松平健も絶賛「シルバー川柳」シリーズ第16弾「ナフサより フサフサな髪 不足中」老いも世相も切なさも“笑い”に変える!

文芸・カルチャー

更新日:2026/9/9

シルバー川柳16 忘れてもポチが知ってる帰り道
『シルバー川柳16 忘れてもポチが知ってる帰り道』(公益社団法人全国有料老人ホーム協会:編集、古谷充子:イラスト/ポプラ社)

 今年で第26回を迎えた「有老協・シルバー川柳」。その入選作を収めた累計102万部超の人気シリーズ最新作『シルバー川柳16 忘れてもポチが知ってる帰り道』(公益社団法人全国有料老人ホーム協会:編集、古谷充子:イラスト/ポプラ社)が、2026年9月9日(水)に刊行された。

「有老協・シルバー川柳」は、公益社団法人全国有料老人ホーム協会が2001年より毎年行っている川柳企画。高齢社会や高齢者の日々の暮らしを題材にしており、自作の未発表作品であれば誰でも応募できる。第26回は1万6598句の川柳が集まり、前年から1300句以上も増加。応募者は最年少8歳から最高齢104歳までと幅広く、なかでも40歳未満の応募が男女とも伸びた。

 年々盛り上がりが広がる同企画から、選りすぐりの川柳を集めて構成されたのが「シルバー川柳」シリーズ。16作目となった今回は、今年の入選作20句と前年の応募作から選ばれた68句、そして「有老協賞」の作品を合わせた計89句が収録されている。

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 毎年、時事ネタにちなんだ句が多く寄せられる傾向があり、今回とくに目立っていたのが、日常に溶け込みつつある新しいテクノロジーに関する作品だ。たとえば「あれあれじゃ 分かりませんと 言うAI」「セルフレジ ゆっくりしゃべれ オレはひま」「ばあちゃんが お掃除ロボに 道譲る」など、AIや無人化と格闘する日々がクスッと笑える句に昇華されている。

シルバー川柳16

 ほかにも、全国で出没が相次いだクマを妻への警戒に重ねた「クマ注意 ワシは絶対 ツマ注意」や、プラスチックなどの原料となるナフサの供給不安にちなんだ「ナフサより フサフサな髪 不足中」など、世間を騒がせたニュースを身近な出来事に落とし込んだ川柳も印象的。

シルバー川柳16

 もちろん定番の加齢ネタも健在で、「加齢です 言われなくても 知ってます」「ありのまま 映るミラーは ホラーです」「ウオーキング 右折し左折し すぐ挫折」など、老いを笑い飛ばす句が盛りだくさんだ。

シルバー川柳16

 さらに、前年の応募作から選ばれた秀逸な句の数々も見逃せない。米の値上がりを詠んだ「米寿だが 米が高くて 買えません」、世界中を騒がせた関税問題を取り上げた「関税も 痛いが関節 なお痛い」、サステナブルを自分に重ねた「欲しいのは 持続可能な 記憶力」など、2025年を象徴するニュースに絡めた作品が目立っている。

 そして、今年の「有老協賞」に選ばれたのは「イケメンを 見つけ紅差す 老ホーム」。歳を重ねても元気に楽しめる内容で、有料老人ホームでの暮らしを題材にするという同賞の条件にぴったりの一句である。ときめきに年齢制限はない――そんなことを思わせてくれる作品だ。

シルバー川柳16 有老協賞

 俳優の松平健も絶賛する同書は、老いも世相も笑いに変えてしまう、まさにカーニバルのような一冊。肩の力を抜いて楽しめる『シルバー川柳16』を、手に取ってみてほしい。

イラスト=古谷充子

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