寺田寅彦随筆集 2 (ワイド版岩波文庫 99)
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寺田寅彦随筆集 2 (ワイド版岩波文庫 99) / 感想・レビュー
壱萬弐仟縁
「浮世絵の曲線」の節(92頁~)。黒白の切片や、曲線の集団から成る。物質に着目されるのはやはり、物理学者である。顔の輪郭の線。襟の線。着物の裾の表現・・・これらは、本当に描きにくいが、極めて、画家の手腕、資質が問われる、誤魔化しの聞かない部分でもあると思う。今年はどんな作品、作者が通訳案内士1次試験日本歴史で第6問に写真になって出るか、と思いつつ。備忘録の中の「線香花火」(137頁~)に目が留まる。この年齢になって、人生の象徴に見えてくるのは不思議だ。若い頃には情緒を知らなかった。詩や音楽に見立てている。
2013/08/02
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