KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

イノック・アーデン

イノック・アーデン

イノック・アーデン

作家
アルフレッド テニスン
Alfred Tennyson
原田宗典
出版社
岩波書店
発売日
2006-10-04
ISBN
9784000221580
amazonで購入する

イノック・アーデン / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ペグ

小学生の頃読んだ「サイラス・マーナー」と「イノック・アーデン」は共に利他の物語。シンプルだけど美しいお話。

2022/07/17

モリー

神は何故、これほど苛酷な運命をイノックに与え給うたのか。そして、イノックは何故、神を恨まず、むしろ神に力を与え給えと願えたのか。自己犠牲や献身という言葉はふさわしくない。これが、本当の愛というものか。一人の女と二人の男がいた。女は二人の男に愛された。二人の男はどちらも崇高な魂の持ち主だった。だか、一方は天に召され、一方は地に残った。◆私の流した涙は、けっして同情の涙ではない。強いて言葉にするならば、崇高な魂に触れ、私の魂が浄化された喜びの涙か。

2022/08/19

emi

幸福は、哀しみであり、奇跡なんだ。イノック・アーデンという男の一生が、原田宗典さんの訳のおかげで、詩だという認識を消さぬまま、物語として美しく浮かびます。涙が一筋溢れてしまうような切なさ。なのに憎むような嫌な気持ちにならず、再読したくなります。物語は特別珍しい話ではありません。一人の女性を愛する二人の男性。どんな感情が沸き上がるか、想像はそう難しくはないでしょう。けれども、この詩が素晴らしいのは、ただただ愛が深いから。深いその愛の先にいるあなたの幸福が私の希なのだと。うろたえるほど真っ直ぐ心に響いた一冊。

2016/06/18

なる

幼なじみの三角関係からアニイの心をいとめたイノック・アーデン。子宝にも恵まれる中でより豊かな生活を求めて家族のために出稼ぎに大航海へ繰り出す…という悪い予感しかしない展開から、予想通りオデュッセイアよろしく船が難破して帰れなくなる。残されたアニイや子供たちが困窮を極めてゆく中で、かつて三角関係に敗れたフィリップはここぞとばかりにアニイへと近づき…となりつつも、三者が三者ともに幼なじみ同士の感情が優先されるというか、完全なドロドロ劇には陥らずに気遣いのかたまりを投げつけ合う、というのがなんとも切ない。

2023/06/11

壱萬弐仟縁

十分すぎる稼ぎがあれば、暮らしも楽になるだろう。子供たちにはちゃんとした教育だって受けさせてやれる。そしていつしか一家揃って安らかに平和な日々を送るのだ――(17頁)。一度ならずも二度、三度家計は苦しくなりましてもうどうにもならなくなるとアニーはせっかくの商品を仕入れ値よりもずっと安く売ってしまうのでありました(29頁)。商売に向く人、向かない人、悪人、善人といるものだな。ある時は桶を作ったり、またある時は大工となったり、漁師のために漁の網を編んでやったり、 

2014/11/04

感想・レビューをもっと見る