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ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

作家
デヴィッド・グレーバー
酒井隆史
芳賀 達彦
森田 和樹
出版社
岩波書店
発売日
2020-07-30
ISBN
9784000614139
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ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 / 感想・レビュー

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ひろき@巨人の肩

「仕事」の概念が再定義された。ブルシットジョブとは、本人もクソどうでも良いと感じている仕事で著者調査では全仕事の40%に該当。労働者を時間的道徳観念で束縛し経営封建制を維持する仕組み。各時代で支配者が権力を維持する似たような仕組みを作ったが、資本主義では「過剰な管理業務」となる。起源は「労働」とは「製品の生産」という定義の下、「勤労」を是とする倫理哲学が経済学に取り込まれ、失業率と生産性が社会のKPIとなったこと。現在、生産性は週15時間労働を実現できるまで向上されたが、人々は働くことを辞められない。

2021/07/02

徒花

まあまあ。現代社会では働いている本人がいったいなんのための仕事なのかその意義を感じられないクソみたいな仕事(ブルシット・ジョブ)がたくさんあって、そういったブルシット・ジョブは人間に悪影響を及ぼすし、社会的にも良くないんじゃないかという主張をまとめた一冊。そもそもとあるメディアに投稿された記事がめたくそバズったのでリサーチを重ねて書籍化されたらしいもので、事例が豊富だけど若干冗長に感じるところあって読むのに骨が折れた。翻訳本だから仕方ないけど、もうちょい手短にまとめられたような気もする。

2021/04/20

どんぐり

ブルシット・ジョブとは、「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある雇用の形態」のこと、すなわち、『クソ!』と吐き棄てたくなる仕事である。それを分類すると、取り巻きの仕事、脅し屋の仕事、尻)ぬぐいの仕事、書類穴埋め人の仕事、タスクマスターの仕事(他人への仕事の割り当て、他者に対するブルシットな仕事の形成)、の5つ。これを読んで周囲を見渡せば、そんな仕事ばかりが目につくことだろう。→

2022/03/01

Willie the Wildcat

意図的vs.偶発的、あるいは任意的vs.強制的など発生源も多岐なれど、価値観と優先度を評価軸とし、ライフサイクルで評価。仕事が手段から目的に変化したことの功罪は、確かに同感。一方、BSジョブの社会的価値とその対価の論旨など、十把一絡げでの議論は、拡散と混乱となる気もする。著者が問題提起したUBIに限らず、何らかの施策がSBの代替となるかどうかは、著者の結論に同感。(堂々巡り感が本著の狙いでもあるのだが)恣意的で、尊厳を害するかどうかがBottom Lineという気がする。

2021/07/15

TATA

読み切るのに1ヶ月近くかかった。何故何の役にも立たない仕事が世に数多あるのか、そしてそれらは相応に高給なのか。逆に社会に必須な仕事ほど給与は高くないのか。論があちこちに飛ぶので読みにくいが、欧州史や宗教観にも触れ、経済学のみに立脚していない分、非常に重厚。結局、「ものづくり」以外のサービス業の比率が高まると、本来の適正価値以上の付加価値、それに見合った給与を求め、社会に格差拡大をもたらしてしまうということ。解決策は書かれていませんがそれも潔く、あとはそれぞれで考えろと。

2021/11/13

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