死者を操る最強ネクロマンサーが、神と契約して復讐へ!爽快な成り上がりに引き込まれる『ネクロマンサーでレベルアップする聖者様』【書評】
PR 公開日:2026/5/29

死者や霊を蘇らせ、自由自在に操る降霊術。そんな力があるだけで最強に思えるのに、この男はこれからこの世界で一体何をしでかすのか。
そんな最強のネクロマンサーの活躍から目が離せなくなるのが、『ネクロマンサーでレベルアップする聖者様』(GLSUJER:原作、STUDIO INUS:作画/LINEマンガ)。異世界を舞台とした、スリル満点の復讐ファンタジーだ。
神々に殺されたネクロマンサーが、過去に戻って復讐を開始!

舞台は、突然発生したゲートから溢れ出すモンスターによって混乱に陥った世界。ゲートを攻略した者の中でも最も強い階級に属する7人のハンターは、神々の加護を受け、「七大名家」という一大勢力を築き、世界を支配している。この世界で初めて、死者や霊を蘇らせるネクロマンサーとなった知念凌牙もまたハンターとして最も高い階級に至ったが、その強さを恐れた七大名家と神々により命を狙われ、殺される。

だが、凌牙は敵の攻撃を逆手に取り、ゲートが開いたばかりの過去までタイムリープ。七大名家と神々への復讐のため、行動を開始する。

暴君クロノスと契約!? ネクロマンサー×聖者のチートすぎる力
知念凌牙は強すぎる。過去に回帰した後も、前世の知識を頼りに、再びネクロマンサーになる。それに、前世では神の加護を受けなかった凌牙は、現世では神の加護まで受けようとする。「俺の守護星になってくれたら復讐を手伝ってやるよ」――凌牙は、自分と同じく神々に恨みを抱くクロノスを蘇らせ、そう声をかける。クロノスは、かつて神の座を追われ、全てを奪われた存在だった。

ギリシア神話を知る者ならば、クロノスの名にハッとするはずだ。クロノスといえば、主神・ゼウスの父。ティターン神族の王として君臨しながらも、自分の子に王位を奪われることを恐れ、生まれた子どもたちを次々と飲み込んだ暴君である。だが、ただひとり隠れて育てられた末子ゼウスが、やがてオリンポスの神々を率いて反旗を翻し、クロノスはその座を追われることになった。そんな神を復活させ、契約を結んでも本当に大丈夫なのか。読み手の不安をよそに、凌牙はクロノスと手を組む。そして、クロノスは凌牙に聖力を操る聖者としての力を与えるのだ。
こうしてネクロマンサーの降霊術と聖者の神聖スキルを同時に使えることになる。だが、前世では九星という最強位のハンターだった彼も、過去に戻った今ではまだ底辺の一星という階級。ここから成り上がっていく必要がある。クロノスだって同じだ。他の神々に全てを奪われ、今や忘れられた名となった彼は力を失っていて、意外なことに、見た目も何だか小さくなって可愛くさえある。
爽快なレベルアップと不穏な復讐劇から目が離せない!
知念凌牙という最強の男が、今まで培ってきた知識を武器に、圧倒的スピードでレベルアップしていくさまはなんとも心地よい。だけれども、本当にこのままでいられるのだろうか。神々と七大名家を敵に回した復讐劇が、このまま順調に進むはずもない。戦いに身を投じていく凌牙とクロノスの姿にハラハラドキドキさせられ、読み進める手が止まらなくなる。それなのに、クロノスの思いがけない姿や、「夏葉原」「古宿」といったどこか見覚えのある意外な地名には、緊迫感の中で思わず吹き出してしまう。シリアスな復讐劇を軸にしながら、ふいに差し込まれるユーモアもまた、本作を読み進めたくなる魅力のひとつだ。

最強のネクロマンサーでありながら、聖者としての力まで手に入れた凌牙は、どこまで強くなるのか。彼とクロノスの復讐は、世界をどう塗り替えていくのか。爽快なレベルアップ、息もつかせぬ戦い、神々への不穏な復讐劇。そのすべてが絡み合う本作は、読み始めたら最後、凌牙の行く末を見届けずにはいられない一作だ。

ⓒGLSUJER・STUDIO INUS/LDF
文=アサトーミナミ
