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大人になることのむずかしさ: 青年期の問題 (シリーズ子どもと教育 子どもを見なおす)

大人になることのむずかしさ: 青年期の問題 (シリーズ子どもと教育 子どもを見なおす)

大人になることのむずかしさ: 青年期の問題 (シリーズ子どもと教育 子どもを見なおす)

作家
河合隼雄
出版社
岩波書店
発売日
1996-01-25
ISBN
9784000039444
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大人になることのむずかしさ: 青年期の問題 (シリーズ子どもと教育 子どもを見なおす) / 感想・レビュー

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青蓮

「大人になるってどういうこだろう?」と常々疑問に感じているので、読んでみました。「大人であるということは、その人が自分自身のよりどころとする世界観をもっている、ということである。一人前の人間として、自分なりの見方によって、世界を観ることができる。あるいは、自分という存在を、この世のなかにうまく入れこんでいる、あるいは位置づけているといってもよい。」この部分が私には抜け落ちてるなぁと痛感。心理的な自立もうまくいっていない事も再認識させられました。ちょっとやそっとじゃ人は変われない。時間がまだ必要のようです。

2017/01/13

riviere(りびえーる)

どうすれば大人になれる?そもそも大人とは?イニシエーション(通過儀礼)の厳しい試練を乗り越えれば男子は大人として認められ、女子は初潮を祝われて大人になった。そんな昔と今とはずいぶん違う。そういえばバンジージャンプも本来はイニシエーションだったことを思い出す。現代の若い人たちはさまよいながら挫折を繰り返しながら時間をかけて大人になってゆく。それを支える周囲には暖かさだけでなく厳しさ、子どもの心を持つ大人の存在が必要。文庫版に息子の河合俊夫氏があとがきを書いているらしい。そちらも読んでみたい。

2020/08/15

呼戯人

先史時代や古代までは、イニシエーションという儀式があり、子どもと大人の間の境界がはっきりしていた。しかし、歴史の進展の中で近代が現れてきたとき、このイニシエーションが消え去り、進歩・進化・成長という概念が重要視されるようになり、教育(学校)という教育機関が現れてきた。かつてはイニシエーションによって深い体験をして大人となることができた子たちは飴のように長く伸びた青年期を過ごさねばならなくなった。それ故、青年期の様々な問題に悩むようになったのである。 大人でもなく子どもでもない時期をどのように乗り越えるか?

2016/05/19

柳瀬敬二

現代には宗教もイデオロギーも共同体もない。そんな社会で青年が大人になるには自分の力で自分を変えていくしかない。そこには周囲の人間への激しい衝突や複雑な内面の揺れ動きがあり大きな苦痛を伴う。そして無事大人になれたとしても、それは旧来の意味での大人ではなくモラトリアム社会で生きていく大人かもしれない。 数時間足らずで読めてしまう本で、そこまで深い議論には踏み込んでいないのが残念だが、ときには理屈抜きで自分の存在を賭して生の感情をぶつけるほうが、相手の心に響くという議論は面白かった。これも理屈では理解できない。

2014/10/01

ひろちき

自分は大人じゃないということを再確認した。社会に出れば自然と大人になるかといえばそういうことでもない。働いて妻子もいるのに大人とは思えない人がいたりする。責任も抱えているものもあるのに不思議だ。大人が言う「大人ってこういうもの」ってのには反発したくなる。でもそれも社会で形成されたひとつの大人なんだよなあ。最終章は特になるほどという感じだった。ジェンダーの点から論じる大人になるということ。物質的に豊かな時代の子どもの想像力(玩具)。著者の懐の深さには関心する。

2012/05/30

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