電子書籍アワード2014:受賞作品紹介

2014/3/30

 電子書籍大賞、及びに各部門別ランキング第1位を獲得した皆さまおめでとうございます!それぞれ紙の本のベストセラーランキングとちょっと違って、電子書籍だからこそ読んでみたい、集めてみたいという作品も多いと思います。まだ読んだことのないものがあれば、これを機会に電子書籍で読んでみては?

電子書籍大賞&コミック部門1位

進撃の巨人 attack on titan

著者:諫山創出版社:講談社
獲得ポイント:1,598,633 pt

作品紹介

圧倒的な力で人間を喰らう“巨人”から身を守るため、城壁に囲われた都市に身を潜めた人類。少年エレンは“外”の世界を夢見ていた。しかし平穏は突如終わりを告げる。巨人が壁を破り容赦ない捕食を始めたのだ。
受賞者コメント

「自分も最近、電子書籍を読むようになりました。新しい漫画の形態が生まれつつある状況の中で『進撃の巨人』が1位を取ったことは大変光栄です。ありがとうございます。」

諫山創いさやま・はじめ2008年デビュー。09年より『別冊少年マガジン』で『進撃の巨人』を連載。11年、同作で第35回講談社漫画賞少年部門受賞。15年に実写映画化予定。(写真=細川葉子)
編集部コメント
単行本の発行部数は累計3000万部を突破したそうで、名実共に巨人となりました。大晦日に「イェーガー!」ツイートでTLが埋まったのも記憶に新しいところ。来年公開予定の実写映画にも期待大です。
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小説・エッセイ部門第1位

オレたちバブル入行組/オレたち花のバブル組

著者:池井戸潤出版社:文藝春秋
獲得ポイント:359,213 pt

作品紹介

堺雅人主演ドラマ『半沢直樹』の原作小説。大手銀行勤務の半沢は、上司の欲と目論見に翻弄されいつも気づけば四面楚歌。だが、窮地こそ男の出世の大チャンス。半沢は窮地を切り抜け、一矢報いることができるのか?
受賞者コメント

「私の小説を電子書籍書店でお買い上げくださった皆さん、ありがとうございます。私自身、電子書籍では大先輩の小説を読むことが多く、小説作法など、大いに参考になっております。古典だけでなく、中には新聞広告を見てすぐにチェックする新刊もあります。思い立ったら深夜であろうとダウンロードして読める。これは電子書籍ならではの利便性でしょう。私の小説も、好きな時に好きな場所で読んでいただければと思います。」

池井戸潤いけいど・じゅん1998年に『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。現在『週刊ダイヤモンド』で半沢直樹シリーズ第4弾『銀翼のイカロス』を連載中。
編集部コメント
テレビドラマの大ヒットで、主人公のセリフ「倍返し」は流行語に。池井戸潤さんの描く爽快感のあるストーリー展開は、電子書籍のメイン読者層であるビジネスマン世代のハートを熱く揺さぶります。
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ライトノベル部門第1位

はたらく魔王さま!

著者:和ケ原聡司出版社:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
獲得ポイント:292,554 pt

作品紹介

人間世界の侵攻征服まであと一歩、というところで勇者に追い詰められた魔王サタン。撤退した彼がたどりついたのは異世界・東京。無一文のサタンは生きるため六畳一間のアパートを拠点にフリーター生活を開始することに!?
受賞者コメント

「2013年、私と『はたらく魔王さま!』はかつてないほど多くの読者の皆さんと出会うことができました。そしてその中には、物語の運び手が電子書籍だからこそ生まれた出会いがあり、その出会いはとても幸せなものだと思います。『はたらく魔王さま!』は日常生活の中でも世界征服を諦めない魔王が主人公ですので、作者は魔王の尖兵となり、これからも読者の皆様の部屋と、電子の書棚を占領申し上げるべく良い作品を作り続けて参ります。」

和ケ原聡司わがはら・さとし2010年に『はたらく魔王さま!』で電撃小説大賞<銀賞>を受賞しデビュー。同作は13年にテレビアニメ化。現在も電撃文庫にて続刊を展開中。
編集部コメント
ラノベは時代を映す鏡! 繁栄を極めた企業や人間が急激に没落することは現代では珍しくなく、そうした背景から、魔王の庶民化も、妙に説得力があります。額に汗して働く姿に思わず共感。
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教養・雑学部門第1位

統計学が最強の学問である

著者:西内啓出版社:ダイヤモンド社
獲得ポイント:116,347 pt

作品紹介

どんな権威やロジックも吹き飛ばして正解を導き出す統計学の影響は、現代社会で強まる一方である。だが、はたしてどれだけの人が、その本当の魅力を知っているだろうか? 最新事例と研究結果をもとに、今までにない切り口から統計学の世界を案内する。
受賞者コメント

「この度はたいへん光栄な賞をありがとうございました。統計学の知恵を全ての人と共有することを目標に日々精進している自分にとって、電子書籍という形で拙著の編集や販売に携わって頂いた全ての方々、また読者の皆様に、感謝の言葉もありません。これからも面白く役に立つ統計学の本を執筆していきたいと思いますので引続きよろしくお願い致します。」

西内啓にしうち・ひろむ1981年生まれ。兵庫県出身の統計家。著書に『統計学が最強の学問である』『世界一やさしくわかる医療統計』『コトラーが教えてくれたこと』等。
編集部コメント
タイトルが良い意味で刺激的。「統計学」は難しそうと敬遠してきた人にも思わず手に取らせてしまうインパクトがあります。話が非常に面白く、楽しみながら統計リテラシーの重要性を痛感できます。
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趣味・実用部門第1位

人生がときめく片づけの魔法

著者:近藤麻理恵出版社:サンマーク出版
獲得ポイント:50,118 pt

作品紹介

著者の近藤麻理恵さん(こんまり先生)は、床が見えないゴミ部屋をホテルのスイートルームのように劇的に変えることで有名な片づけコンサルタント。彼女の説く「一度片づけたら、二度と散らからない方法」とは? 新しい人生をスタートさせたい人に必読の書。
受賞者コメント

「この本の発売から3年。今もたくさんの方にお読みいただけていること、とても嬉しく思います。電子書籍は収納場所がいらないところが魅力的ですよね。ところで、この電子書籍をお読みくださった皆様、片づけは終わっていますか?「まだ途中」という方はぜひ、再読を。おうちの片づけはさっさと終わらせて、あなたが“ときめくこと”に時間と情熱を注いでいただくことこそが、この本の目的です。あなたの毎日がときめきますよう、心から応援しています!」

近藤麻理恵こんどう・まりえ大学2年で片づけコンサルティング業務開始。初の著書『人生がときめく片づけの魔法』はミリオンセラーとなり、2013年にはテレビドラマ化された。
編集部コメント
個人的に電子版に収録されている「こんまり流ときめく洋服のたたみ方」が大好きです。こんまり先生によるたたみ方の実演が、いかにも楽しそうでキュートすぎる!(笑)。一見の価値ありです。
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ビジネス・自己啓発部門第1位

ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく

著者:堀江貴文出版社:ダイヤモンド社
獲得ポイント:97,132 pt

作品紹介

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか? ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。
受賞者コメント

「『ゼロ』ではいろいろな取り組みを試験的にやってみたのですが、そこでおもしろかったのが、話題がリアルからネットへ波及するという動き。全国の書店さんを訪問したのですが、それがリアルとネット両方の購買につながっていった。これからは書店店頭で売っていく本と、電子書籍で売っていくべき本というのを意識的に考えた作り方と売り方が大事だと思いますが、『ゼロ』はそのどちらでも評価いただいた結果として、この賞を受賞できたことをとても嬉しく思います。」

堀江貴文ほりえ・たかふみ1972年生まれ。福岡県出身の実業家、ライブドア元代表取締役CEO、SNS株式会社ファウンダー。著書に『ゼロ』『刑務所わず。』ほか多数。
編集部コメント
閉塞感の漂う時代の中、いつもポジティブな堀江さんの生き方に共感が集まっています。現在、勉強や仕事など、何らか行き詰まって悩んでいる人にはぜひ読んでほしい本です。
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特別賞

マンガボックス

配信:株式会社DeNA

アプリ紹介

株式会社DeNAが2013年12月4日から配信しているiOS・Android用マンガ雑誌アプリ。購読料は無料。金田一少年や進撃の巨人のスピンオフなど注目のマンガ、コミックがどこでも読める。
受賞者コメント

「まだサービス開始から3カ月のマンガボックスが、このように評価していただけているということは、まず立ち上げは成功したのかな、と少しホッとしています。ですが、まだ本番はこれからです。“マンガボックスが年初早々に200万ダウンロードを達成したあの年が、電子書籍のターニングポイントだったね”と、後から語ってもらえるような2014年にしていきたいです。」

樹林伸きばやし・しん1962年東京都生まれ。マンガボックス編集長。『金田一少年の事件簿』『神の雫』など多数のメガヒット漫画の原作者として活躍。『ビット・トレーダー』など小説執筆も手がける。
特別賞 選評
2013年末に突如姿を表したDeNAが手がけるデジタルマンガ誌「マンガボックス」。そこからわずか3ヶ月程でダウンロード数は300万、利用時間も国内トップクラスのサービスに急成長しました。完全無料であることに加え、編集長に樹林伸さんを迎え、講談社マガジンなどから人気作品の再掲載や、スピンオフを展開し、そのクオリティも支持を広げている理由に挙げられます。ソーシャルゲームで確固たる地位を築いたDeNAが、マンガビジネスで成功できるのか、出版界からも注目が集まっています。この取り組みの成否が、雑誌不況=マンガとの出会いの場の縮小を、押し止められるかどうかの鍵を握っています。(選者:ジャーナリスト・まつもとあつし)
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電子書籍アワード2014 概要

対象作品
【期間】2013年1月1日~12月31日の間に配信された電子書籍・コミック
【ジャンル】全ジャンル(※アダルト作品除く)
【デバイス】不問
選考方法
電子書店(全21書店)の年間売上データを総合し、下記ジャンル別にランキングを集計。
総合(TOP50) / 小説(TOP20) / コミック(TOP20) / ライトノベル(TOP10) / 教養・雑学(TOP10) / 趣味・実用(TOP10) / ビジネス・自己啓発(TOP10)
※「特別賞」も併設
主催
電子書籍アワード2014実行委員会

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