岩﨑大昇(KEY TO LIT)さんが選んだ一冊は、魚豊『チ。―地球の運動について―』。「きっと僕は思いを受け継ぐ物語が好きなんだと思います」【インタビュー】

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公開日:2026/5/22

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年6月号からの転載です。

「とても衝撃を受けました。すべての人に読んでほしい」

 岩﨑さんが前のめりで語るのは、大好きなマンガについて。地動説を信じ、真理を追う人々の姿に心を奪われたと熱弁する。

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「常識も規則も超えて真理を追究したい、信念を貫きたいという情熱にグッときました。それぞれが生きる意味、自分の大義を地動説に乗せて、次の人たちに受け継いでいく。別に全員が学者ではないし、継承したいのも学説というよりは自分の奥深くから湧き上がるものなんですよね。『ジョジョの奇妙な冒険』もそうですが、きっと僕は思いを受け継ぐ物語が好きなんだと思います」

 どの登場人物にも思い入れがあるが、特に好きなのは天文研究所の助手ヨレンタ。抑圧されながらも、真理の追究のために命を懸ける女性だ。

「自分が信じる道を突き進むことが難しい時代でも、懸命に戦っていく。そんな彼女がのちに、『きっと迷いの中に倫理がある』と語るんです。信念も大事だけど、それ一本で生きていたら怪物みたいになってしまう。迷うから、そこに優しさや愛、倫理が生まれるんですよね。大事なことが詰まった言葉だなと思います」

 そんな岩﨑さんが、NHKの人気ドラマから派生した映画『正直不動産』に出演。夢を追いかけるミュージシャンを好演している。

「僕が演じる山口ヒロトは、まっすぐ生きてきた青年。夢を追う中で壁にぶつかり、その状況すらも素直に受け止めすぎてダメージを食らってしまう。世間の声に負けず、自分のベストを更新し続けるって本当に大変ですよね。僕も共感しました」

 劇中では、山下智久さんが岩﨑さんのために作詞した楽曲「優しい世界」を、ギターで弾き語るシーンも。

「もう感謝しかありません。現場でも僕を見つけて『ああ、久しぶり!』と握手してくれて、アットホームな雰囲気で迎え入れてくださいました。正直な心がもたらすものを語った歌詞も、生の声が届くフォークっぽい曲調も素敵で、この映画の主題歌でもいいくらい(笑)。ギターも頑張って練習したので、路上や文化祭でのライブシーンはぜひ観てほしいです」

 完成した映画も、曲名どおり「優しい世界」が広がっているそう。

「『正直不動産』らしいコミカルな演出も多くて引き込まれます。現場で一緒に映画を作った人たちの顔が思い浮かぶような温かい作品になり、僕も参加できてうれしいです」

​​取材・文:野本由起 写真:TOWA
ヘアメイク:浅津陽介 スタイリング:小林洋治郎

いわさき・たいしょう●2002年、神奈川県生まれ。KEY TO LITのメンバー。歌唱力に定評があり、これまでにミュージカル『ニュージーズ』『ロマンティックス・アノニマス』で主演を果たす。またドラマ『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』や『ぽかぽか』木曜レギュラーにメンバー週替わりで出演するなど、ドラマやバラエティ番組でも活躍。

チ。―地球の運動について―』(全8巻)
(魚豊/小学館ビッグC) 各770円(税込)
異端思想は火あぶりに処せられていた15世紀ヨーロッパ。周囲から神学の道に進むことを期待されていた神童ラファウは、ある時禁じられた“真理”を追究する謎の男に出会う。時代を超え、脈々と意志を受け継ぎながら、地動説の証明に信念と命を懸ける者たちの一大叙事詩。

映画『正直不動産
原作:大谷アキラ(漫画)、夏原 武(原案)、水野光博(脚本)『正直不動産』(小学館『ビッグコミック』連載中)
監督:川村泰祐
出演:山下智久、福原 遥、市原隼人、岩﨑大昇(KEY TO LIT) ほか
制作プロダクション:NHKエンタープライズ、テレパック
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 5月15日公開
●祠を壊した祟りによって、嘘がつけない体質になってしまった不動産営業マン・永瀬財地。正直すぎる彼に、謎の大規模開発計画をはじめ数々の難題が降りかかる!
©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館 ©2026 映画『正直不動産』製作委員会

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ダ・ヴィンチ 2026年6月号

チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)

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