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ポートレイト 内なる静寂―アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集

ポートレイト 内なる静寂―アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集

ポートレイト 内なる静寂―アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集

作家
アンリ・カルティエ=ブレッソン
ジャン=リュック・ナンシー
アニェス シール
Henri Cartier‐Bresson
Jean‐Luc Nancy
Agn`es Sire
堀内 花子
安原 伸一朗
出版社
岩波書店
発売日
2006-10-05
ISBN
9784000082204
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ポートレイト 内なる静寂―アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集 / 感想・レビュー

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市太郎

まだぱらぱらと一通りめくっただけだが、かなり心を奪われた。ただ人物の写真(それも結構高齢の人が多い)なのだが味があるというか、モノクロだからか? 詳しくないので何と言っていいのかわからないです。有名人ばかり撮っているが僕が知っている人はそんなに多くなかった。特に気に入ったのはフォークナーとカーソン・マッカラーズの64、65ページ。フォークナー(と傍らの犬)が良い。マッカラーズがぼやけているのは、わざとだと思うが、とても夢幻的で彼女の小説を読んでみたくなりました。図書館本だがこれは欲しいな。またじっくり。

2015/03/09

夜間飛行

カルティエ=ブレッソンは彼らを「蚊が刺すように」撮ったそうだ。なるほど写真家の眼差しはいともあっさり差し出され、被写体の人物に何も押しつけていない。それはあたかも眼差しを贈っているかのようだ。眼差しを贈られた彼らが何を見ているかは謎である。誰もその先にあるものを見る事はできない。見えるのは、眼差しを受け取りさらに別のものへと投げられた彼らの眼差しだけである。それは様々の固有な時の中にあって、様々の固有な場所へ逃げていこうとする。ともあれ、ここでは見る事が痛みではなく、内なる扉を開く鍵であるように思われる。

2014/08/26

市太郎

彼の言う「内なる静寂」。それに同調する事が出来るのか? が、今回の主題。人の表情の無い表情を撮り被写体にポーズをとらせない一瞬をカメラに収めることで、人格を写そうとしたポートレート。どの顔も沈思黙考をしているように見え、撮られているという事を意識している者は少ない。いわば魂が別の場所にいき、脱け殻となったその人は、演じているいつもの自分とは違う表情を見せる。その一瞬の表情は陰鬱であり、怒りに満ちており、困惑しており、信頼しており...。じっくり観ていると透けてくるその静寂の世界は人それぞれ様々で面白い。

2019/01/26

月湖

20世紀を代表する映像作家アンリ・カルティエ=ブレッソンが、50年以上にわたり撮り続けたポートレイトの写真集。撮影者と被写体の交際は、芯に深く入った眼差しの織物のようである。撮影者の被写体にどこまでも踏み込んで行く勇気に心を惹かれ、撮影者の心持ちと一瞬であっても同化したときに、胸を撃たれる。被写体だけではなく、この写真集を贈られた人間の精神の勇躍をまで摑む解像力の高い水晶体の洞察の的確さに、驚嘆する。折に触れて繰り返し眺め、撮影者と被写体のあいだに滑り込み、さまよい泳ぎ、彼らの心根から養分を取りたい。

2019/09/28

うた

人物ポートレートは何よりその人らしい写真を撮れた時が楽しい。“らしさ”というのは雰囲気や仕草、表情がぴたりと現れた瞬間なのだと思う。このブレッソンの写真集、被写体の見事な顔ぶれは言うまでもないことだけれど、いくつか気に入ったものをあげておこう。ネルーダ、フォークナー、カミュ、グラック、ソンタグ、プレヴェール。

2016/09/12

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