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水深五尋

水深五尋

水深五尋

作家
ロバート・ウェストール
宮崎駿
金原瑞人
野沢佳織
出版社
岩波書店
発売日
2009-03-25
ISBN
9784000010771
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水深五尋 / 感想・レビュー

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佐島楓

イギリスの児童文学。はからずもまた戦争ものだった。泥のような澱んだ雰囲気が印象的。宮崎駿さんがざっくりとした挿絵を担当していらっしゃるが、おそらくこの作品が持つ冒険と少年の成長に惹かれた結果絵筆を取られたのだろう。自分だけではどうにもならない現実の只中、なかなかに苦しく、つらい話。

2012/03/03

moonanddai

水深五尋(すいしんごひろ)というクラシカルなタイトルですが、大変出来の良いスパイ小説で、面白く読みました。図書館本ですが、置かれているのは「児童書」のコーナー…。基本スパイ小説ではあるのですが、戦時中の暗い世相、階級対立というか分割された社会、格差、偏見、そして主人公の最後の葛藤みたいなものが細やかに描かれて、これがいわゆる「戦時下」というものなのでしょう。子どもだけに読ませておくのはもったいない…W。ちなみに「水深五尋」とはシェイクスピアの「テンペスト」にある詩から取ったのこと。

2019/11/21

おーちゃんママ

仕事の都合でどうしても『機関銃要塞の子どもたち』を読まなければならなかったのですが、『機関銃~』のほうは翻訳のせいなのかものすごく読みにくくて大変でした。(確か読むのは2度目だったはずなのに)それに比べて、同じ登場人物にも関わらず、こちらはハラハラドキドキ、進む進む。(こちらも読むのは2度目で結末はわかってたのに、面白かったのは何故?)対敵国のことを考えると、終わり方は少し辛い感じがしますが、チャスとお父さんの会話がほんの少しその辛さを薄めてくれました。シーラがとても素敵な女の子に描かれている所も好きです

2016/09/09

ちあき

第二次大戦中の港町を舞台にした、自伝的要素のつよい作品。男の子が大人へと成長する過程を描く、まぎれもないジュヴナイルである。淡い恋もわくわくするような冒険もある。母はともかく父は敬愛の対象だ。主人公の行く手にどんづまりの壁は存在していないように思える。なのにこの苦い読後感はなんだろう。水際に打ちよせられたゴミの山にも、騒々しいだけの酒場にも、階級社会の影がさしている。イギリスの少年少女たちはこんなのを読んでるのか。日本産児童文学の「お行儀のよさ」を思い知らされる。

2009/09/04

ぱせり

胸のすくような冒険物語はハッピーエンドといいたいところだが、爽やかさからはほど遠い苦々しさが残る。特に階級意識の理不尽さとそれに対して手も足もでない悔しさや痛み。この気づきが、若者の、子ども時代との確かな決別なのだ、と思う。だけど、同時に彼は、永遠に変らない確かな存在を確認している。その確かさが、彼のこれからの道しるべにきっとなる。

2009/06/19

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