日体大教授監修、運動0でお腹を凹ませる『脂肪燃焼食堂』とは? 脂質をコントロールして無理なく痩せるレシピ本【作ってみた書評】
PR 公開日:2026/6/11

ダイエット=糖質制限。いつの間にか、世の中ではこれが当たり前のように広まってしまった。しかし糖質制限は短期的な効果が注目される一方、極端な制限については長期的な安全性を懸念する声もある。私自身、糖質を制限してしまうと集中力が続かず、体力も保てず、仕事も生活もままならなくなる。同じように感じている人は、世の中にきっと多いはずだ。
そんな私が「これは続けられそうだ」と感じたのが、『日体大教授が教える 運動0でお腹が凹む!「脂肪燃焼」食堂』(岡田隆:監修、是友麻希:料理・栄養計算、八角卓克:監修協力/講談社)。糖質を敵視するのではなく、脂質を見直す――いまの主流とはあえて違う方向から「痩せる食事」を組み立てた一冊だ。本書から3品を実際に作ってみながら、本書の魅力と特色をお伝えしよう。
大盛りなのに低脂質「塩コン焼きそば」(p96)

和風塩ラーメンを1袋まるごと使った焼きそばで、こんにゃく150gとキャベツ200gでかさ増しをする一品。出来上がりは見た目から大盛りで、この時点で満足感はかなり大きい。
塩ラーメンのスープ&塩こうじがベースなので味はがっつりしっかりついていて、ニラが入ることで肉なしでもパンチのある風味が成立する。キャベツは加熱でかさが減るのでペロリと食べられてしまう。
それでいて脂質はわずか1.8g。麺を蒸し麺にして、こんにゃくと野菜で増量する――このシンプルな設計だけで、低脂質のままボリュームと満足感を両立できるレシピだった。
脂質カットで食べ応え抜群の「長芋の味噌ポテトサラダ」(p39)

マヨネーズを一切使わないポテト(長芋)サラダで、味噌・無脂肪ヨーグルト・粒マスタードで和える発想がいい。マスタードの酸味と粗く潰した長芋のシャキッとした食感が効いていて、油に頼らないのに食べ応えがしっかりある。あえて食感を残すことで噛む回数が増え、満足感が引き上がることも実感できた。
こちらも脂質3.0gとは思えない食べ応え。脂肪に頼らずにお腹を満たす一皿のお手本だと言っていい。
おつまみに・おやつに最高!「かにかまジャーキー」(p111)

3品のなかで、いちばん感動したのがこれ。かにかま1本をクッキングシートに載せて電子レンジで加熱するだけで、ジャーキーのような食感に変身する。水分が抜けて香ばしさが増幅され、かにかまが本来持っている魚のうま味がぎゅっと凝縮されるので、おつまみにも最高だ。
そしてカロリーはカニカマ1本でわずか18kcal、脂質は0.1g。水分を抜き切るとスナックのような食感にもなるため、午後のおやつにも置き換えが可能だ。
なお、レシピは「600Wで2分加熱」「パリパリになるまで様子を見つつ加熱」となっているが、筆者の環境だと2分でも焦げてしまうことがあったので、1分〜1分半以降はこまめに加熱するのが安全だと感じた。
糖質を敵視しない「脂肪燃焼食6カ条」という設計図
3品を作ってみて共通して感じたのは、脂質を落としているのに「物足りなさ」をほとんど感じさせない設計の巧みさだ。塩こうじや味噌、マスタード、ラーメンスープといった既製の調味料の力を借りつつ、こんにゃく・長芋・キャベツなどの食物繊維豊富な食材でかさを増やし、咀嚼回数が自然と増え、満腹感も充分感じられる。
その背景にあるのが、本書冒頭の「脂肪燃焼食6カ条」。糖質を敵視せず、脂質を適切にコントロールしながら、たんぱく質と食物繊維で満足感を担保するという考え方をまとめたものだ。具体的には、以下の6項目で構成されている。
①脂質の適正化
②脂質を意識したメニュー選び
③高たんぱく×低脂質
④高糖質×高食物繊維×低脂質
⑤水溶性食物繊維
⑥食べる順番
監修陣の顔ぶれを見れば、この設計思想の背景も見えてくる。監修の岡田隆氏はWNBFプロマスターズ世界一の実績を持つボディビルダーで、「バズーカ岡田」の名で知られる日本体育大学教授。料理・栄養計算の是友麻希氏は国内ボディメイク大会ファイナリスト、監修協力の八角卓克氏も神奈川県ボディビル選手権で優勝経験を持つ。脂質を落としつつ筋肉をしっかりつける食習慣を自分の身体で実証してきた人たちだ。彼らが共通して大事にしている食事を学べる――そう思うと、レシピの一つひとつに重みが出てくる。
無理なく「食べながら絞る」を仕組みにした一冊
本書の「はじめに」で岡田氏は、本書に「無理なく『食べながら絞る』ための仕組み」を詰め込んだと書いている。3品作ってみて、まさにこの言葉どおりだと感じた。塩こうじ、ニラ、マスタード、香ばしさ――うま味や食感、香りが、レシピの随所に効いていて、お腹いっぱいに食べられるのに、脂質は控えめで非常にヘルシー。しかも工程はレンチン・湯煎・混ぜるだけで完結するものが中心で、カット野菜や冷凍食材、コンビニ食材もフル活用できる。
糖質制限で集中力や体力が落ちて仕事に支障が出てしまった人、運動を続けて筋肉量を維持しつつ痩せたい人、そして子育てや仕事の忙しさのなかで「お腹いっぱい食べつつ続けられるダイエット」を探している人。そういう人にこそ、本書のレシピは強い味方になるはずだ。
文=古澤誠一郎
