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日没

日没

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作家
桐野夏生
出版社
岩波書店
発売日
2020-09-30
ISBN
9784000614405
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日没 / 感想・レビュー

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starbro

桐野 夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか、本書は作家ブラックユーモア不条理ホラーでした。スティーブン・キングの「ミザリー」に通ずるものがあります。作家の先生達は、本書をどのような気持ちで読むのでしょうか(笑) 作中作、【読メエロ部】的作品、木目田 蟻江の「みつねむる」を読んでみたい。 https://www.iwanami.co.jp/sunset/

2020/11/12

bunmei

世の陰の部分を浮き堀にする印象の桐野作品。今回はどうしようもないくらいのイヤミスで、主人公を除く登場人物が嫌悪感満載のキャラクター。主人公が崩壊していく様をリアルに描写している。設定にはやや無理もあると感じながらも、『表現の自由』というテーマにおいては、日本学術会議の拒否問題とリンクしてしまう。本当にこんな国家権力が、日常を侵し始めているのか…。作家・桐野夏生が、本書を書こうとした背景には、執筆活動に際して、何か蟠りがあったのではないのかと勘ぐってしまう。あまりに衝撃的なラストに、言葉もなく本を閉じた。

2020/10/28

utinopoti27

体制の意に沿わない【悪い小説】を書く作家を矯正する施設があるという。女性エロ作家・マッツ夢井は、この施設に収容され、過酷な扱いを受けるうちに、次第に肉体と精神が蝕まれてゆく。いつ終わるとも知れない収容所生活の果て、廃人同然に追い込まれた彼女は・・。これは実に怖い話だ。表現の自由を守れ!などと個人がいくら声高に叫ぼうが、一方的な価値観を押し付けてくる国家権力の前では、所詮赤子同然なのだから。法解釈は捻じ曲げられ、ごまかしや隠蔽が横行する今の政治情勢とリンクするかのような本作、明日は我が身かもしれない。

2020/12/02

ケンイチミズバ

家族で安心して見れる「文部省推薦映画」なるお墨付きが昔はよくあった。クソ面白くもない何かを賛美するような。お国が芸術に口を出すな。気志團のような頭をした中学生だった自分、その頃から思ってた。自由過ぎる表現を矯正しようと国が動き出す近未来。対岸の火事ではない言論の不自由が蔓延する香港、ほぼ収容所スタイルで軟禁され自己否定の再教育を受けるウイグルではリアルタイムだ。小説家が過激なSEXや不倫を描いたり政権批判をすれば連行され再教育を受ける世界。久々に桐野さんの毒が堪能できる。苦しくて早く終わりたいと一気読み。

2020/10/05

まこみや

私に赤紙が来たら、鉄砲をとって人を殺すのだろう。それが嫌なら他人に殺されるか、さもなくば自死するしか道はない。『日没』を読みながら浮かんできたのはそのようなことだ。妄想だと人は笑うかもしれない。しかし特定秘密保護法から学術会議任命拒否、2020年の東京オリンピック中止という歴史の流れは、戦前の治安維持法から滝川事件、1940年の東京オリンピック中止という歴史にダブって見える。腹立たしいのは、お偉方は以前もそうだったし、今度もまた、自死も責任も取る気はないということだ。ツケは全てこちらに回される。

2020/11/23

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