安田章大(SUPER EIGHT)さんが選んだ一冊とは?「おにぎりとうめぼしの日常がめちゃめちゃ面白い」【インタビュー】
公開日:2026/4/1
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年4月号からの転載です。

安田さんと『おにうめ』との出会いは昨年のこと。SNSのショート動画に惹かれて本を手に取り、Tシャツなどのグッズも持っている。
「おにぎりとうめぼしの日常がめちゃめちゃ面白い。僕らの日常にも、本当はこれくらい面白いことがいっぱい起きているんですよね」
特に好きなのは、おにぎりとうめぼしが電車に乗るお話だ。イガグリのようなキャラに挟まれ、体がへこんでトゲが刺さる。
「僕らが電車に乗っていても、こういうことありますよね。満員電車で体がギューッと押されるみたいな」
安田さんは作者の目線に共感する。
「僕も、物が生きていたら、とよく考えるんです。コップや階段の手すり、彼らはどんな表情をして、何を感じているのかなと」
これは子どもの頃から変わらない感覚だ。
「米粒に手足を生えさせた、お米マンとか描いていたんです。大人になった今、日常を普通に生きることがどれほど難しいか実感しています。だから余計に身の回りに目を向けて、それを楽しもうとする気持ちが強いのかもしれません。役者としても、草や太陽、岩を演じる舞台をやってみたいなと思ったりします」
安田さんが現在、幕開けを間近に控えているのは『音楽劇 ポルノスター』だ。古田新太さん、作・演出の青木豪さんと3人のタッグは、7年ぶりとなる。
「アブノーマルといいますか、ここまで踏み込んでいいのかなというストーリーです。それをできてしまうのが、古田さんの存在の大きさと、古田さんと理解し合っている豪さんの力ですね」
安田さんは、一昨年も青木さん作・演出の舞台に出演している。
「当時僕は力及ばず、豪さんの戯曲を完全には理解しきれていなかった。でも今回は、豪さんの頭の中を100%、観客の方にお届けしたい。豪さんと心からぶつかり合って、お芝居を作ってきた、その時間の積み重ねがありますから、僕自身、成長できたと思っています」
先ほど、今回の舞台をアブノーマルと評したが、それは決して奇をてらったものではないと言う。
「描かれているのは、誰もが心の中で思っていることです。妄想や密かな内側の声が、外に漏れてしまっているだけ。不条理劇と銘打っていますが、そこにあるのは皆の日常です。だから笑えるし、きっと共感もたくさんしていただけると思います」
取材・文:松井美緒 写真:TOWA
スタイリング:袴田能生(juice) ヘアメイク:山﨑陽子 衣装協力:パンツ3万7400円(eyelim/HOMEDICT☎080-4090-1115)*税込 その他スタイリスト私物
やすだ・しょうた●1984年、兵庫県生まれ。SUPER EIGHTのメンバー。音楽活動のほか、俳優としてドラマ・映画・舞台とジャンルを問わず活躍。近年の主な出演作に、舞台『マニアック』『あのよこのよ』『閃光ばなし』『少女都市からの呼び声』『アリババ』『愛の乞食』テント公演/劇場公演、映画『嘘八百 なにわ夢の陣』など。

『おにうめ』
(フリイラくん/KADOKAWA) 1375円(税込)
SNSなどで大人気のショート動画が書籍化。もしも、おにぎりが生きていたら? 素朴な毎日を過ごすおにぎりと、おにぎりに付き合ううめぼし。うめぼしと公園に行ったり、花火をしたり、クリスマスケーキを食べたり。たまに会社で怒られることも。おにぎりが生きているだけなのに、元気が出てしまう小さな物語。

PARCO & CUBE produce 2026『音楽劇 ポルノスター』
作・演出:青木 豪 音楽監修・出演:ベッド・イン 出演:安田章大、古田新太、高岡早紀、川島海荷、山﨑静代、小松利昌、村木 仁、南 誉士広 大阪公演:3月8~16日 東京公演: 3月28日~4月12日 福岡公演: 4月18・19日
●私立探偵の深志と姉の緑を、依頼人の美容外科医・誠也と娘のマリアが訪ねる。AV男優兼薬剤師の男を探してほしいというが、誠也一家の関係は歪で……。明るいエロとナンセンス満載の不条理犯罪ファンタジー音楽劇。
