あさとー・みなみ●1989年、新宿生まれ。慶應義塾大学大学院在中のフリーライター。時々、モデル。純文学やビジネス本から漫画、ライトノベルまで、幅広く本を愛し、大学院では「本屋のリデザイン」の研究を進めている。これからの時代の本との出会いを演出し、人が本で熱狂する空間を作り上げようと、現在、奔走中。
「あやしうこそものぐるほしけれ」。かつて、兼好法師は、文章を書くことをそう表現した。確かに、文章は書き続ければ書き続けるほどに、何かに取り憑かれたかのような昂…
小説・エッセイ
2015/3/20
自分の世界の法律となるのは、普通ならば、第一に自身の矜持だろう。だが、矜持は人を強くすれば、弱くもする。そればかりに固執しないところに、本当の強さがあるかもし…
小説・エッセイ
2015/2/19
自らの人生を「ヒーローにもヒロインにもなれない脇役人生」と嘲笑う者の多くは、本当は、舞台にすら上がっていないのかもしれない。「自分の人生を歩む」のは、どうして…
小説・エッセイ
2015/2/17
他者に無関心な都会と違って、遠慮も配慮もなく、言の葉をダイレクトにぶつけ合う場を田舎と呼ぶのだろう。言葉のドッヂボール。無骨さに募る苛立ち。閉鎖的な空間で感じ…
小説・エッセイ
2015/2/9
「大人」という存在は、子供が生み出した幻想に過ぎないかもしれない。年を取るたびにそんな風に思ってしまうのは、自分が子供の頃憧れていた大人になれていないためだろ…
小説・エッセイ
2015/1/6
毒々しくも美しい夕焼けを見ながら世の中にあるものは全て人間にとって害なんじゃないか、今日という日は今日以上の明日を経験しにくくしているのではないかという気がし…
小説・エッセイ
2014/11/28
時はアイドル戦国時代。AKBグループに、ももいろクローバーZ、モーニング娘。’14、9nine、でんぱ組inc、ベイビーレイズ、BABYMETAL、東京女子流など、挙げればきりがない…
2014/11/19
「諦める」というのは、仏教的には、「悟る」という意味を持つという。そう聞けば、意地を通すことばかりが正しいのではないのだと気がラクになった心持ちがするだろう。…
小説・エッセイ
2014/11/11
この前、中学まで3人しか同級生がいなかったという地方出身の男性と話す機会があった。自然に囲まれた村で生まれ育った彼の性格はおおらかで漂わせる雰囲気が彼の故郷を彷…
小説・エッセイ
2014/11/4
吐瀉物にまみれた終電の車両から解放され、ようやく地元の駅で深呼吸したというのに、外の空気はなぜだか酷く不味かった。淀んだ空気が恋しくすら感じる。もしかしたら、…
小説・エッセイ
2014/11/3
生まれ変わったら、ミノムシになりたい。お気に入りの木の枝にぶら下がって、ぬくぬくと何もせず、ただ春だけを待ちわびたい。部屋の中では何でも好きなことし放題。これ…
昆虫
2014/11/2
当たり前のことを当たり前に主張することがとてつもなく難しいことがある。そういう時に、人は口を閉ざし、現実を仕方なく受け入れてしまいがちだ。だが、彼女は違った。2…
小説・エッセイ
2014/10/31
「かわいそうね」という発言は、相手への浅はかな理解を示す言葉。その言葉を発した本人は、表面を撫ぜただけで相手を分かった気になって、憐憫している自らに自己陶酔し…
小説・エッセイ
2014/10/21
人生、晴天ばかりではなく、大雨が降る日も大荒れの日もある。そんな時を変えることも出来ずに、どしゃぶりの道の真ん中で呆然と立ちすくんでしまうことだって少なくはな…
小説・エッセイ
2014/10/16
たとえ、夢の中でも、普通の人間は、赤信号は渡らず、車道には飛び出さず、憎たらしい奴の前でも微笑みを忘れないものである。そんな姿をいじらしく思いつつも、その意気…
マンガ
2014/10/13
「人とは違う自分でありたい」と願うものの、それは健康面においては当てはまらない。自分の体調に変化が訪れるたびに、他の人と同じ身体の構造を持っていることへの安堵…
小説・エッセイ
2014/10/11
「今後の活躍をお祈りしております」という不採用通知が毎日何通も届き、気が滅入りそうになるが、悩んでいるヒマもない。面接の予定やエントリーシートの締め切りでスケ…
ブラック企業
2014/10/7
「曲がり角の先には、きっと一番良いものが待っているの」。毎日想像の翼を広げていた朝の時間が恋しくてたまらない。朝の連続テレビ小説『花子とアン』が終了して、「花…
小説・エッセイ
2014/10/2
ねじれてどうしようもなかったクセ毛が美容院でまっすぐに伸ばされていくのを見るにつれて、心にもそんな風にストレートパーマがかけられればどんなにラクだろうかと思わ…
心理
2014/9/30
「アイマイミー」「ヒーヒズヒム」「シーハーハー」と唱え続けたところで、ダラダラの継続は力にはならなかった。少なくとも中高合わせて6年間は英語と向き合ったはずだが…
TOEIC
2014/9/22
秘密が秘密でありつづけることなど不可能だ。その重みを抱えた人間はどこかでそれを打ち明けたくてたまらなくなる。とはいえ、誰でも良いわけではない。「この人なら信じ…
コミュニケーション
2014/9/21
「空気を読め」と言われても、透明で見えない。「人の顔色を伺え」と言われても、どの者も大差ない顔色。相手が変われば、態度を変えなくてはならないとか、時と場合によ…
インターネット
2014/9/13
日曜日の夜のTwitterは「会社やめたい」「仕事したくない」というツイートで真っ黒に埋め尽くされている。愚痴で世間が大気汚染されているようにさえ見える。全世界に向か…
サラリーマン
2014/9/4
「もう現在の境遇には耐えられない。これまで何度自殺しようと思ったか知れない。いまの状態から一刻も早く私を救い出して」。こんなにも情熱的な恋文を書いたことがある…
小説・エッセイ
2014/8/24
「名月をとってくれろと泣く子かな」という俳句を思い出しながら、大人だって同じようなもので、月が、火星が、土星が、太陽が、すべて自分の手に入るように無邪気に思っ…
SF
2014/8/21
「理不尽」という言葉の本当の意味を知ったのは、社会人になってからだった。オカシイことを指摘すればする者ほど、会社での居場所を追われ、益々不条理な目に遭うのは目…
ノンフィクション
2014/8/20
昔住んでいた部屋に今は別の人が暮らしているなんて想像できない気がしていたが、ベランダに干された知らない誰かの洗濯物を見たとき、ああ、別に何も寂しがる必要なんて…
小説・エッセイ
2014/8/17
手相にも姓名判断にも予想されないような自分でいたい。私は私だけのオリジナルの私であって、誰であろうと、自分の思考やこれからの人生をピタリと当てることなどできな…
小説・エッセイ
2014/8/15
「人間よりは金のほうがはるかに頼りになりますよ。頼りにならんのは人の心です。」という尾崎紅葉の言葉を思い出す。金は揺るぎなく、その額だけの力を持つが、人はどう…
小説・エッセイ
2014/8/13
「あんたは、恋愛マーケティングが下手なのよ。自分の強み、弱みを分析した上で、男の新規開拓し続けなきゃ、一生結婚できないよ?いくつだと思ってんの? もう高校生じゃ…
小説・エッセイ
2014/8/11
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