おかのひろふみ●1955横浜生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。白水社にて演劇雑誌「新劇」の編集長をへて独立。演劇のことにもちょっと詳しい。『サファリ』『デジタルテレビガイド』『アサヒ芸能』『ハヤカワミステリマガジン』などに節操なくいろいろなものを連載。著書に国内外50本の名作戯曲を詳解した『高校生のための上演作品ガイド』(白水社)や、20世紀のベストセラーと話題本100冊を縦横に語った爆笑対談書評『百年の誤読』(ちくま文庫)、『百年の誤読 海外文学編』(アスペクト)、『読まずに小説書けますか 作家なるための必読ガイド』(メディアファクトリー)がある。 ⇒岡野宏文さんの本棚はこちら
私は難治性鬱のためもう30年から病院に通っている。鬱というのは気分が極端に沈む病気と理解されているが、実は身体症状も伴うのであり、少なくとも私の場合は体の変調も…
ドラッグ
2014/4/21
油断をしていると、くさぐさのものが帰ってきてしまうこの世界はくすぐったい。 「帰ってきたウルトラマン」。帰ってくるぐらいならなぜ行ったのか。むしろ「帰ってこない…
小説・エッセイ
2014/4/16
中村うさぎの初めてのホラー短編集だ。 ホラーにはいくつかスタイルがあって。血みどろグチャグチャのミート感覚のもの。これは読み手の生理にうったえてくる。身体なんて…
小説・エッセイ
2014/3/14
銀座のホステスをやめ、娘と2人暮らしを始めた著者は、ミクシィにブログを開設したところ、読者が1,000人を超え喜んでいたが、山田という男性からオフで会いましょうとい…
インターネット
2014/2/28
従来、犯罪というのはほとんどの場合、人と人とが直接にふれあって発生するものであった。暴行、殺人、傷害、詐欺、スリ、横領や万引きでさえ人の目を欺くという形で他者…
IT
2014/2/25
一頃、「自分探し」という言葉が、吹き荒れる紅蓮の炎のように列島に渦巻いていた。道を行けば角ごとに自分を探している人がいた。『わたしを見かけませんでしたか?』(…
小説・エッセイ
2014/2/15
今や巨匠ともいえる筒井康隆の初期短編を集めた1冊だ。 一時期30冊40冊の文庫本が書店に並んでいた頃、片端から買い込んであまりの面白さにうなりながら読みに読んだもの…
小説・エッセイ
2014/2/9
宮崎アニメのもっとも魅力的な点は空を飛ぶことだ。それもただ飛ぶのではなくて、滑空という、あたかも無重力を思わせる飛行のイメージにその中心はある。 『風の谷のナウ…
小説・エッセイ
2014/2/8
昨年『死霊のはらわた』という映画が公開されたが、あれはリメイクである。オリジナルの『死霊のはらわた』は『スパイダーマン』で有名なサム・ライミ監督の手になるもの…
マンガ
2014/2/6
当たり前の話だが、昼間は明るい。これまた当然の話だが夜は暗い。 暗い夜には星が空を埋めている。あの星たちは太陽と同じように燃えている天体だ。太陽がいっぱいという…
IT・科学・医学
2014/1/28
この本は、『青い花』や『放浪息子』がテレビアニメ化された志村貴子の、デビュー作『ぼくは、おんなのこ』ほか8編をふくめた作品集だ。 1999年に地球に大カタストロフが…
マンガ
2014/1/24
アタシャね、村上春樹読んでますよ、いちおうね。でもね、わっかんねーっちゅうの。なにが書いてあんだい、あれってさ。 『風の歌を聴け』。なんでラジオのディスクジョッ…
2014/1/13
スノーボールという玩具がある。 球体のガラスの中にミニチュアの家がしつらえられており、逆さにしたり振ったりすると、白い澱のような小片が優雅に膨らんで球体の中を満…
小説・エッセイ
2014/1/8
昭和13年、岡山県の小さな村で、「津山30人殺し」という凄惨な大量殺人事件が起きている。5月21日の深夜、かねてから犯行を準備していた同村在住の青年都井睦雄が、祖母の…
マンガ
2013/12/27
「屍(しかばね)は活ける師なり」 作中でつぶやかれるこのフレーズがこのコミックのキーワードである。 本当は臨床医になりたい犬飼一が成績不振のため意に染まぬまままわ…
ドラマ
2013/12/16
マイケル・ケンナの『Retrospective』という写真集が好きだ。人のいない風景ばかりを、たぶん赤外線写真でけぶったような荒い粒子の中に切り取った、モノクロの、幻想的な…
建築
2013/12/13
昭和30年生まれの僕は、いわゆる日本映画全盛期に小学生を過ごした。萬屋錦之介も片岡知恵蔵も美空ひばりも『雲の上団五郎一座』も『座頭市』も『眠狂四郎』も、みんなオ…
映画
2013/12/10
「猫にかまけて」、「猫のあしあと」、に続く猫エッセイの第3弾。 自宅に6匹、仕事場に2匹の猫をかかえる著者は、猫たちがもっと暮らしやすくなれるよう、伊豆半島の一軒…
小説・エッセイ
2013/11/27
文学作品に出てくる変な名前の生き物ベストスリーが私の中にはある。 □1.ごびらっふ 詩人草野心平の作品に登場する、おそらくは蛙の名前。「ごびらっふの独白」という詩で…
小説・エッセイ
2013/11/24
私は前世でよほど悪いことをしたのか、いまだにUFOを目撃したことがない。目撃どころか世の中にはUFOにさらってもらった人さえいるというのだから私はUFOによほど嫌われて…
2013/11/23
TULLY’COFFEEの「マンゴータンゴスクワール」というのがなかなか美味しいですな。100%マンゴージュースの上からマンゴーピューレをぶっかけるという恥知らずの蛮勇で、お…
小説・エッセイ
2013/11/21
スペインに住んでいる私にすら、東北楽天ゴールデンイーグルスの初のリーグ制覇、次いで日本シリーズの優勝は力強く伝わって来ました。ネット上の様々な記事やコメントに…
スポーツ
2013/11/19
今やフルマラソンは2時間4分台を超え、2時間3分台の熾烈な戦いが繰り広げられている。なぜ、あんなにも早く走れる人がいるのだろう? 走れない人が大半の人間社会だか…
オリンピック
2013/11/18
いつぞや小林多喜二の『蟹工船』という小説がベストセラーにのぼったことがありました。若者たちの働く環境が、あの作品の世界ととても似ていたものだから、ひどく共感を…
企業
2013/11/15
「入浴の女王」にして江戸風俗のご意見番たる故・杉浦日向子先生によりますと、江戸はパラダイスだったらしいですな。 100万の人口が暮らす一大都市の江戸の経済は大変発…
小説・エッセイ
2013/11/13
ワチシたちは「難病もの」が好きだ。 堀辰雄&宮崎駿の『風立ちぬ』も難病ものだし、自叙伝のベストセラーも難病ものが多い。思い出したくないが『世界の中心で、愛をさけ…
小説・エッセイ
2013/11/12
21世紀初頭、14歳から16歳の少女達を突然死が襲い、数十分から半日のうちによみがえって、人間を食らう怪奇現象が発生した。誰もがステーシーと呼んだこの死体を永遠に葬…
小説・エッセイ
2013/11/2
村上春樹が芥川賞を取っていないことにはびっくりするが、同じくらい信じられないのは筒井康隆が直木賞を取っていないことだ。 候補にはなっているのである。だが受賞でき…
小説・エッセイ
2013/10/29
ふつう辞書は引くものだ。読もうという人はあまりいない。 小説と違って、ストーリーがないからだ。 でも、読みようによっては、辞書にだって豊かなストーリーがある。と…
言葉
2013/10/27
「アルキヘンロズカン」は、たぶん「歩き遍路図鑑」のことで、四国88ヵ所を歩いてめぐるお遍路の道程を図鑑のようにして描き出すという意味だろう。「ズカン」が「頭寒足…
マンガ
2013/10/26
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深夜残業でクタクタ…。部屋に入った瞬間、くろべぇ布団に倒れ込み朝を迎える/ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話6 ⑥
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正体を知らずに王子がダンスに誘った女性は?/身に覚えのない理由で婚約破棄されましたけれど、仮面の下が醜いだなんて、一体誰が言ったのかしら?⑤
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10万部突破 養老孟司氏の集大成的1冊。変化し続ける世界をうまく生き抜く哲学本『ものがわかるということ』
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花澤香菜、小林千晃らでTVアニメ化『花野井くんと恋の病』。恋を知らない少女と愛が重いピュアな少年のラブストーリー