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闇の考古学: 画家エトガー・エンデを語る

闇の考古学: 画家エトガー・エンデを語る

闇の考古学: 画家エトガー・エンデを語る

作家
ミヒャエル・エンデ
イェルク・クリッヒバウム
Michael Ende
丘沢 静也
出版社
岩波書店
発売日
1988-09-14
ISBN
9784000023078
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闇の考古学: 画家エトガー・エンデを語る / 感想・レビュー

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一番好きな作家ミヒャエル・エンデが、画家である父エドガーについて語る。これはヤバイ。エンデの精神世界や芸術観が、どれほど父の影響を受けて形成されてきたかがよく分かる。「物語は読む人のなかではじめて完成する」「芸術家とか作家は作品のなかで世界観を説教してはならない」「芸術とは彼岸にもなければ、此岸にもない。その中間にある」、それからカメについての考察。これらには思わずふおおお!と声をあげてしまうほど興奮した。エンデは文学を芸術表現のひとつとして捉えているから面白い。絵画好きの作家志望としてはバイブル的一冊。

2017/01/02

志田健治

いやはや、良い本であった。エンデと父エドガーの世界との関わり方に共感。この本から得た芸術や文学への接し方はむやみに語ってはいけない気がする。胸にしまっておこう。それにしても質問役のクリッヒバウムにはイライラした。だからこそ対談が成り立つのでしょうけどね。どこかでエドガーの絵を見れないものか。今までに観てきた絵画とは明らかに一線を画している。

2013/03/18

もち

ML_S723.34End エンデの創作方法が父親に受けた影響について調べる為に。エンデが画家である父の仕事を軸にして、イメージについて、神秘主義について、創作について、言語について、色々喋る。タイトルは、画家が暗い部屋でイメージを捕まえる方法のことかと思っていたが、訳者後書きではエトガー・エンデの闇に葬られた業績を掘り起こすみたいなことが書いてあった。

2012/01/12

iwri

3回目くらい。本書は、エンデが自身と父の神秘主義的(魔術的)世界観と芸術について、率直に語っている稀有なものである。父エトガーについて語る中で、そのいわば反射の中に息子ミヒャエルの世界観が浮かび上がる…そのようなインタビューである。成功した息子と陽の目を見なかった父…。しかし、芸術家の孤独を語るエンデの言葉を読みながらふと、エンデは本当に理解されたのか?という疑問が頭をよぎった。クリッヒバウムが二度、なぜあなたの作品にそのようなこと(世界観)が書かれていないのか?と問うのが象徴的に響いた。

2011/11/05

minomushi

胃が痛む布団から出ずに、読み終えた。ドイツと日本の言語感覚がもしかすると似ているのかもしれない、多和田葉子がなぜドイツ語と日本語で書くのかということを考える。この対話においてエンデの語ることが自明のことであるのは、友人との会話で何度も話した事柄だからかもしれない、クリッヒバウムに対して、エンデが分かりやすい言葉で根気強く話しかけていることがとても意義深い、ディスコミュニケーション的。自分にはとてもことばにできないことばかりだった、あと何年したら整理がつくのか、つかないのか、去年会った写真家のことを想う。

2019/03/04

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