育休中に授乳しながら1億円? ちょる子氏の投資本が話題。6月の読書トレンドを「Billboard JAPAN Book Charts」で読み解く

文芸・カルチャー

PR 公開日:2026/7/16

 今、読書好きの間では“何が”読まれているのだろうか――。「Billboard JAPAN Book Charts」は、そんな疑問に応える複合書籍チャート。店舗やECでの書籍売上に加え、電子書籍、図書館での貸出、SNSでの話題性などを横断的に集計しており、読書トレンドの「今」を映し出していく。2026年6月のチャート(※)にも、読者の関心を集めた話題作が名を連ねているようだ。

※集計期間:2026年6月1日~2026年6月28日

ランキング目次
Book Hot 100
Culture
Economy

■Book Hot 100

「Book Hot 100」は、店舗・ECでの紙書籍の売上、電子書籍、図書館での貸出、SNSでの言及など複数の指標を合算して算出される総合チャート。人気コミックの新刊から文芸書、写真集までが同じ土俵で競い合う、「今読まれている本」の縮図だ。

〈第1位〉

『転生したらスライムだった件(コミック版)』32巻
『転生したらスライムだった件(コミック版)』32巻(伏瀬:原作、川上泰樹:漫画、みっつばー:キャラクター原案/講談社)

 店舗販売1位・電子3位と、紙とデジタルの両方で上位に立った『転生したらスライムだった件』のコミカライズ版。最新32巻では神聖法皇国「ルベリオス」が襲撃を受け、戦場と化す緊迫の展開が描かれる。2026年4月からはTVアニメ第4期の放送が始まり、同年2月には『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』も公開。長年メディアミックスが続く『転スラ』人気はいまだに健在だ。

〈第2位〉

『チェンソーマン』24巻(藤本タツキ/集英社)

 6月に刊行された『チェンソーマン』24巻は、第2部の最終巻にしてシリーズ全体の完結巻。デンジとアサ、戦争の悪魔・ヨルの物語が、ついに決着を迎えた。もともと高い人気を誇る作品だが、近年はその勢いがさらに加速。昨年公開の劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は興収100億円を突破し、その続編にあたる『刺客篇』のティザーPVも、公開からわずか2週間で700万回近い再生数を記録した。最新24巻も店舗2位、電子1位にランクインしており、その注目度の高さを改めて示す結果となっている。

〈第3位〉

『ダンダダン』24巻(龍幸伸/集英社)

『ダンダダン』は、超能力者の女子高生・モモ(綾瀬桃)と怪奇現象オタクのオカルン(高倉健)が、妖怪や宇宙人の入り乱れる怪奇バトルに挑む人気作。最新24巻では、小さくなったモモを元に戻す鍵となる“打出の小槌”を盗んだ怪盗忍者を追い、出雲に建つ城での攻防が描かれる。前巻も4月の総合チャートで5位にランクインしており、新刊が発売されるたびに上位へ食い込む常連となっている。今巻も店舗3位、電子2位と好成績を収め、その勢いが衰えていないことを印象付けた。

〈第4位〉

『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』22巻
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』22巻(日向夏:原作、倉田三ノ路:作画、しのとうこ:キャラクター原案/小学館)

『薬屋のひとりごと』のコミカライズ版は、『月刊サンデーGX』連載版と『月刊ビッグガンガン』連載版の2種類が展開されている。今回発売されたのは、ミステリー要素を重視した『サンデー』版だ。今巻では人の心を読み、金を生み出し、不老不死の薬を作るという白い髪と赤い目をした“仙女”の謎に、猫猫と義兄の羅半が挑む。TVアニメ化に続いて劇場版の公開も控える人気シリーズならではの勢いで、本チャートでも店舗5位、電子4位と高い支持を集めた。

 総合チャートの上位には6月刊行のコミック新刊が並んだが、その一方で存在感を放っていたのが文芸作品だ。6月5日に刊行された辻村深月の長編ミステリー『ファイア・ドーム 上』が5位に初登場し、『ファイア・ドーム 下』も9位にランクイン。執筆開始から7年かけた注目作で、ブクログやnoteなどへの投稿数をもとにしたSNS指標では、上巻が1位を獲得した。

 また4月、5月の総合チャートで3位だった朝井リョウの『イン・ザ・メガチャーチ』は、今回6位となったものの、SNS指標では2位につけるなど注目を集め続けている。総合チャートはコミックが上位を占める傾向にある中、文芸作品2作が存在感を示した背景には、感想や考察をSNSで共有する楽しみ方の定着も関係しているのかもしれない。

★朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』。生活を切り詰め、舞台俳優の「推し活」に励んできた35歳の女性。ある日、思わぬ報道が…【書評】

〈インタビュー〉“今の時代、人を動かすものは何なのか”――『イン・ザ・メガチャーチ』を通じて朝井リョウが問う、人間にとっての推進力とは【WITH BOOKS】

■Culture

「Culture」は、写真集やエッセイ、人文書などカルチャー関連の書籍を対象とするチャート。アイドル・アーティストの写真集から哲学の入門書まで、顔ぶれの幅広さが特徴となっている。

〈1位〉

『中島颯太 2nd写真集「THE SELF」』
『中島颯太 2nd写真集「THE SELF」』(中島颯太(FANTASTICS)/幻冬舎)

 幻冬舎とLDH JAPANによる連続刊行プロジェクト「GL-9 ~FANTASTICS BOOKS~」の第4弾として6月に発売されたFANTASTICS・中島颯太の2nd写真集。初めて訪れたヨーロッパでオール撮り下ろしを敢行した一冊で、本人がカメラを手に撮影した「#SoTaCaMeRa」の写真も収録されている。指標を見ると、ECでは1位を獲得した一方で、店舗は19位にとどまり、ネット通販での購入が目立つ結果となった。発売記念イベントも展開されており、そうした施策も好調なチャートを後押ししたと考えられる。

〈2位〉

『BULLET TRAIN ALOHA&HARU CONCEPT PHOTO BOOK アイハヨルノイロ』
『BULLET TRAIN ALOHA&HARU CONCEPT PHOTO BOOK アイハヨルノイロ』(アロハ&ハル(超特急)/主婦と生活社)

 今年で結成15周年を迎える「超特急」から、年下組の“アロハル”こと髙松アロハ(※「髙」は「はしごだか」)と柏木悠のコンセプト写真集が2位にランクイン。「夜」をテーマにした写真集で、さまざまなシチュエーションをバックに、普段はあまり見られない貴重なショットが収録されている。5月末の刊行直後、わずか数日分の集計ながら前月のチャートで5位に浮上し、丸ひと月分が反映された今月は2位へとランクアップ。こちらも店舗15位、EC2位と通販での購入が目立ち、ネット通販を中心とした購入傾向が改めて浮き彫りとなった。

〈3位〉

『PRODUCE 101 JAPAN 新世界 FAN BOOK』
『PRODUCE 101 JAPAN 新世界 FAN BOOK』(PRODUCE 101 JAPAN/ワニブックス)

『PRODUCE 101 JAPAN 新世界 FAN BOOK』は、JO1やINI、ME:Iを誕生させたサバイバルオーディション番組のシリーズ第4弾「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」の公式ファンブック。第1回順位発表式までの舞台裏やオフショットを1400枚以上の写真で収めるほか、ファン垂涎のコンテンツも多数収録している。番組は6月6日にFINALを迎えたばかりで、6月17日の発売は番組の盛り上がりをそのまま受けたタイミングとなった。

〈4位〉

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆/集英社)

「新書大賞2025」の大賞に輝いた話題作が、2024年4月の刊行から2年以上経った今も4位にランクインしている。累計30万部を突破した同書は、明治から現代までの労働と読書の歴史をひもとき、「仕事と趣味が両立できない」苦しみの正体を探る内容だ。2025年末以降から「Culture」チャート上位に君臨しており、今回もサブスク指標で2位、SNS指標でも3位と、長く読み継がれていることがうかがえる。なお三宅香帆が手掛ける『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』も13位にランクインしており、同氏への根強い支持がチャートにも表れた。

〈インタビュー〉三宅香帆、言葉を伝えることと残すことへの想い/ 「出版」と「音楽」の新たな交流から見出す在り方とは【WITH BOOKS】

〈5位〉

『自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学』
『自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学』(しんめいP:著、鎌田東二:監修/サンクチュアリ出版)

 メディアプラットフォーム「note」で話題を呼んだ記事「東洋哲学本50冊よんだら『本当の自分』とかどうでもよくなった話」を書籍化した、2024年4月刊行の東洋哲学入門書。ブッダ、龍樹、老子と荘子、達磨、親鸞、空海といった7人の哲学者の教えを、東大卒ながら無職を経験した著者・しんめいPがユーモラスに超訳していく。過去2カ月はいずれも「Culture」チャート9位だったが、今月は5位へとランクアップ。発売から2年以上が経った今も、サブスク指標3位、SNS指標4位と高い水準を維持しており、「自分探し」に疲れた現代人の共感を集め続けていることがうかがえる。

 ちなみに過去には雑誌『ダ・ヴィンチ』の人気連載企画「あの人と本の話」で、俳優の加藤ローサが“おすすめの本”として同書を紹介したこともあった。

★加藤ローサさんが選んだのは東洋哲学の一冊。哲学者の紹介が面白い「ブッダは超ハイスペックな引きこもり、空海は陽キャ」【インタビュー】

〈6位〉

『介護未満の父に起きたこと』
『介護未満の父に起きたこと』(ジェーン・スー/新潮社)

 人はいきなり「要介護」になるわけではない――。『介護未満の父に起きたこと』は、コラムニストのジェーン・スーが、日常生活に“黄色信号”が灯った82歳父との5年間を振り返った一冊だ。Webメディア「考える人」の連載「マイ・フェア・ダディ」を書籍化したもので、刊行後はNHKの情報番組『あさイチ』への出演も話題を集め、累計12万部を超えるヒットになった。今回のチャートではサブスク指標1位を獲得し、4月は1位、5月は2位と高順位を維持。息の長い注目を集めていることが数字からもうかがえる。

 6月の「Culture」チャートは、上位を写真集・ファンブックが、その下を読書論やエッセイが固める構図となった。象徴的なのは購買ルートの違いで、トップ2の写真集はいずれもEC指標1位、2位を獲得。確実に手に入れたいファンの需要が、通販への集中という形で表れたのかもしれない。一方、刊行から時間の経った新書やエッセイは、図書館を通じて長く読まれる傾向が見られ、ジャンルによって異なる読まれ方が浮き彫りとなった。

■Economy

「Economy」は、経済・社会をテーマにした書籍を対象とするチャート。硬派なビジネス書から一般社会人向けのマネー本といったラインナップが大多数で、働く人たちの関心事が映し出されている。
 

〈1位〉

『本当の自由を手に入れる お金の大学』
『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長/朝日新聞出版)

 大人気YouTubeチャンネル「両学長 リベラルアーツ大学」から生まれた「お金の教養」の定番書が、4月と5月に続いて「Economy」の首位に輝いた。2020年6月の刊行から6年、累計140万部を超える同書は、貯める・稼ぐ・増やす・守る・使うという「5つの力」を軸に、固定費の見直しから資産運用までをフルカラーの図解で示す実践型ガイドだ。今月も店舗4位に加え、サブスク指標は5月から2カ月連続の1位を獲得。刊行から時間が経った今も新たな読者を獲得し続けており、お金の基礎を体系的に学びたいというニーズの強さがうかがえた。

★副業の事業所得なら年間70万円以上も手取りに差が出ることも? 老後の不安を減らせる「お金の教養」

〈2位〉

『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』
『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ちょる子/ダイヤモンド社)

 今月の「Economy」チャートで大きく順位を伸ばしたのが、『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』だ。5月の刊行直後は51位だったが、丸ひと月分の集計が反映された今月は一気に2位へと浮上。著者のちょる子氏は、育休中に株式投資へ本格参入し、わずか2年で資産1億円を築いた異色の兼業投資家。同書では元手240万円から資産4億円超を築くまでの軌跡と、大型株の逆張りを軸にした投資手法を、具体的な取引事例とともに明かしている。「授乳しながら月1000万稼ぐ!」と銘打たれたその投資術とは? 発売前から予約が殺到して重版が決まった話題作で、ちょる子氏はテレビの経済番組からYouTubeまで露出を拡大中。店舗指標で1位を獲得した背景には、こうしたメディアでの露出拡大も追い風となったのかもしれない。

〈3位〉

『頭のいい人が話す前に考えていること』
『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉/ダイヤモンド社)

 2023年4月に刊行され、2023年・2024年と2年連続でビジネス書の年間ベストセラー1位(日販・トーハン・オリコン調べ)に輝いたロングセラー。コンサルタントとして1万人のビジネスパーソンと向き合ってきた著者・安達裕哉が、話し方のテクニックではなく「話す前にどれだけ立ち止まれるか」という思考の質の高め方を説いていく。同書は「Economy」チャートの上位常連書籍でもあり、サブスク指標は3カ月連続で1~2位と首位を争っている(今月は2位)。刊行から3年が経った今も図書館での貸出が伸び続けることから、コミュニケーション本の定番として絶大な支持を得ているのだろう。

★「すぐ反応しない」「言葉を選ぶ」「整理する」…明日から実践できる「頭のいい人」の考え方と話し方

 マネーと思考法の定番書が上位を占めた今月の「Economy」。特に印象的なのが、投資関連書の層の厚さだ。前述した書籍のほかにも、25位に『5年で1億貯める株式投資』、33位に『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』など、資産形成をテーマにした書籍がランクインしている。日経平均株価の上昇や円安の進行が続く中、資産形成への関心の高さが、チャートからもうかがえる結果となった。

 一方、昭和時代に刊行された書籍を対象とする「Showa」チャートでも、時代を超えて読み継がれる定番作が上位を占める結果となった。1位は綾辻行人の長編推理小説『十角館の殺人』、2位はミヒャエル・エンデの名作児童書『モモ』、3位は有吉佐和子による幻の名作長編『青い壺』と、今なお世代を超えて支持される作品が並んでいる。

 今回紹介したもの以外にも、文芸やマンガ、平成・令和の年代別チャートなど多彩なカテゴリーを展開している「Billboard JAPAN Book Charts」。ランキングを眺めているだけでも、新たな本との出会いがあるはずだ。ぜひ本チャートを参考に、この夏に読みたい一冊を探してみてほしい。

★「Billboard JAPAN Book Charts」公式サイト

転生したらスライムだった件(32) (シリウスコミックス)

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チェンソーマン 24 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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ダンダダン 24 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(22) (サンデーGXコミックス)

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中島颯太 2nd写真集『THE SELF』【電子限定アザーカット付き】 (幻冬舎単行本)

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BULLET TRAIN ALOHA&HARU CONCEPT PHOTOBOOKアイハヨルノイロ

【特別版】PRODUCE 101 JAPAN 新世界 FAN BOOK 限定カバーver. (ヨシモトブックス)

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)

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自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学

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介護未満の父に起きたこと(新潮新書)

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【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学

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ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資

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頭のいい人が話す前に考えていること

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