本木雅弘・菅田将暉・宮舘涼太ら感激! 映画『黒牢城』がカンヌを圧倒、約1000人のスタンディングオベーションに
更新日:2026/5/22

第79回「カンヌ国際映画祭」の「カンヌ・プレミア」部門に正式出品された映画『黒牢城(こくろうじょう)』が、現地時間2026年5月19日(火)に公式上映。エンドロールが流れ始めるとともに約1,000人の観客が総立ちとなり、場内は割れんばかりの拍手に包まれた。
同作は、「このミステリーがすごい!」第1位をはじめ、史上初の4大ミステリー賞制覇を成し遂げた米澤穂信の人気小説を原作とする戦国ミステリー。暴虐な織田信長に反旗を翻して籠城を決行した城主・荒木村重(本木雅弘)が、地下牢に囚われた天才軍師・黒田官兵衛(菅田将暉)とともに、城内で巻き起こる怪事件の真相を追っていく。メガホンを取った黒沢清監督にとっては、キャリア初の時代劇作品でもある。

レッドカーペットに姿を見せたのは、日中のフォトコールにも登壇した本木雅弘、菅田将暉、青木崇高、宮舘涼太、黒沢監督の5名。タキシードを着こなし、昼間とは打って変わって引き締まった面持ちで、無数のフラッシュを浴びながら一歩ずつレッドカーペットを踏みしめていた。

公式上映が行われたのはその後のこと。会場となった「Salle Debussy(ドビュッシー・シアター)」には約1,000人の観客が集まり、上映前から熱気に包まれていた。しかし、本編が幕を開けると場内の空気は一変。閉ざされた空間で繰り広げられるヒリつくような“密室心理戦”に、観客たちは一様に息を呑み、会場は次第に張り詰めた緊張感に支配されていった。
そしてエンドロールが流れた瞬間、場内の空気が弾ける。約1,000人の観客が一斉に立ち上がり、鳴り止まない拍手が劇場を満たした。黒沢監督は本木や菅田らと固く握手を交わし、客席へ深々と一礼。一同はどこかほっとしたような表情を浮かべながら、圧巻のスタンディングオベーションを目に焼き付けていた。


なお、会場には是枝裕和監督をはじめ、濱口竜介監督、深田晃司監督、石川慶監督、岨手由貴子監督ら、日本映画界を代表する映画人たちも駆け付けた。現在開催中のカンヌ国際映画祭では、是枝監督の『箱の中の羊』、濱口監督の『急に具合が悪くなる』、深田監督の『ナギダイアリー』が「コンペティション部門」に選出されており、日本映画への注目度の高さをうかがわせている。
そんな名監督たちも見守る中、大喝采を浴びた『黒牢城』。上映後には、日本報道陣に向けた囲み取材が行われ、主演の本木雅弘は「時代劇という異文化をどんな風に解釈してくれるんだろうと、少し不安に感じていましたが、本作が伝える“現代へのメッセージ”を、セリフが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンに惹きつけられている姿を、確かに肌で感じました」と、瞳を潤ませながらコメントした。
また60歳にして初めて踏んだカンヌの地については「短い時間でしたが、一生語れる思い出ができたという『お伊勢参り』だったかな、と(笑)。上映会を終えて、一言では語り切れない喜びがありました」と語っている。
約1,000人総立ちのスタンディングオベーションを巻き起こした同作。日本の観客にどのような衝撃を与えるのか
一方、天才軍師・黒田官兵衛を演じた菅田将暉は、笑顔を見せながら「ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で観たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした」と率直な胸中を吐露。“世界の反応”については「想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした」と振り返っていた。
主人公に忠義を尽くす若手の家臣・乾助三郎を演じた宮舘涼太は、「すべてが初めての経験で、『カンヌに来ているな』という実感があります。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました。自分にとっても、メンバーに対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験ができました」と充実感を覗かせる。
上映中は終始緊張していたというが、「最後にいただいたスタンディングオベーションが本当に温かくて。会場全体の熱意も感じられるようなものだったので、映画祭を皮切りにようやく『黒牢城』が色々な方々に届けられたなと実感して、そこではじめて安心できました」と語っていた。
そんな中、「心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。本編が始まる前に、配給会社をはじめ関わった会社が映されるだけで拍手が起きたりするのは、カンヌ映画祭ならではだなと感じました」と穏やかに語ったのは、荒木久左衛門役を演じた青木崇高。「これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を、多分思い出すんじゃないかな、と思います。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当に嬉しい瞬間でした」と感慨深げな表情を見せていた。
そして6度目のカンヌ参加にして初の時代劇を送り出した黒沢監督は、「私のファンは、大勢の方がホラー好きなので、『これ、ホラーじゃないんだよな…。ガッカリされないかな』と、正直不安な想いで会場に入りました(笑)」と冗談交じりにコメント。
続けて「私自身は、日本の時代劇を届けるという気持ちよりは普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたら嬉しいな、と思いながら作った映画です」と作品への思いを明かし、「上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました」と笑顔を見せる。
さらに「カンヌをはじめ色々な映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。皆さんのおかげでこんな映画ができたことが何よりもこの経験につながっているんだな、と、しみじみ感じております」と胸の内を明かしていた。
なお映画『黒牢城』の全国公開は、2026年6月19日(金)を予定している。約1,000人総立ちのスタンディングオベーションを巻き起こした同作が、日本の観客にどのような衝撃を与えるのか。公開の日が待ち遠しい。
■映画『黒牢城』概要
配給:松竹
公開日:2026年6月19日(金)
コピーライト:(C)米澤穂信/KADOKAWA (C)2026映画「黒牢城」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kokurojo-movie/
