おかのひろふみ●1955横浜生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。白水社にて演劇雑誌「新劇」の編集長をへて独立。演劇のことにもちょっと詳しい。『サファリ』『デジタルテレビガイド』『アサヒ芸能』『ハヤカワミステリマガジン』などに節操なくいろいろなものを連載。著書に国内外50本の名作戯曲を詳解した『高校生のための上演作品ガイド』(白水社)や、20世紀のベストセラーと話題本100冊を縦横に語った爆笑対談書評『百年の誤読』(ちくま文庫)、『百年の誤読 海外文学編』(アスペクト)、『読まずに小説書けますか 作家なるための必読ガイド』(メディアファクトリー)がある。 ⇒岡野宏文さんの本棚はこちら
もう30年も前の話、演劇雑誌の編集長をしていた僕は、芝居を見て打ち上げに出ると、またたく間に横浜に帰る終電を逃し、月2回くらいは仕方ないと社からいわれていたタクシ…
裏社会
2013/10/22
シェイクスピア劇は面白うござんす。登場人物があんなにおしゃべりでなければ。「ただいま」というだけに30行、「ぶちぎれた」というためだけに40行、とっととせい夜にな…
小説・エッセイ
2013/10/20
テラヤマシュージって誰? という人がもしかしているだろうか。名前聞いたことあるけど、どこかのお寺の修行僧かしらなんて人も。我修院達也とどう違うの、などと言い出す…
小説・エッセイ
2013/10/17
僕は食べるものにそれほどこだわらない。というかほとんど無頓着だ。というかやさぐれている。 行列に30分も40分も並んでまでうまいものを食べるなんていやだ。だいいちそ…
グルメ
2013/10/10
東日本大震災のあった日。わたしは横浜の自宅にいた。震源から遠く離れた横浜でさえ相当の揺れを感じ、向かいがわの中学校の屋上プールから、あおられた水が外へこぼれだ…
ノンフィクション
2013/10/6
つらいことや悲しいことがあって、気持ちがくぃーんと落ち込んだとき。さあどうするかですよね。 よくこういうことを言います。パアッと遊んで発散しちゃいなさい。楽しい…
マンガ
2013/10/4
人はよそさまの不幸がたいそう好きだ。 落第、失恋、離婚、その他もろもろ向こう三軒両隣の出来事でないならば、「まあ、やーねえ」とか眉をひそめていいながら、どこか浮…
夫婦
2013/9/30
頭のよい人には2種類ある。 ひとつは記憶力のいい人。見たり読んだりしたことをどんどん記憶してしまう。日本史や世界史が得意で、年号や出来事を端から覚えることができ…
小説・エッセイ
2013/9/29
70年後半から80年代にかけて、全国民を巻き込んだ一大UFOブームを仕掛けた矢追純一は、かつてこう言った。 「世の中がせせこましくなってきて、誰もがうつむいて歩いてい…
オリンピック
2013/9/17
テレビの封印ストーリーを書いていたのは森達也だが、こちらはAVである。機器の方のAVでなしに、大人のビデオ、なんぼのこっちゃのアダルトビデオのAVだ。封印ということ…
AV
2013/9/14
本を読んで原稿を書くとき、一番困るのは僕の場合その本が面白すぎたときだ。つまらない本なら楽ちんで、欠点数えて連ねるか、万一義理のある版元さんからのお願いだった…
マンガ
2013/6/30
第一次世界大戦勃発前夜のヨーロッパが主な舞台。養父とともにブタペストで貧しく暮らす少年ジョルジェは異能の持ち主であった。養父の死後「顧問官」と呼ばれるアルトゥ…
小説・エッセイ
2013/6/23
舞城王太郎の小説って「なんや、ワカラン」といわれることが多々ある。特に本作『獣の樹』はどう解釈していいかさっぱり見当がつかない、そんな声も漏らされたりしている…
小説・エッセイ
2013/6/3
場所は多摩川のほとりにあるプリザーブドフラワーショップ。プリザーブドフラワーとは、生花の如き状態で保存された花、人間でいえば蝋人形、いやエバーミングかな。とも…
小説・エッセイ
2013/5/27
男2人と女がひとり、孤島で暮らしている。男のひとりは「議長」、もうひとりが「オペレーター」、女は「副議長」とそれぞれ呼び合っている。ときどき小さな船で物資が届く…
マンガ
2013/5/26
私はある時期までキヤノンのカメラが好きだった。いま持っている中で一番気に入っているのは、A-1というオートフォーカス以前の、鉄を削り出したような無骨な一機で、もち…
小説・エッセイ
2013/5/20
私の父は胃がんで亡くなった。発見したときは末期で、余命1ヶ月と宣告されたが、そのとおりちょうど1ヶ月の朝大量吐血をし、そのまますうっと消えていった。 消えていった…
小説・エッセイ
2013/5/18
ひさうちみちおの絵柄はポップだ。軽くて、まるで人物が浮いているように見える。ポップというのは時間の流れに弱く、古いとか時代に合わないとか、すぐダサイものに変わ…
マンガ
2013/5/7
昔、『わらの女』というフランス映画のあったことを思い出した。カトリーヌ・アルレーの同名サスペンス小説が原作になっている。出演はショーン・コネリーとジーナ・ロロ…
小説・エッセイ
2013/5/5
ホラー映画の真骨頂は嘆美につきると私は勝手に考えている。この世の果てほども美しいものと組んずほぐれつフィルムをまわしていくのが本当のホラー映画だというわけだ。 …
小説・エッセイ
2013/5/2
本書はホラー漫画である。少女向けだと思うが、よくワカラン。そのよくワカランとこが非常におもしろい。 ホラー漫画は絵が下手な方が断然楽しい。下手というか、雑で、荒…
マンガ
2013/4/29
西村寿行といえば忘れたいにも忘れられない悪夢のような映画がある。同名小説が原作の『君よ憤怒の河を渉れ』という東映映画だ。主演は高倉健。夜の新宿を30頭の馬が駆け…
小説・エッセイ
2013/4/26
「アラビアンナイト」、「千一夜物語」、「千夜一夜物語」、呼び方はいろいろあれど、奇書といってこれほどの奇書はあるまい。実にもう奇っ怪にしてまか不可思議、夢幻無…
小説・エッセイ
2013/4/22
死んだらあの世があるのかないのか。それはやっぱり地獄と天国があって、私などはさしずめ地獄で書けない原稿を書けと鬼に折檻される締め切り地獄で死ぬほど苦悶する締め…
マンガ
2013/4/20
今年米寿を迎えた老嬢タキが、10代後半から女中奉公をつとめた赤い三角屋根のちいさな家。そこで暮らしたのは、主人と美しい奥様とひとりの少年だった。 やがて戦争の影が…
小説・エッセイ
2013/4/19
「兄妹、五人あって、みんなロマンスが好きだった」というのは、太宰治の佳品『愛と美について』の書き出しだが、その顰に倣うなら、本書は「兄妹、四人あって、みんな死…
小説・エッセイ
2013/4/14
近ごろコミックを読んでいで嫌になって途中で投げ出すのは、絵が下手なせいだ。ちょいとした話題になった『進撃の巨人』なんてのも、絵なんて描いてあればいいとでも思っ…
マンガ
2013/4/5
80年代にオフビートでほのかに可笑しいCMを作り異彩を放った著者は、十数年前から小説を発表し始めた。 当初はやはりシュールな可笑しみをもった、しかし人間の存在の根底…
小説・エッセイ
2013/4/3
栄えあるB級ホラー映画の星と輝く逸品に、『バスケットケース』という極めつきの駄品がある。 一卵性双生児として産まれるはずだった兄弟の、弟のほうは無事この世に生を…
マンガ
2013/3/30
川崎ゆきおは絵が下手だ。 むかし「ヘタうま」というのがあったが、それでいえば「ヘタヘタ」だ。デッサンが狂っている。コマによってはなにが書いてあるのか分からない箇…
マンガ
2013/3/26
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