大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』とマンガ『日に流れて橋に行く』を繋ぐ、商品を手に取る喜び【日高ショーコ×森下佳子対談】

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更新日:2026/4/27

――森下先生は『日に流れて橋に行く』を愛読されていたということですが、好きなシーンはありますか?

『日に流れて橋に行く』より
『日に流れて橋に行く』より

森下:たくさんあります。虎が三つ星を建て直すための協力者である鷹頭や三つ星の店員に言う「俺たちならできる」というシーンや鷹頭が圧倒的王者・日越呉服店の代表である日比谷藤次と対立するシーンも好きです。それと百貨店好きな私としては、三つ星の店内の描写は、いつも読みながらワクワクします。新装開店する際に店内にカフェができるじゃないですか。あのエピソードも大好きです。

日高:ありがとうございます。“お店にカフェがあったらいいな”とは私たちが思っていたことです(笑)。お店の中で休める場所がほしいと思い、当時のカフェについて調べていたところ、ブラジルへの移民希望者を移送する会社が、ブラジル政府からのお礼としてコーヒー豆を無料で提供いただいていた事実があることを知りました。

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森下:読んでいて初めて知ったので、驚きました。

日高:私もです。基本的には自分が“へぇ!”と思ったことを作品には盛り込みたいなと思っています。

森下:「私これ知らんかった!」という視点、大事ですよね。カフェ作りをするエピソードでは、新宿で果物の問屋をしている兄・寅次さんを訪ねるじゃないですか。あの問屋さんが登場するたびに、新宿には確かに果物屋さんが多いなということを思い出します。

日高:タカノフルーツパーラーさんとか。

森下:まさに。あれ、もしかして寅次さんの“火野商店”の元になっていますか?

日高:名前はそうですね(笑)。タカノだから火野です。

森下:裏話聞けちゃった! なんか嬉しい!

日高:新宿っておもしろい史実がたくさんあるんですが、明治時代の資料が少なくて…。数少ない写真をみると、今の新宿からは考えられないくらい、当時の新宿は田舎。改めて日本橋の凄さを感じます。

『日に流れて橋に行く』より
『日に流れて橋に行く』より

森下:江戸時代の日本橋も同じです。明治になると銀座も華やかになりますが、江戸時代はより商いの中心地。呉服屋も多かったし、あと有名なのは魚河岸ですが、蔦重の版元“耕書堂”があった通りには、釘屋が多い通りだったそうです。

日高:釘屋!

森下:あの時代に釘がそんなに売れたのかなと疑問もありますよね(笑)。

日高:昔の地図って眺めているだけで面白いですよね。筍の皮だけ売っているお店、凧だけ売っているお店とか…。

森下:三つ星は日本橋だとだいたいどの辺りというのはありますか?

日高:いろいろ想定はしましたが、最終的にはかつて“呉服町”と呼ばれていたあたりに。その場所の当時の特徴としては、江戸時代に大奥の服を仕立てたお店が多いともあったので、三つ星にも取り入れました。

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