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戦争と性暴力の比較史へ向けて

戦争と性暴力の比較史へ向けて

戦争と性暴力の比較史へ向けて

作家
上野千鶴子
蘭 信三
平井 和子
出版社
岩波書店
発売日
2018-02-24
ISBN
9784000612432
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ジャンル

戦争と性暴力の比較史へ向けて / 感想・レビュー

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たまきら

戦争と性暴力の関係を研究者らが集め分析した学問書です。このジャンルは国際的な専門家たちが自分の国が加害者となった問題を研究する形でまとめたものを読んでみたい。そうした時に立ち上がってくるだろう方程式をまとめ、シェアし、これから世界を担うであろう少年少女たちと共有したい。加害者に、被害者にならないように。戦争はすべてを破壊する。そこには真の勝者は一人もいない。サバイバーの声を冷静に分析し、これからに活かすべきだと思う。

2022/02/16

小鈴

性暴力は文書として残りにくい。沈黙を強いるため記録されない。記録されにくい性暴力をどのような枠組みで分析できるのか。上野千鶴子の序章ではフレームワークについて解説する。成田龍一の9章では歴史学は資料主義であるため性暴力の問題を取り上げられにくいことを指摘する。なぜなら暴力を受けた当事者が語らず資料として残りにくいからだ。そんななかで歴史学出身の石田米子『黄土の村の性暴力』は当事者の聞き取りから日本軍性暴力被害について明らかにしていった。社会学者の蘭信三は10章でオーラルヒストリーの手法について検討する。

2019/09/04

小鈴

平井和子「兵士と男性性-「慰安所」へ行った兵士/行かなかった兵士」111-140。論文の目的「『加害者』とされる日本兵士の『動機や、彼らの意味世界、行動可能性』に関する研究は進んでこなかった。『慰安所』システムを成立させる兵士とセクシュアリティの問題を問わない『慰安所』問題研究は、加害国の責任を問うことはできても、『戦争に性暴力はつきもの』というレイプ神話を崩すことはできない。」「軍隊と戦争がつくり出す『男性性』に注目し、『兵士と性』という普遍的課題に、日本軍兵士の体験記から迫りたい」。

2019/08/31

小鈴

まだⅠ部しか読んでいないが、気づきが多かったのでメモ。慰安婦問題とは既知であり研究蓄積があると思っていたが、そうではなかった!。当事者の手記やヒアリングの記録は多数あったものの、本格的に研究が進んだのは91年に「慰安婦」金学順が名乗り出たことで、一挙に研究が進んだという事実にまず驚いた。そのことは事実の収集にとどまらず研究の視座も切り開かれたことを意味する。金学順のカミングアウトから四半世紀経ち、アジア発の戦争と性暴力の研究の蓄積が進んでいる。事例と視座を多くの人と共有したい、と強く思いました。

2019/08/30

出原樹音

きわめて興味深く読んだ。

2018/07/31

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