第8巻 1987年~1993年 (加藤周一自選集)
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第8巻 1987年~1993年 (加藤周一自選集) / 感想・レビュー
あきあかね
加藤周一の文章は論旨が明確で、読むと頭がすっきりとしてくる。「非専門化の専門家」を自認するように、本書でも、文学、芸術、社会、政治、国際関係など話題は多岐に及んでいるが、そこには一本の筋が通っているような気がする。医学博士でもある加藤の文章には、他人の意見を事実と突き合わせて検討した上で容認する、事実を尊重し必要ならば自説も再検討する、という科学者の姿勢が通底している。 また、日本人、日本社会についての文章では、自律的な個人ではなく、権威に対する弱さや、内に対する大勢順応主義を強いる集団主義などを⇒
2020/06/29
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