（3回目）！？

文＝shioko