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ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138)

作家
エーリヒ・ケストナー
ヴァルター・トリアー
Erich K¨astner
池田香代子
出版社
岩波書店
発売日
2006-06-16
ISBN
9784001141382
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ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138) / 感想・レビュー

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のっち♬

休暇村で出会った双子姉妹が離婚した両親を仲直りさせるため入れ替わって帰省する。元々映画脚本だけに現在形で進行する地の文はスピード感とイメージ喚起力に富み、それでいて子ども達の等身大の喜悦や苦悩に優しい視線を注ぐスタンスが著者らしい。大人しいロッテが父の交際相手と対峙する勇敢さはギャップが現れる分ルイーゼ編より重みと緊張感があるが、しかしタイトルは不公平に見える。殆ど大戦下で書かれた執筆背景も印象的、大人の事情の割を食う子供たちを憂いファンタスティックなまでに明るい世界を希望することが支えでもあったようだ。

2024/02/02

Willie the Wildcat

偶然の齎した奇跡。奇跡を必然とする子どもたちの機知と、家族の絆への思い。鍵は「写真」。思い出を残し、振り返る媒体。人びとを繋ぐ。理想と現実?現代であれば、何かとControversialかもしれないが、時勢を考えればある意味腹落ちする。大戦下に書き上げた作品故の作者の夢ではなかろうか。平和であり家族。大人の事情を揶揄したくなるよね。子どもの時の読後感と、大人になって再読した時の感想の差異。そして、現代で振り返る時勢。読後、自然と感謝の念。それにしても、ペペル、いいなぁ。流石の鼻力!?

2019/04/26

zero1

夏に湖の畔でルイーゼとロッテは会った。二人は誕生日と生まれた場所が同じ。ある計画を二人は立て実行した。だが父親の結婚話によりロッテは熱を出す。ピンチだ!ケストナーは子どもに温かい目を向けるが大人には厳しい皮肉を用意していた。親の離婚に対する彼の指摘は現代にも通じる。ただシャーリー・テンプルの話は作者の誤解。多くの人が誤解ししたまま。高橋の翻訳に文句はないが、世界的にファンがいることから新訳が出てもおかしくない。1949年に出版されたことから著作権は問題ないはずだ。光文社あたりに出版を検討してもらいたい。

2018/12/09

さつき

子供の時からのお気に入りの作品。ふたごが入れ替わるって、やっぱりドキドキする設定です。私自身は親しい関係には、ふたごの人はいないんですが、娘や息子のクラスにはふたごの子がいます。そして何度も会っていても、やっぱり見分けがつきません。その子達のお母さんに言わせると、全然似ていない。どうしてみんな間違えるのか分からないそうですが…こういう作品を読むと子供同士実際に入れ替わることもあるのかも!そして身内以外はなかなか気づくのは難しいだろうと思います。

2019/09/22

たま

ケストナーの伝記を読んだら懐かしくなって。度重なる転居のせいで手元にあるケストナー作品は『飛ぶ教室』だけ。近所の本屋で『ふたりのロッテ』を見つけ再読した。寄宿舎の夜の場面から心をぐっと掴まれ、二人の企てにドキドキし、最後は大人たちをあっと言わせるのが痛快で楽しい。抜群のテンポ感、語りの巧みさに感心する。戦後のドイツ、それほど豊かではなかったと思うが、湖のほとりの夏休み村、ウィーンの歌劇場、アルプス徒歩旅行、昭和の子どもにはなんかキラキラ見えた。キラキラの中にちゃんと経済格差も書かれているのもいい。

2022/06/23

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