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悪の哲学ノート

悪の哲学ノート

悪の哲学ノート

作家
中村雄二郎
出版社
岩波書店
発売日
1994-11-25
ISBN
9784000000611
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悪の哲学ノート / 感想・レビュー

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ndj.

「悪のトポイ・カタログ」として悪を5つの類型に分類し、氏曰く「一種の魅力を持った、あるべからざる、しかし現実的な現象」であるところの悪をベースに『悪しき造物主』『マクベス』『アポカリプス論─現代人は愛しうるか』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』(主に大審問官)『白痴』を読み解いていくというなんとも野心的な試み。あらすじをなぞる程度の大味な論考だが、ここを起点に広がる世界は膨大だ。今読み返すと全体に優等生的な空気が漂っているのが難。

2016/12/22

みか

第1章から第3章までは、悪の問題を哲学の立場から論じる基礎が分かります。第4章「祓われる罪/透明化する悪」では、日本におけるハレ・ケ・ケガレの三文法の意味、古代日本の罪と祓について論じています。第5章「『黙示録』と権力本能」では、レーニン像倒壊という現代史における象徴的事件をきっかけにして、ローレンスの『アポカリプス論』における人間の権力本能の根深さを論じています。ローレンスの考え方の背景には、シオランの思想に通じるような悪の問題への根本的な問い直しがあります。

2008/08/22

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