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オオカミに冬なし

オオカミに冬なし

オオカミに冬なし

作家
クルト・リュートゲン
K.J.ブリッシュ
中野重治
出版社
岩波書店
発売日
1964-04-12
ISBN
9784001108187
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オオカミに冬なし / 感想・レビュー

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ケニオミ

日経新聞で池澤夏樹氏が紹介していた一冊です。冬が早く来てしまったアラスカで雪に閉じ込められた捕鯨船乗組員(?)。大統領から救助の要請が出ているにもかかわらず、身の危険を感じ、誰もが救助に出向くことを断る中、食料を運ぶことにした一人の船乗りのお話です。彼の熱意に賛同(感動)して途中で少しずつ協力者が現れるようになります。さて、閉じ込められた人達が餓死してしまう前に、食料を届けることができるのでしょうか?子供向けの本ですが、自分の命の危険を顧みず、見ず知らずの人のために働く。感動しました。お薦めします。

2020/11/07

カラスノエンドウ

アラスカの氷に閉じこめられた船員275名の救出に、名乗りを上げたジャーヴィス。襲いかかる苦難にも決して負けない彼の信念の強さ。そんな彼を突き動した先人、エスキモー=ジョーの勇気と行動。他人の命を守るため、極寒の地を進む彼らの姿が心に刻まれました。これは実際にあった出来事だそうです。自然の厳しさと気高く尊い人間の物語。読後の余韻が今も残っています。

2021/01/30

ぱせり

暗い、冷たい、広大な土地の上で、何を成し遂げ、何に負け、何を諦めたのか。その時、その先には、何もないのか。何かがあるのか。一人一人の人間がより鮮明な浮彫になってくるようだ。物語は、容赦ない。厳しい。だけど、それでも(それだから?)くっきりと立ち上がってくるのは人間への信頼、希望。

2021/06/23

GOTI

☆☆☆ドイツ児童文学賞受賞作。60年も前に翻訳されたものが今になって池澤夏樹が取り上げていた。読む前はシートンの「狼王ロボ」のようなものかと思ったら大間違い。自分の読みが浅いせいかなぜ「オオカミに冬なし」と題されたのか分かりません。1893年、冬が異常に早く来る。そのため275名が乗る捕鯨船団がアラスカ最北のバロー岬に閉じ込められる。大統領命により二人の男が食料のトナカイの群れを連れ、幾多の苦難を乗り越え救出に向かう。実話に基づいたフィクション・ノベルでした。

2020/11/29

がんぞ

「いい考えってもんは、一ぱいになった胃袋からでなけりゃ、出ちゃきません…」、普遍的真実。NHK『爆もん学問』で東京・児童文学館紹介したときに、背後の本棚の目立つ位置にあったのは偶然か?続々と出る新作に“名作古典”は開架書架から外されがち。/「(助けが来るまでは)鯨の脂身と鯨油で持ちこたえますとも。ひどい匂いですが」、捕鯨船員は鯨肉は獲った直後に捨てたのか。エスキモーの食料資源を浪費する白人には《餓死》も当然の報いだが、ジャーヴィスの義侠心にエスキモーの生活研究者マッカレンも賛同/1893年には船舶無線は無

2018/01/25

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