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小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)

小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)

小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)

作家
金原瑞人
佐竹美保
出版社
岩波書店
発売日
2022-01-14
ISBN
9784001146271
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小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627) / 感想・レビュー

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KAZOO

岩波のこのシリーズ4作目が出ました。ホラー短篇集とはいうもののやはり金原さんの訳が非常にわかりやすく子供向けに書慣れているせいか若干怖さが薄れている感じがしました。ホラーというよりも幅が広くなっています。私はむかし「猿の手」を読んだときにはかなり怖く感じたものです。ビアスの「月明かりの道」も末に読んでいるせいか、あまり怖さを感じませんでした。やはり1回読んでいると感激が薄れるのでしょうか?

2022/02/25

こら

実は初読だったジェイコブズ「猿の手」。設定、雰囲気、結末全てが素晴らしく噂に違わぬ名品!怖さで言えば断トツなのが、老女と謎の少女との邂逅を描くカポーティ「ミリアム」。あの『ティファニーで朝食を』の作者が二十歳のデビュー作で、これだけの作品をものにしていたとは!コウヴィル「首を脇に抱えて」は洒落たダークファンタジーという感じで世界設定が面白い。キラ−クーチ「小さな手」、キプリング「子どもたち」は幽霊譚だけど、それぞれホッとしたり何故か切なくなる読後感。今巻もバランスよく楽しめる良短編集でした。

2022/08/06

けろりん

英語圏の8名の作家によるホラー短編集。夜の闇がとても深く、月あかりやランプに浮かび上がる物の形が曖昧だった時代。小さな欲や喪失の哀しみが招く怪異、深すぎる愛が招く悲劇、霧深い街に響く不吉な足音の中から、名手達が括り出す人間の業。T,カポーティが若干19歳で発表した『ミリアム』が秀逸。NYの片隅で裕福ながら、空虚な日々を過ごす未亡人の心の隙間に、するりと入り込む不思議な少女は一体…。庭園が美しい屋敷に迷い込んだ男性が見た、幼子らと盲目の女主人の秘密を描いたキプリングの『子どもたち』は優しく寂しい余韻が残る。

2022/06/13

NAO

『小さな手』には、「手」に関する話が3つ収められている。恐怖小説の代表ともいえるジェイコブズの「猿の手」は既読、ハーヴィーの「五本指の獣」もなかなかに不気味だ。表題作の「小さな手」は、古い屋敷に現れる子どもの幽霊の話。怖いというより、可愛らしい話。カポーティの「ミリアム」は、設定はよくある話なのだが、ゾクゾクっとする怖い話。ビアスの「月明かりの道」も、有名な話。芥川龍之介がこの作品に感銘を受けて「藪の中」を書いたというのも、有名な話。他3編。

2023/07/25

あたびー

岩波のYA向けホラー短編集も4冊目になりました。YAとはいっても全く改変を加えていない本物です。初手から大御所、ジェイコブズの「猿の手」は言わずもがなでしょう。カポーティ「ミリアム」は作者10代にして独身老女の恐怖を良くもこれだけリアルに描き出したものだと震え上がります。ビアス「月明かりの道」は事件の次第を別々の視点から言及した芥川「藪の中」に通じるミステリー。ハーヴィー「五本指の獣」は亡き叔父さんの手が騒動を巻き起こす、ほんとに困るんだけどなんか笑っちゃう物語。(つづく)

2022/03/14

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